RADIO FISHの『GOLDEN TOWER』のみどころ

こんにちは、検索迷子です。


今日は、RADIO FISHの「ゴールデンタワー【公式ライブ】」での、ダンスパフォーマンスについて書きたい。


先日、
RADIO FISHの『ULTRA TIGER』の熱量
RADIO FISHの『ULTRA TIGER』のダンスの秀逸さ
を書いて、今回がRADIO FISH記事の第3弾となるが、1つめの記事より、2つめがさらに閲覧されていて驚いた。


一度めの反響が偶然ではなかったとわかり、それでつくづく、自分が心のなかでひっそりと楽しんでいても、それはタレントさんの応援にはならないのだなぁと思った。ちょっとした感想でも文字にして伝えないと、誰とも楽しみをシェアできないし、素晴らしさを広めることもできない。


私はファンという立場ではないが、気になるものはノートをとりながら映像を観ていて、書く前にものすごく時間を使っている。それで、今どうしても書きたいと思ったときに一気に書き上げる。対象へのリスペクトがあるからこそ、素晴らしいと思う存在は、たとえ微力でも、書いて拡散のお手伝いができればと思っている。

ゴールデンタワー【公式ライブ】で、細部に光が当たった

今日の感想は、
ゴールデンタワー【公式ライブ】 RADIOFISH GOLDEN TOWER feat.當山みれい@赤坂BLITZ
のみに限定して書く。


実は、『GOLDEN TOWER』のレビューをするかどうか、ずっと迷っていた。


というのは、Mステ出演をリアルタイムで観たときは、「あ、これは」と思ったのだが、時間とともに、何か全体が整いすぎて引っ掛かりが薄れていった感じがしたのだ。


Mステでは全体的にかっこよさを引き立てるためか、照明が暗かった印象があり、細部まで観きれなかったというのがあった。また、公式MVのほうも、スタイリッシュな作りだけど、全員が同じ画角にはいって、スキルマスター(ダンサーさん)の振りが、もっとはっきりとわかる映像が観たいという思いがあった。


公式ライブ映像を観て、やっと、待ってたのはこれだったとわかった。つまりは、全体のダンスパフォーマンスが見えていないことが残念だったんだと再確認できた。


公式ライブも欲を言えば、全員が俯瞰できず、見切れているところがある。そして、スキルマスターにもっと照明を当ててほしかった場面も多かった。それでも、これまで確認できなかった振り全体を観られたのは良かったと思う。これでがぜん、ダンスの素晴らしさが堪能できるようになって満足している。


踊ってみようとするかたも、全体のフォーメーションが見やすくなったのではないかと思う。RADIOFISHのダンスを真似するときのクオリティの差って、中田さん役のメリハリもそうだが、脇を固めるスキルマスターの細部にどれだけこだわるかで、全体のきれいさが全く変わるような気がする。中田さん役は、指先一本の美しさにこだわって全力で崇めないと、そうそう引き立たない。

本業で見せてくれるところと、真逆な側面の妙

RADIOFISHの面白さは、「芸人なのに、アーティストっぽい」「一流ダンサーなのに、全力でお笑いのネタで踊っている」という、各人が持つ真逆の要素を両面から全力でやりつつ、遊び心を感じるところにあると思っている。


今回、歌についていえば、『GOLDEN TOWER』 feat.當山みれいちゃんということで、藤森さんとみれいちゃんの歌の男女による声の対比や、みれいちゃんの歌の上手さもあり、また新しいパフォーマンスの形を見せたと思う。


今日はダンスのみの話題なので、歌そのものには触れないが、私自身、趣味でボイストレーニングをしているので、歌のことはまた別の機会に触れてみたい。


ダンスパフォーマンスに話を戻すと、真逆の要素がパフォーマンス中に両方あるほうが、がぜん、サビの全員での中田さんを崇めるダンス部分のシュールさや、面白さが引き立つ。特に、本業と異なるパフォーマンスを観たときには、こういう一面もあるのかとはっとする。


中田さんや藤森さんには、ダンスや歌が上手いと思う瞬間もあれば、やっぱりお笑いのかたなんだなと思う瞬間がバランスよく差し込まれているなと思う。


中田さんが、完璧なオーバーアクション気味のポージングを混ぜるだけで、お笑い密度はぐっと上がる。藤森さんのダンスは、スキップの軽量感があって、肩と腰が揺らぐ感じがするが、そこがかえってとても楽しそうで、楽曲中にやけにほっこりとした時間をくれたりする。


スキルマスターの4人は、中田さんの周辺に寄って、全力でコミカルな動き(中田さんがキャッチーな命名をしている、揃いのダンス)を真顔でやればやるほど、その顔面偏差値の高さが際立ち、面白いのにかっこいいという不思議さと本気度が伝わってくる。


反面、中田さんが待機時間にスキルマスターが踊るダンスは、振りの自由度がもう少し高まり、基本型は同じであっても個性が出ている。そして、彼らの表情もご神体を崇める時間から解放されたからなのか、がぜん表情が豊かになる。


前回記事で、スキルマスター4人のかたを個別に書いたことが好評だったため、以下に私が印象に残ったことを書いてみたい。

SHiNさんのダンスが引き立つ動画

この動画を観たとき、SHiNさんのカットの多さがとても印象に残った。そして、いいアングル、いい表情がとても多かったと思う。


特に、最初の「巨大な塔」の歌詞のとき、背中を向けて腕を突き上げ、反動で、ぐっと見切れるほどしゃがむシーンがあるが、後ろ姿でここまできれいなのはすごい。ぐわーっと伸びて、急降下するところまでがきれいだ。


前回も少し書いたが、SHiNさんのダンスは、高低差がでるような、膝やひじをカクンと折り曲げるような動きのインパクトが大きい。身体の各パーツが長さから、目に入ってくる面積も大きく、しばらく見る側の視点をくぎづけにする。


一連の動きの始点から終点までにいつの間にか見入ってしまい、気づかないうちに時間差が生まれている感じがして、毎回とてもはっとさせられる。


藤森さんの肩に手を置くシーンも、Mステのときからとても印象深かった。前かがみになっているのもそうだが、手を置くという動きだけで、踊りの楽しさを表現できるくらい、パーツを折り曲げたときのインパクトが強い。


なかでも、「札束に降り注ぐ」の振りの、上から長い腕が降りてくる感じ、膝の入り具合なども、なんて品があるんだろうと思った。振り自体がラフなものであっても、上品さだけがにじみでる。


イメージからすると、直線的できれいなダンスをしそうに見えるのだが、なぜか、貴公子感のままでいるより、それを少し隣のお兄さん寄りにさせた、骨っぽさが出ているときのほうが驚かされることが多い。

つとむさんの熱は人を幸せにする

つとむさんのダンスの熱は、熱すぎて笑っちゃうけど、一周してその本気の熱さに胸を打たれる。


特に好きなのは、「誰もみな彼を求め」のところだ。右腕を振りかぶって、反動をつけて上方にパンチするところ、両手で上に手を上げるところの一連の動きが、「いいぞ、もっとやれー」と言いたくなるくらい、楽しくなる。


肩が抜けるんじゃないかと思うくらい、身体を空間に放つところが、つとむさんは本当に良くて、どこまで空間を制覇できるか、もっと伸びやかに動いてほしいと思うくらい、素敵な動きだ。


「札束に降り注ぐ」のところも、SHiNさんとはまるで違う手の動き、指の上から降り注ぐぴらぴら感がもう楽しくて、ここだけで何度も観ていられる。指一本いっぽんまでコミカルさを表現できるところが圧巻だ。


藤森さんの横にいるときの、両手の指を開き気味で、手のひらを腰あたりにかざす姿勢でも指のぴらぴらが面白くて、指先の表現力はすごい。


最後の、藤森さんが「ふぅー」というときのジャンプも、ここまで踊ってまだ飛ぶ?と思うくらいジャンプをしている。最後まで全力で、観ている側も熱くなる。

show-heyさんのきゅっとした動き

この動画、show-heyさんの寄りが少ないのがとても残念だったが、そんななかでも、show-heyさんがすっと位置移動するところとか、「夢を見る」でコンパクトに立ち位置に入るところが印象的だった。


show-heyさんは柔軟性がある、柔らかさを出す動きが本当にきれいだなと思う。関節とか、身体をいかにも動かしているという感じがないまま、全体を一本の糸のように踊っている。抑揚がないということではなく、なめらかさゆえに、流れるようにずっと踊っているように見えるのだ。


「ローリングショット」という右手をぐるぐる回転させる動きのときも、全体に爽やかな風を送っているのではないくらい、涼やかで柔らかだ。


でも、そうやって全体を通して一見控えめに見えた動画だったが、実はそうではなかった。Mステのときもそうだったが、この『GOLDEN TOWER』パフォーマンス、最後に全部持って行ったのは、show-heyさんの正面を向いた表情と、手振りの色気だった。この一瞬だけは、show-heyさんが中田さんからスポットライトを奪う。


でも、これがいいスパイスになり、「ご神体を崇める」という設定のなかに、実は虎視眈々と次を狙う存在がいる、みたいなストーリー性が生まれる。本当はちょっとした遊び心によるアドリブかもしれないが、二度観たインパクトは大きく、ここはずっと続けてほしい。

FISHBOYさんの腰回りの強さ

FISHBOYさんも、つとむさんと同じ場面での風圧が強いパンチを感じたが、この動画で特に気になったのは、ターンする際の腰回りだった。


ちょっと見切れてしまう部分だが、「者だけがリアル 手に入れられない」で位置移動するときに、ターンする姿がものすごい近い距離で映しだされている。この動きの軸がとてもしっかりしていてきれいだと思った。


また、間奏でスキルマスター4人が踊る場面は、4人全員がアップで全員がとてもきれいな映像で、ここだけでも何度も見たくなるくらい編集が抜群にいい箇所だが、なかでもFISHBOYさんのターンの腰での回転を至近距離で映しているのが、抜群のアングルだと思った。


FISHBOYさんのダンスで以前から特に印象深い、この腰で回転する動き(というのだろうか)を、この臨場感がある距離で見ることができて、これまでは、足先までを含めた引きの映像しか観たことがなくてとても新鮮だった。


腰上からの映像を観たことにより、その身体のパーツの使い方の不思議さがさらに増したが、こんなに間近に寄ってもきれいなんだなぁと思った。


あと、RADIOFISHの他の楽曲にも言えるが、サビの中田さんが中心にいるダンスの真横にFISHBOYさんがいると、「ご神体のクローン」がいるような不思議な立体感と世界観が生まれて、大真面目にこの距離感のご兄弟でのパフォーマンスは、この似ているけど少し違う外観が、とても有効に働いていると思う。


少し話はそれてしまうが、中田さんご兄弟、以前から和の伝統芸、たとえば歌舞伎とかが似合いそうなくらい、顔立ちとか気品とか、静と動をコントロールするお力があると思っていて、それは顔立ちもうそうだが、和の雰囲気が映えるように思っていた。


特にFISHBOYさんは、歌舞伎のかたがテレビや映画に出ているように、ストリートダンスと、異なるジャンルを結びつける、「のり」のような役割を果たせるかたのような気がしている。この整った顔立ちと佇まいの美しさは、武器としてぜひ使っていただきたいと思う。

スキルマスター4人がそろう豪華さ

私がこの動画で特に好きなのは、スキルマスターが藤森さんの横に集まるところだ。ファッションショーかと思うほどに、藤森さんの両肩に手を置くSHiNさんとつとむさんの姿、show-heyさんとFISHBOYさんの姿は、圧巻だ。中心にいる藤森さんがデザイナーさんかと思うほど、脇を固めるメンバーが華やかだ。


そして、4人全員の表情もいい。4人とも笑うと、一気に子犬度が増すほど無邪気に笑う。なかなか4人が笑っている場面って見られないだけに、パフォーマンス中にこういう笑顔の場面があるとほっとする。


最後の間奏での4人のダンスシーンも先に書いた通り、もう、この15秒ばかりを何度でも観ていられる。4人全員が、ダンスもアングルも表情も完璧なくらいに、見ごたえがある。この部分を見るだけで、ああ、自分が踊れたらどんなにいいだろうと、ダンスの楽しさが伝わってくるのだ。


4人ともどのMVでも思うことだが、横顔が半端じゃないくらいきれいだ。だから決めポーズがとても映える。もっといえば、どのアングルでもぬかりがないほど、全方位型の撮影に耐えられるところも凄い。人に全身のパフォーマンスを見せるお仕事をされているかたって、全身への心配りがまるで違うのだと思わされる。


また、このライブ映像、セットリストでは中盤のパフォーマンスのようで、かなり汗も見られ衣装も暑そうだが、ダンスも気迫も全体のラインも全く崩れていないところに、踊ることが本業のプロを感じる。踊り続けてこそプロなんだなと胸が熱くなる。



今日もこうして記事を書きながら、ダンスに知見ゼロなのに、何かを語りたい思いにさせてくれるなんて、RADIOFISHはダンスを本当に身近なものにしてくれたなと思うし、楽しめるものを一つずつ増やしてくれて、感謝したい。素敵なパフォーマンスを、本当にありがとうございます。


毎回、これはどう表現すればいいのかと、書くのに苦戦するが、結果、書いて一番楽しいのは私のようだ。毎回かなり長文を書くが、たいてい一度も席を立たず、書き終わるまでずっと集中して書き続けている。


美しきものを見つめる時間は、自分に次なるエネルギーをくれる。


では、また。