草なぎ剛さんの反動

こんにちは、検索迷子です。


草なぎさんの身体能力について、以前2回記事を書いた。
草なぎ剛さんの可動域
草なぎ剛さんの繰り出す力


流れるような草なぎさんの身体の動きについて、
文字にするのは難しい。


映像で観るのが最も効果的で、
文字にするのがナンセンスなのではないかとすら思う。
それでも、果敢にまだ書こうと思っている。
それはひとえに、草なぎさんの何が素晴らしいか、
一人でも多くの人と共有したいからだ。


そして今のところ、
これだけしつこく深堀して書こうとしているのは、
自分以外にはあまりいないかもしれないというのが、
より書き残したいという気持ちに拍車をかけている。
私も純粋に、草なぎさんをキャーかっこいいーと観ていることはあるが、
どうもそこでは終わらないみたいだ。


そのあとの余韻というか、引っ掛かりがずっと残っていて、
あれは何だったのかと言葉に書き始めたくなるのだ。


ということで、今日は草なぎさんの反動について書こうと思う。


反動をつけるという言いかたをする。
何かの動作に勢いをつけるための動きだ。
草なぎさんの動きは、この反動という言葉がぴたっとはまることが多いのだ。


反動をイメージしやすく補足すると、
バネの伸縮作用にみられるように、縮んでいるときに力を蓄え、
伸びたときの弾みを増加させる動きもあれば、
平坦な状態から勢いを加速させるために道具を使うこともある。


たとえば、跳び箱を飛ぶときのロイター板は、助走のスピードを使い、
踏み切ったときに縦方向のジャンプを補強する働きをするだろう。
また、走り幅跳びの白い踏切板は、踏切位置のガイドライン
過ぎないようではあるが、あそこのラインで踏み切ってジャンプを
するための反動をつける位置になっている。


と、反動の難しい話をしようとしているのではないのだが、
さて、大人になって反動をつけて何かをしたことはあるだろうか。


反動をつける動作というのは、何かを加速させるための動きのため、
大人になるとスポーツをやっているかた以外は、
意図的にはあまりやらないと思う。
重いものを持つために力をためておくとか、
重いドアを押すためにとかはまた別として。


草なぎさんは、今もなお、反動をすがすがしく実践している。
身体能力が高いからだと思うのだが、
身体の動きが青春時代のままフットワークが軽いのだ。


先日のスマシプで、中居さんがプール遊びの際に、
スピードが出るものとかもう怖くてだめなんだよ、
といったような話をしていたかと思うが、
私はここに大きく同意した。


たとえば、スキーのような思いっきり加速するようなものは、
気持ちが疾走感についていけないのと、
けがをしたらどうしようという恐怖が先に立って楽しめないのだ。
加速するもの全般がどんどん怖くなり、
子どものころあれほど好きだった、スピード感を今は受け付けなくなっている。


反動をできるだけつけないように、
平地でそっと体を動かすような、こぶりな動きになっているなぁと
思っているなか、
草なぎさんの反動をつけたパフォーマンスを観ると、
もう気分爽快になるのだ。
草なぎさんはいまでも、いつでも反動を全力でつけているなぁと思う。


たとえば、最近でいえば、
「Otherside」の間奏での動きだ。
木村さんを中心にV字のフォーメーションになって、
二列目にいる草なぎさんと中居さんが左右に広がるところがあるが、
このときの反動のつけかたがすごい。


あまりに反動がついて、カメラからフレームアウトしてしまうくらい、
草なぎさんから見て左側への移動幅、
移動させるための反動がすごい大きいのだ。
惜しみなく反動をつけて踊っているのが本当に好ましくなる。


もっと直近の例はあげようと思えばあると思うが、
あえて、私が一番好きな反動シーンをあげると、
「STAY」で右ひざを胸元に引き上げて、右手でタッチするシーンだ。
まさに、反動をつけてぐいっと引き上げているのだ。


話が脱線するのを承知で書くと、
私が草なぎさんのダンスに魅了されたのは、
「STAY」のライブでのダンスだった。
ダンスが全般的に美しく、黒のロングの衣装の波打つ様子や、
草なぎさんの細身の縦のラインの美しさが、
このダンスでは際立っている。


この「STAY」での草なぎさんの足の引き上げの角度は、
ものすごい鋭利でいて軽やかだ。
草なぎさん一人だけのダンスシーンで映像を観たいと思うくらい、
この草なぎさんの反動をつけたダンスの美しさは際立っている。


それから、複数の楽曲に見られる動きだが、
足を大股で開いて腰を落とすシーンがあるが、
わかりやすく言うと、野球のイチロー選手が股関節をほぐすために、
お相撲の股割りのポーズをよくしているが、
あのような姿勢のダンスをするときにも、
草なぎさんの反動を感じるのだ。


「JOY!」で例を出せばわかるだろうか。
「無駄なことを一緒にしようよ」のときの、沈みが深いのだ。
これは反動だけでなく、股関節自体も柔らかいからだと思うが、
一連のダンスの流れのなかで、反動のつけかたをコントロールして
いるからこその動きなんだろうと思う。



また、記憶がうろ覚えで恐縮だが、
スマスマにセカオワがゲストで来た際、
ダンスのアドバイスを草なぎさんがしたとき、
反動をつけたほうがいいよ、というようなことを言ったような記憶がある。
そのときも、反動って最近意識しないなぁ、
草なぎさんは今も反動をつけて動いているんだと感心した。


言葉を慎重に選んで書きたいが、
草なぎさんはずっと青春時代のまま反動をつけたダンスを
しているが、
他のメンバーは洗練されたパフォーマンス技術がつくと同時に、
反動をつけたような大ぶりな動きはしなくなっているようにも見える。
存在感は圧倒的ではあるが、身体の伸びやしぐさの大ぶりさは、
きっと若かったときほどではないのかもと思ったりして。
年齢を重ねたなりの魅せ方を見つけてたのだろうと想像する。


こうやってSMAPは、一人ひとりが個性あふれる踊りをしているが、
若かったころの勢いに任せてという部分が薄まっている面もある。
でもそんななか、草なぎさんは今もなお、反動をつけて、
くるんとまわったり、びゅんと歩幅を広げたりして、
いい意味での反動の青っぽい勢いの部分を残して、
今でも身体全体で踊っているように見える。


草なぎさんを見ていると、
反動をつける勢いすら、
恐れを乗り越える気持ちがないとできないんだなと気づかされる。


反動をつけたままで踊り続けてほしいと、
草なぎさんの流れるようなパフォーマンスをみながらつくづく思う。


そして、反動の最たるパフォーマンスである、
バク転、バク宙をけがをしたあとの草なぎさんがされるのかは
わからないが、そこは無理をしないでほしいと思う。


自分も昨年同じようなけがをして松葉杖を使っていたが、
人生初の松葉杖に精神的にも参って、
腫れもなかなかひかず、完治まで数か月かかった。
反動をつけるどころか、普通に足を地につけること自体が
おっかなびっくりとなり、歩くことや靴や靴下に至るまで、
選び方が変わった。
しっかりと二本足で立つことがどれだけ大事なのか、考えさせられた。


仮に反動をつける草なぎさんが、今後たくさんは観られなくても、
記憶に残る動きはたくさん目に焼き付けさせてもらったのだから、
いまは、普通にすっと立っていてくれるだけでいいと思っている。


反動をつけるのは、
青春時代の特権みたいなものかもしれないと考えると、
草なぎさんはそれをずっと見せ続けてきてくれて、
あらためてすごいパフォーマーだなと思った。


STAYの反動ひとつで、心をわしづかみにされたくらい、
そのダンスの美しさには価値がある。


では、また。