草なぎ剛さんの「スペシャリスト」の声

こんにちは、検索迷子です。


今日は、ドラマ「スペシャリスト」の
番宣と、初回を視聴して、
草なぎさんの声について書こうと思う。
年末に、「スペシャリスト4」を視聴
した際にも感想を書いているが、
それとのつながりは意識せず今日の
感想だけに触れる。
草なぎ剛さんの静と動の役割


これまで草なぎさんの声の魅力を
数回書いてきたが、何度その声を
聞いてもなかなか魅力が解けない。
だから、切り口を変えて数回書き、
自分でその魅力を確かめている。


ドラマの内容や、演技については
話題が拡散するため、ここでは
取り上げない。あくまで声だけを
中心としていく。


まずは、少し横道にそれるが、
普段はワイドショーを観ないが、
昨日は草なぎさんの番宣を観ていた。
やはり昨日の騒動以降の生番組で、
気にかかっていたのもある。
が、当然その話題には触れられず、
番宣に集中できて良かったと思う。


この状況で、いくら主演としての
契約事項だろう番宣活動とはいえ、
テレビ出演は大変なのではないか
と思っていたが、それは杞憂かも
しれないと観ていて思った。


番組と番組の待ち時間にうとうと
していたという話をしていて、
緊張しすぎて眠れないということ
ではなく、逆に眠気がくるほうが
ほどよく仕事で疲れていて、まだ
健やかにも思えた。


ご本人からすると、報道された
状況が事実ならばそれは数か月前
からのことであり気持ちの整理は
とっくについていることで、
視聴者が知った時期とは大幅に
タイムラグもあるのだろう。


とはいえ雑音が多いであろうこの
時期にもかかわらず、仕事として
番宣に集中して、意識を切らさず
説明をしている姿や、逃げずに
生放送の場にいるということに、
気持ちの強さと責任感を感じた。


と、前段はさておき、声の話題に
移る。まずは、番宣で感じた声に
ついて書きたい。


確か大下さんの番組だと思うが、
そこで草なぎさんの瞬時の声の
シフトチェンジを見て、あ、
これだと思う場面があった。


普通の会話から、決め台詞を言う
よう求められ、「わかるんですよ、
俺。10年入ってましたから」と
言おうとしたとき、草なぎさんは
瞬時に声の出すポジションを切り
替えたように見えた。


台詞は言ったものの、役に入った
状況ではなく、本人も照れて言い
にくそうで、実際のドラマほど
低音になりきれていない声音では
あったが、それでも会話の声とは
まったく音の高さが違うのが十分
にわかった。


草なぎさんは状況に応じ、意識的に
役に応じた低音を出すのが、上手い
と思っていたが、ドラマの中では
ずっと役柄の声で演じているため、
日常会話とどれくらい音が違うか、
実はわかりにくかった。


でも、番宣の流れのなかで、役に
シフトチェンジした声を聞いて、
意識してこの声音を出していると
いうのがはっきりした。
この役では、この声を出すという
切り替えが、演技経験が多い分、
速やかにできるんだと思った。


草なぎさんはバラエティ番組では、
頭のてっぺんから甲高い声を出す
ことが多い気がする。
いわゆる、声を張っている状態を
意識した大きく明るめの声だ。
少し金属的なカーンとした響きで、
頭頂部から声を発散するような、
ちょっとはしゃいだような声だ。


この高音はテンションが上がったり、
緊張したときに説明にあたふたして、
自然と声が裏返ってしまうのかと
思っていたが、この高音も意識して
出している声なのかもしれないと
わかる場面があった。


例がふくらみすぎかもしれないが、
先日、「中居のミになる図書館」に
番宣で登場した際、楽屋の会話を
スタジオで流されたとき、かなり
動転して、これ流しちゃいけない
声でしょ、といった話をしていた。


そんなに違和感がなかったが、
ご本人は相当嫌だったようで、
そこまで声にこだわりがあるのかと
意外な気がした。
返して考えると、日頃、いかに
テレビ向きの声を意識しているのか、
この会話からわかった。


と、番宣で感じた低音と高音の
使い分けについて書いてきたが、
次にドラマでの声に触れようと思う。


草なぎさんが演じる役は、
理論的であり、ちょっと偏屈さと
コミカルさを併せ持つ性格だ。
その会話の流れに応じた、声音の
使い分けが本当に見事だと思った。


少し相手をおちょくるように見える
ような、相手を言いくるめるような、
でも憎めないお茶目な言い回しがある。
たとえば、なんとかなんだよね〜ん、
といった語尾を高いトーンでくるん
と丸めるような言いかたは、
場に明るさと躍動感を生み、生身の
人間としての親近感がわく。


それが事件の核心に迫っていったり、
深刻な状況になると、ぐっと低音に
声が深まっていく。
たとえば、こめかみに手を当てて
言う決め台詞の「わかった」だ。


また、初回に限っての会話だが、
吹越さんと刑務所で面会している
シーンでの「言わないよ。だって、
その通りだもん」というのも、
思いっきり低音だ。


この低音は、草なぎさん独自の
鼻濁音だが、こもる音ではない。
むしろ深く響く音なのだ。


息を鼻の上部、目と目の中心の
少し下あたりにぶつけ、口内に
響かせることによって、相手に
はっきりと聞こえる重めの音の
出しかたが本当にうまいと思う。


草なぎさんはこうやって、低音、
深みのある音を出すとき、息を
どこに当てればどう響くかが、
よくわかっている気がする。
だから、瞬時のシフトチェンジが
可能なのではないかと思う。


理論で知っているかはさておき、
自分の身体を声を響かせる楽器
のように体感的にわかっている
ような気がしている。


また、声とは外れるが、台詞に
ついて触れると、草なぎさんの
役は、倒置法の台詞が印象深い。


たとえば、先の定番台詞、
「わかるんですよ、俺。〜から」
は、
「俺は〜だから、わかるんですよ」
が倒置されている。


また、上記の、
「言わないよ。だって〜だもん」
も、
「だって〜から、言わないよ」
の倒置だ。


人物設定上そうだと思うが、
草なぎさんの役は口調に独自の
トーンが多数入っているのが
とても面白い。


倒置法、言い切りの台詞、
語尾の甘えたような、〜だもん、
といった言い回し、
息継ぎのピッチをあえて、間髪
入れずに続けることで理詰めの
タイプを強調したり、
相手に突っ込む隙をあたえない
ことで、天才肌で周囲を掻き
回す雰囲気を出している。


声のコントロールの多様性が、
個性を際立たせ、愛すべき多彩な
能力を持つ人物が生まれている。


声の使い分けは、
スペシャリストに限った手法で
はないと思うが、草なぎさんが
こうして一話中の場面ごとに
声のバリエーションを使い分け
ているということが、何よりも
面白く、魅力的な番組となって
いるような気がする。


人物設定が草なぎさんを想定して
あて書きされたと読んだことが
あるが、このドラマは草なぎさん
の声の良さと息遣いの多様性を
存分に引き出していると思った。


いままで、ドラマを観るときは、
演技を観ていると思うことが
多かったが、スペシャリストは
草なぎさんの声を聞いていると
いう感覚で楽しめる。


もちろん、演技や表情もくるくる
変わり、愛くるしさやシリアスさ、
動揺や明晰さなど、いくつもの
表情を見せてくれるのだが、
場面を効果的に演出しているのは、
草なぎさんの声だと思って、特に
今回は観ていた。


これは連続ドラマのため、この先
どう変化していくかわからないが、
草なぎさんの声の魅力を知りたい
人間としては、ちょっとその断片
がわかる回となった。
続けて視聴し、応援しようと思う。


ところで、全く別の草なぎさんの
映画の話題だが、
ドリパスで「中学生円山」上映が、
お台場で1月24日(日)16時にある。
「中学生円山」上映なるか!?@お台場シネマメディアージュ


一年前から上映候補のリクエストを
続け、初のチケット販売にまで来たが、
販売締め切りまであと3日で、残数が
20あり、上映実現が厳しい状況だ。
ぜひ、関東近郊にお住いのかたは、
購入のご検討をお願いします。


過去、私がドリパスに4回通い8作品
観た映画は、草なぎさんと稲垣さんの
作品ばかりだったが、
ドリパスの上映の雰囲気は独特で、
ファンのかたの熱意によって上映が
決まる仕組みのためか、上映後に、
拍手が起こることが多い。


ああ、ファンのかたたちと一緒に
観てたんだと温かい気持ちになる。
その愛情にあふれた雰囲気がやけに
心地良いのだ。
手数料を含め、新作並みの料金には
なるが、大スクリーンで観るのは、
作品の良さが引き立ってとてもいい。


同日、任侠ヘルパー
あり、そちらは上映人数に達した。
ぜひ連続で鑑賞していただければと
思う。


では、また。