こんにちは、検索迷子です。
今日は、「剛 しっかりしなさい!」のブログ運営者である、凪(なぎ)さんのコラボブログ【SMAPとココカラ】(26)君は君だよを受けて、草なぎ剛さんと香取慎吾さんのラジオ番組の話題で、コラボブログ第27回を書こうと思う。
草なぎ剛さんと香取慎吾さんの、bayfmでのラジオ番組『SMAP POWER SPLASH』を、可能な限りリアルタイムで聴いているが、これまでこの番組に対しては、まったりとしたリラックスできる番組というさらりとした感想しか持っていなかった。でも6月26日分を聴いて、いくつかはっとするところがあったので、今日はそれを書きたい。
語る草なぎさんと、抑える香取さんの話す濃度
番組冒頭、6月12日の同放送で上野樹里さんと和田唱さんの結婚の話をしたことに触れ、今回は、香取さんと共演が多い優香さんが、青木崇高さんと結婚された話題になった。
青木さんとの共演経験を具体的に語る草なぎさんに対し、香取さんは優香さんと「共演、めちゃくちゃ多いんだよ」と一言だけ話した。
そこで、前回と同じくお祝いに曲を流そうという話になった。そして、前回は『らいおんハート』をかけているので、毎回同じではということでほかの曲選びに二人は入った。
そして、草なぎさんが「『STAY』がいいんじゃないの?」と提案すると、香取さんが「あれってラブソングなの?」と言った。草なぎさんはすかさず、「あれは、『らいおんハート』に匹敵するラブソングですよ」と言ったが、香取さんはさらに「あれラブソングなの? えー」と言って、「では、青木さんと優香ちゃんへ、ご結婚おめでとうございます」と祝福を口にして、草なぎさんが曲紹介をして曲が流れた。
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いつもなら、こういうお二人の会話はさらりと聞いているのだが、なにかこの日はやけにひっかかった。それは、香取さんのシンプルな話しかたにあった。香取さんは、草なぎさんが語る青木さんとの共演エピソードに耳を傾けたが、ご自分の優香さんとの共演エピソードを具体的に語ることはなく、単にお祝いの気持ちだけを伝えていた。
そしてすぐに、曲を選ぶというステップに集中し、草なぎさんが提案する曲の話に流れをまかせ、『STAY』の曲の解釈を聞いていた。途中、香取さんは『STAY』がラブソングなのという疑問を持ち、言葉を2回投げかけたものの、実際に自分がどう思っていたとは話していない。
最初、この共演者とのエピソードを語らないところとか、ウエディングソングとしての定番ともいわれる『STAY』をラブソングではないなら、どう解釈しているか、そういう話をしないんだなぁと思って何か物足りない気がした。心情を具体的に語るということを、あえて迂回しているのだろうかと思ったりもしたが、でも、それが香取さんの持ち味なんだと思い直した。
比較するわけではないが、たとえば、先日、木村さんがラジオで語ったことを話題にした、(21)木村拓哉さんが語った蜷川幸雄さんへの思いと、『夜空ノムコウ』でも触れたが、ここでは木村さんが、故人に対しても、楽曲に対しても、具体的な木村さんの思いが語られていたことから、共感しながらラジオを聴いていた。
だから香取さんが、過剰に語らないということが当初物足りなくもあったのだが、あとからじわじわ、香取さんならではのMCのスタイルなのではないかと思い始めた。
何より、お祝いの気持ちはしっかりと伝わったし、『STAY』がファンにとって支持されている曲と知っているからこそ、それぞれの解釈があるからと、自分の感想はあえて言わなかったのではないかと思ったのだ。
シンプルな草なぎさんの答えに、問いかける香取さん
そう思い直した理由が、さらに番組が進んだところにあった。
ハガキを読んだあと、SmaSTATION!!の番組で取り上げた辛い物の話になり、草なぎさんがその番組を観たことから発展し、SMAPのほかのメンバーの番組を録画して観ているという話になった。
香取さんはそこで「どういうこと? なんで?」と質問し、草なぎさんは録画したものを翌朝観ているという説明をしていた。就寝中のこともあり、リアルタイム視聴はできていなくて、朝視聴していることを少し申し訳なさそうに話していた。
香取さんはさらに、自分が知りたいことと、草なぎさんの答えが違っていることから、「状況じゃなくて、なんで観るの?」と、自分は自分の番組のオンエアはチェックするけど、メンバーの番組はたまたまやってたら観るけれど録画はしないと話した。だからこそ、録画をしてまで観ている草なぎさんに疑問を持って、その理由を具体的に知りたかったのだろう。
草なぎさんはそれに対して、「SMAPで録画予約をしてたら入ってくる」、「どんな感じかなと思って」と答え、逆に自分の番組は出演しているから様子がわかるので、たまにしか観ないという話をしていた。
話は脱線するが、草なぎさんのこの「SMAP番組の録画」のことを語るのは、とても好感が持てた。1月以降の報道でSMAPの関係性があれこれ書かれていたとしても、草なぎさんがSMAPにいるご自分をごく自然に受け止めていて、自分の番組チェックはしなくても、メンバーに興味があるという愛情の深さが伝わってきた。
こういうメンバーへの思いが伝わる行動を気負わずにするところが、草なぎさんの素晴らしさなのだろう。草なぎさんは、録画している、朝観ているという事実しか主に語っていないが、そのシンプルな事実語りが、具体的に語るよりも何か深い気もした。
話を元に戻して、香取さんと草なぎさんの会話のやりとりがとても興味深かったのは、香取さんが番組冒頭に、熱弁気味に語る草なぎさんの話を聞いて自分の話を最小限にしていたときと、話す役割と違っていたことだ。録画の話では、もっと草なぎさんに具体的に語ってもらうために、自分の話を引き合いに出しながら、質問をふくらませているのだ。
結婚のお祝いと、録画の話の二つの場面での香取さんの話を聞きながら、いまさらかもしれないが、香取さんってMCをたくさんやってこられた人なのだと、そのMCの上手さを実感したのだ。自分の会話への入り方や、私見を語る度合、相手の良さも引き出し方など、臨機応変に会話の濃度を変えていけるかたなんだと思った。
もちろんこれまでも、テレビ番組のなかでMCをうまいと思う場面はいくつもあったが、ラジオでそう思ったのはこれが初めてだった。これまでこのラジオは、草なぎさんと香取さんの親密な関係とか、話すトーンのゆったりとしたテンポから、香取さんがそれほどがっちりMCをされている印象は持っていなかったが、考えを改めるような回だった。
またまた比較というわけではないが、中居さんのMCは評価も高くネットでも話題にもなり、ご自分でどんなスタイルとか意志でやっているか語ることもあるため、そのMCの上手さや秘訣は目に留まりやすい。でも、香取さんのMCを具体的に分析したり、香取さんご自身がどんな思いでやっているのかというのは、なかなか露出が多くないように思う。
香取さんの、場の空気に身を委ねて相手をさりげなく引き出す、MCの上手さや心配りやセンスの良さは、あとからじわじわとわかる気がしている。ご自分のカラーを打ち出さないゆえに、この実力は評価として一部には届きにくいのではないかと、今回、はっとさせられたのだ。
語りすぎない、聞きすぎないことの良さ
最後に、今回このラジオ番組の良さがあらためてわかったことを書いておきたい。これまで、草なぎさんも香取さんも、SMAPのほかのメンバーのラジオ番組ほど、具体的に何かを説明したり、心の内を話したりという感じが少なくて物足りないと思ったこともあるが、その語りすぎない度合が逆に、気軽に聴けていいのだろうと思うようになった。語りすぎないことが、聴き手の負担にならなず、だから聴きやすい番組でもあるのかもしれない。
特に今回、ふだんは企画色が強い番組構成のところ、いつもよりも感情の内面に一歩踏み込んだような、楽曲の解釈の話に膨らんだため、香取さんが『STAY』をどんな解釈で歌っていたのかというのをもっと知りたい気もしたし、草なぎさんがメンバーの番組を録画して、それぞれにどんな感想を持っているのかももっと聞いてみたい気がした。
でも、あえて言葉にしすぎないことで、視聴者に少し考える余地を残しておいてくれて、それぞれの解釈を自由にしていいんだと思わせてくれるところが、この番組の良さなのかとも思う。過剰な説明よりも、むしろシンプルな事実を一言だけ伝えてくれる方が、実は深いのかもしれないと思ったりもして、今までとは違う気持ちで番組を聴き終えた。
なにか、過剰に思いを語ることよりも、何を語らないかが大事なのかということと、いかに少ない言葉で事実や感情を正確に伝えていくかを考えさせられた。
人に何かを伝える仕事をしているかたたちは、言葉を選ぶセンス、言葉の量が絶妙なんだと思わされるラジオの時間となった。
では、また。
コラボブログの主旨
ブログ主旨については、下記にリンク先を掲載している。
【コラボブログ:SMAPとココカラ】(2)SMAPとファンは、もはや一つの組織の最下段、【コラボブログ:SMAPとココカラ】(4)木村拓哉さんの自己犠牲の精神の序盤で紹介している。