これがSMAPが選んだ『夜空ノムコウ』なら

こんにちは、検索迷子です。


14日深夜、突然のSMAPの解散報道。
この事実をどう受け止めるか、多くのかたの混乱をTwitterで見ながら、眠れぬまま朝を迎えた。


最近、気持ちがざわざわしてブログを更新していなかったが、まさかこんなことになるとは。
現実を直視するためにも、今時点の自分の気持ちを書き留めておこうと思う。


私自身、何度も転職し、所属する組織や仲間とのあれこれを経験してきている。だから、組織や仲間とは、蜜月時代もあり、それが壊れかけてしまうこともあり、時に修復を試み一度は戻りかけたとしても、それでもやがて、別々の道を選択せざるを得ない日がくるというのは、結果として冷静に受け止められる。


前を向くためには、環境を変えるしかないときもある。手に入れた大事なものや存在を一度リセットしてまで、それを選ばざるを得なかったということは、よほどの決断なのだと思う。


環境を変えるようとするとき、どんなにつらい時期をともに過ごし、涙を流し、励まし合い、ずっと一緒にがんばろうと誓った仲間ですら、過去になってしまうという経験を重ねていると、永遠なんてないのだという冷めた気持ちを持った時期もあった。


でも、永遠はないからこそ、いつかは別々な場所に行く可能性があるからこそ、出会えて共同作業をしているこの時間を大事にしようと思うようになった。出会えたことこそ、奇跡で、積み重ねた時間こそ美しいのだと、過去を否定することはなくなった。そして、振り返ることよりも、歩き出す、目の前の道に集中しようと思ってきた。


私は、芸能ニュース寄りにSMAPをコメントできるような業界通ではなく、今回のことで推測とか、経緯を分析するつもりはない。素人目線で語れるようなことではないくらい、芸能界には芸能界にしかわからないことがあるのだと思う。


あくまでも、SMAPメンバーをリスペクトして、美しいパフォーマンスとか、心のありかたを書きたくて、ほぼ一年、ブログでSMAPの話題を書いてきた。その思いは今後も変えずにいければと思う。


何より、5人は引退するわけでもなく、健康を損ねたわけではない。5人として、SMAPとしてのパフォーマンスは観られなくなるのは残念だが、5人が個人で活動をし続けて、何かを届けてくれるならば、それを応援していきたいと思っている。

夜空ノムコウ』をメンバーが別々に歌ったのを聴いて

解散報道を知り、まっさき思ったのが、5人の歌声を聴ける時間はあとわずかなのだということだった。5人が仲良くしている姿が観られないということよりも、5人の声の重なり、ユニゾンが聴けなくなるのが何よりも淋しいと思った。


SMAPはもともと個人活動もしているから、今後もそれぞれに活躍されていくと思うが、5人のあの声で一緒に歌う歌が、期間限定のものになってしまうという事実に、ものすごい喪失感がわいてくる。


私はSMAPの声の重なりに興味があって、これまで何度かブログで書いてきている。
SMAPが『糸』で織りなした声
SMAPさんの『Otherside』の重なる声
SMAPさんの『雪が降ってきた』の息遣い


歌を歌って届ける才能に長けた5人が今後、歌手活動をどうしていくのだろうという気持ちは大きく、可能であればソロでも歌い続けてほしいと願っている。


こういう状況でなければ、細かく感想を書こうと温めていたのだが、少し『夜空ノムコウ』を歌う、SMAPメンバーの話に触れておきたい。


草なぎさんが「ぷっすま」の7月8日と8月12日放送で、トライセラトップス和田唱さんから課題曲に指定された『夜空ノムコウ』をギターで演奏した。この収録がされた同時期、私もボイストレーニングの発表会で同じ曲を歌っていたため、いろんな思いで放送を見ていた。
SMAPの『夜空ノムコウ』をライブハウスで歌った感想


ギター演奏をする草なぎさんの懸命さが伝わる、いい場面だったと思ったが、何よりも衝撃を受けたのが、草なぎさんが歌った最後のパートだった。トライセラ和田唱さんの歌も素敵だったが、草なぎさんの歌で一気に歌の世界観が変化して、どきっとしたのだ。


草なぎさんが自分のソロパート以外で、夜空を歌うのを初めて聴いたが、うわ、草なぎさんの声、1人でも「SMAPの歌」として成立している、とびっくりした。草なぎさんが歌い始めた瞬間に、SMAPの本物オーラが一気に出て、1人なのに5人のSMAPが歌ってるような声だったのだ。これはいったい何なのだろうと思っていた。


その感想もかけずにいた折、7月25日放送の「スマスマ特別編 木村拓哉先輩、付いてきてもらっていいですか?」で木村さんが、桐谷健太さんとのキャンプの場面で、桐谷さんの高校時代の思い出の曲として、『夜空ノムコウ』を歌っていた。


この放送で木村さんは、普段ソロでは歌わないパートを歌っていたが、そのときも実は、草なぎさんが歌ったソロと同じように、「SMAPの本物感」と、1人なのにメンバーの声が重なっているかのような「5人の世界観」があった。


草なぎさんのときの驚きとはまた違い、木村さんのふだんのイメージの声量とか声の出し方からすると、もっと木村さんの1人が際立つ、自己主張の強い声なのかと思ったが、桐谷さんと歌ったことによって、逆に木村さんの声もまた、SMAPの声なのだと驚いた。


さらに発見したのが、桐谷さんと歌った歌声が、ほとんど声が重なりあっていなくて、歌がうまい桐谷さんではあるけれど、木村さんとのユニゾンは共鳴しにくく、成立しないのだと思った。二つの別々の声が一緒に歌っているという感じがしたのだ。


裏を返せば、木村さんが日頃いかに、SMAPのユニゾンを意識してか無意識なのか、SMAPの一員として歌を歌っているのかがこのシーンでわかった気がした。そういえば、普段のSMAPのユニゾンでの木村さんは、語尾を伸ばす以外の音では、ほとんど5人に同化しているのだと思いだした。きちんと全員の声になじむ声で、もともと歌っているんだと気づかされた。


この草なぎさん、木村さんの『夜空ノムコウ』を聴いて、さらに中居さんが過去、小田和正さんと歌ったり、CHAGEさんと歌った歌も見返したが、こちらもまた、そのときはわからなかったが、「SMAPの本物感」と「5人の世界観」があると思った。


もちろんメンバーそれぞれの個性は出ているが、でも、SMAPとしての楽曲として、1人ずつで歌ったときの完成度がとても高いことに驚いた。


よく、他のグループのかたが解散して、その後、メンバーが単独でグループの歌を歌うと、なんだか、その人数分の1にしか聴こえないような、物足りなさを感じることがあった。


でも、草なぎさん、木村さん、中居さんが一曲ををフルで歌うのを聴いてみて、誰が歌っても5分の1という感じではなく、1人なのに5人の声が重なっているかのような声で、楽曲の世界観が揺らいでいないということに、本当にびっくりしてしまった。


5人の血液とか声質、絶対音感のなかには、明らかにSMAPの血が流れているのだと思わずにはいられないくらい、見事に5人の歌を感じさせる、それぞれのソロだと思った。


この感想を、もっと熱を持って、もっと具体的に書きたかったのだが、このタイミングで書くとは思わなかった。


でも、5人が、夜空ノムコウに待っている明日として、この決断をしたのなら、それを尊重して応援したい。そして、声でメッセージを届けることの一つとして、歌はどんな形でも歌い続けてほしい。


ファンのかたたちのお気持ちに寄り添うようなことを書きたいと思いつつ、私は、SMAPの活動期間が限定されるのであれば、なおさら、SMAPの今を記録し、歴史に美しさを刻むということに注力したいと思う。


SMAPは、100年経っても歴史に残る。
それを記録していけるのは、同じ時代に生きている自分たちしかいないのだから、私はSMAPを書き続けながら、前を向いていきたいと思う。


哀しみや、喪失感にうなだれるより、私は一つでも多く、記事を書こうと気持ちをあらたにした。
読んでくださるかたが、少しでも前を向けるよう小さな役割を果たしたいと思う。


そして、いつかSMAPメンバーが、心が折れてエゴサーチをするようなことがあったときに、この小さな言葉の粒が、ご本人の力になることを祈って。


何があっても、たくましく生きていけるよう、言葉を送り続ける。
幸せな明日がくると信じ、幸せをつかめるような言葉を綴っていく。
私にはそれしかできない。
だから、全力で言葉を送り続けていく。


今日からまた、新しい時間が始まる。


では、また。