草なぎ剛さんの息が合う存在

こんにちは、検索迷子です。


草なぎさんの声について過去3回書いてきた。
書けば書くほど、草なぎさんの声の良さをもっと解き明かしたいと、
どんどん興味が増していく。
草なぎ剛さんの声の距離感
草なぎ剛さんの声と胸筋
草なぎ剛さんの誰かを呼ぶ声


今日は、声と関係が深い、息について書こうと思う。


以前も書いたが、声とは息の量で決まり、
どのような息を出すかという、事前の心のありようが影響する部分がある。
文中で息と書くのは、そのため声と読み替えも可能な部分もある。
ということも少し踏まえていただければと思う。
また、例をわかりやすくするため、SMAP5人のことを折り交ぜていこうと思う。


息が合う、という言葉がある。
相性がいいとか、意思疎通がうまくいくとか、
そういう意味合いの慣用句だ。


この息が合うというのを、SMAP5人にとても感じる。
抽象的な意味合いでの息が合う、波長が合うというのはもちろん、
文字通り本当に、息自体が合っていると思う状況をよくみかける。


少しわかりにくいと思うが、
SMAP5人でトークをしているのを聞いていて、驚くことがある。
会話の息遣いの合いかたそのものが見事なのだ。


たとえば、芸人さんなどで、我も我もと弾丸トークのように
喋るのを持ち味としているかたがいるが、
まだ慣れていないかたは、言葉かぶりが多い。


誰かが話し終えていないのに、言葉をかぶせてきたり、
早とちりをしたり、甲高い声で割り込んだり、
話し手の息をさえぎったように話し出すひとを少なからず見かける。
意図的な芸風のかたはちょっと脇において、
テレビ慣れしていないで舞い上がっているかたを想像してほしい。


ところがSMAP5人は、めったに言葉をかぶせる状況をみない。
例外的に、誰かが何か熱くなって反論するようなとき、
たとえば、ヨルタモリの最終回での草なぎさんと香取さんの
やりとりのような、言葉をかぶせあうことは本当にめずらしい。


ライブのトークコーナーでも、スマスマでもMステでも、
いつも5人が喋る状況では、なめらかに会話が進み、
当初、MC役が多い中居さんの力量によると思ったのだが、
それもあるが、どうやらそれだけではないのだ。


SMAPは、5人が本当に息遣いが合っているのだ。
お互いの息を確認して、間合いが読めるのだ。


もちろん、はぁはぁと大きな息をするわけではないため、
それは気配を察知する力でもあるし、
お互いのキャラクターを理解している部分でもある。


そして基本的には、傾聴力、つまりしっかりと相手の話を聴く力があり、
相手が今何をしようとしているかを察する力があるのだ。
また、相手をしっかり見ているというのもあるだろう。


複数人で何気ない会話をしているとき、台本のないものでは、
次に誰が話すかはわからない。
だから、今は誰が話す番か、
いつ自分が話していいタイミングかは、
きちんと聴いていないとできないのだ。
テレビではマイクを使うため、マイクの上げ下ろしもある。


5人だけのときもそうだし、司会者が別にいて5人全員に質問する
ときもそうなのだが、
相手の息遣いを正確に読み取り、そのタイミングにフィットした
メンバーが、さっと話し始める。


このタイミングがいつも見事で、無駄な間も、言葉かぶりもなく、
流れるように進むことが多いのだ。


司会者がいるときなどに興味深いのが、
5人にまとめて質問をされて答えるときに、
5人同時に一瞬黙って間があくことがある。
誰が話すのかを5人で瞬時にはかりあって、まるで合図をしたかの
ように誰かが話し始める。


芸能人だから、返答には慎重で、
思いつきをうかつに答えたりしないような習慣がついて
いる部分もあるのかもしれないが、
何回もこの状況をみていると、5人でお互いの息遣いを
無意識に確認しあっているように思うのだ。
ほんの一瞬の間なのだが、無音ではあるが、
まさに5人の息が合っているからこそできることだと
思うタイミングだ。


5人だけでトークをしていると、息の合い方は本当に
見事だと思うことが多く、トークコーナーだけを、
内容に関係なく、まじまじと見入ってしまうことがある。
バランスよくそれぞれが会話し、誰かが突っ込み、
そこにおかしな間も無駄な空白もないくらい、
リズムがあるのだ。
お互いをよく知っている信頼関係や、お互いの間合いが
わかるゆえの、息の合い方なのだ。


先に、ヨルタモリでの草なぎさんと香取さんのちょっとした
会話のことを書いたが、
このとき興味深かったのが、中居さんが、
「草なぎ、ステイ。待ーて。待て」と話す順番の整理を
促したときの草なぎさんの反応だった。
「待て。待ーて」と中居さんの言葉を反芻し、
気持ちを落ち着かせて、香取さんに話す番をゆずった。


これを観たときに、あ、どんなに高揚気味であっても、
ちゃんと中居さんの声を聴き、そのときの息遣いで
何を自分はするべきなのかと瞬時に察していた。


ネットなどで飼い主と犬みたいだったという表現があったが、
私自身犬を飼っているので、うまいなぁと思った。
本当に、あのときの草なぎさんは、飼い主に従順で、
複数人が会話していても、飼い主の声と命令をしっかり
聞き分ける犬みたいな素直さだったのだ。


息遣いをしっかり聞いて、息を合わせなくちゃと正気に
返ったかのようなシーンだと思った。
何より、人の話を聴くことを怠っていないというのが、
よくわかった。


ときどき、草なぎさんはあまりしゃべらないことがあり、
眠そうとか、興味がなさそうというような表現を見かけるが、
私は実はそうは観ていない。
というのは、しっかり聴いていると思えるような受け答えが
随所にあるからだ。


自分に置き換えると複数人がいて、興味がない会話のときは、
スイッチを切っていたり、話題そのものを聞いてなかったりして、
会話を振られると、あ、ごめん聞いてなかったということは
ないだろうか。
気持ちはずっとそこに集中しながら、発言という形だけを、
今は自分の話す番じゃないとおさえているだけにも見える。


草なぎさんに限らず、SMAPが誰かの話を聴き逃したという言葉を
発しているシーンは私自身は観たことがない。
だから、自分の番ではないとしても、常に聴いているのだと
その姿勢が素晴らしいと思っている。


それから、草なぎさんが会話に参加をしないで黙っているときに
思うのが、息が合っている人たちのなかにいるときは、
身を委ねているんだなぁと思う。


木村さんが以前草なぎさんを表現した、
「爪を隠している」ということにも近いのだが、
いま、気持ちを張り詰めて会話にどんどん参加しなくてもいいと
いうようなとき、安心感から場の空気に身を委ねていたり、
会話を聴いていること自体を楽しんでいたり、
リラックスしているからこそできる無言なのかなと思ったりする。


タモリさんが以前、
草なぎさんがお正月に自宅に遊びに来ても、会話をせず、
寝てばっかりいるということを話されていたようだが、
草なぎさんは寡黙で、言葉がいらない部分もあるように思う。
息が合っている存在だからこそ、緊張を解き放っていられる
関係なのだと思われる。


中居さんがどこかで言っていた、
手を伸ばせば必ず手をとってくれるような部分があるというのも、
きちんと相手の息遣いに気を配り、
息が合うからこそできるのではないかと思ったりもした。


どんな相手にも、
自分が自分がと前にでないような性格だからこそ、
息を読み取る力が研ぎ澄まされているように思う。


性格的に朗らかに見えそうだが、人見知りもしそうなため、
誰とでもそんなに深い話ができるわけではないのかと思う。
仕事上では、緊張した息遣いの連続なのかもしれない。
だから余計に、息が合った人といるときの草なぎさんが、
どれだけ傾聴力があり、自分の役割を感じ取り、
安堵感のなかに身を委ねて呼吸しているのか、
なんとなく想像がつくように思う。


とにかく、息が合ってるのだ。
お互いの息を出すタイミングがわかるからこそ、
お互いを尊重しあえる素晴らしい関係が生まれているのだ。
あるいは、その逆かもしれない。
お互いを尊重しあってきたからこそ、
お互いの息のタイミングがわかり、
自分の息の合わせ方がわかり、
5人での息の最善の出し方がわかってきたのだろうか。


無言のときでも5人の息が合うのだからか、
せーのと掛け声をかけたときに、誰も遅れないというのも、
息が合うことのたまものだと思う。
いつ、せーのと言い出すか予測できないこともあるのに、
せーののあと、本当に息があっている。


その変形的な例として、
27時間テレビのさんまさんコーナーの、
ペンギン姿での「オー、サンシャイン!」だ。
あの台本のない、直前の会話を受けた即興パフォーマンスの、
息の合い方は、ぞくっとするくらい素晴らしかった。


この5人って、なぜ誰も遅れることなく、息をこんなに
合わせられるのかと思うと、
5人って五つ子ちゃんなのではないかとすら思ってしまう。



最後にちょっと脱線するが、
先日のスマスマで思ったのが、
木村さんと中居さんの絶妙な息の合いかただ。


藤原紀香さんの仲良しの芸能人をあてるとき、
木村さんが回答しようとしたとき、
中居さんが僕も好きですと言った。
その一瞬で、中居が好きってことは…と、たぶんだが、
答えようとしたであろう人を変えて、正解したように見えた。
この間わずか数秒だろう。
木村さんが中居さんの声、息遣いを聴き取ったのだと思った。


それから、セブンイレブンの先行販売の場所のくじ引きの際、
佐賀県があたった中居さんが、遠いと思ったのか、
次にとりそうな行動をいち早く察知し、
ガチだよと名前のプレートを地図に貼りにいったのを見て、
このお二人の息を察知する力は、すごいと思った。


もともとSMAPのどの組み合わせでも、バランスはよく、
相性も息遣いも合っていて、
5人とも状況を察知する力はとても高いのだが、
木村さんと中居さんはそのスピードが極めて高い。
木村さんと誰か、中居さんと誰かでもあのお二人は、
コミュニケーション能力が高いので、察する力はあるが、
二人だけだとお互いを息でわかる一体感を感じる。
相手を知り尽くしているのだろうなと思う。


SMAPの話となり話が広がりすぎた感もあるが、
これはどうしても書きたかったのだ。
5人の本物の息が合っている姿は、奇跡みたいにすごいと思っている。
たとえとしての、息が合うではなく、
本物の息遣いが合っているということが、5人で可能なんて、
驚かずにいられない。


草なぎさんだけの声とか、
息のことはまだこれからも書くと思います。
答えはないことだから、自由に仮説を書いて、
何よりも自分がすっきりしたい。


また、私は草なぎさん寄りでメディアを観ているので、
ほかのファンのみなさんにご不快なことや思い違いが
あったら、そこはお許しください。


今日のテーマはこれまで一番表現が難しかった。
パフォーマンスよりもある意味もっと深く、
SMAP5人の深い関係性が読み取れる、声を形作る息遣いだからこそ、
もっといい表現をしたかったのだが、的確な例が出しにくい。


5人が息が合った状況をみるにつけ、
息の合った存在に出会えることのかけがえのなさを感じる。
熱狂的なファンでない自分ですら、
ずっと5人でいさせてくださいと神様にお願いしたくなる。


では、また。