「元旦」という詩

こんにちは、検索迷子です。


新年が明けて数日経ったが、
「元旦」というタイトルの詩を見つけたので紹介したい。

元旦

    新川和江


どこかで
あたらしい山がむっくり
起きあがったような……


どこかで
あたらしい川がひとすじ
流れだしたような……


どこかで
あたらしい窓がひらかれ
千羽の鳩が放されたような……


どこかで
あたらしい愛がわたしに向かって
歩きはじめたような……


どこかで
あたらしい歌がうたわれようとして
世界のくちびるから「あ」と洩れかかったような……



  『一編の詩がぼくにくれたやさしい時間』
  水内喜久雄編著、PHP研究所刊より転載。
  著書内によると原典は、
  『新選新川和江詩集』思想社刊とのこと。

一編の詩がぼくにくれたやさしい時間

一編の詩がぼくにくれたやさしい時間



あたらしいものが始まる。
その喜びと期待を何に込めて、
今年一年を生きていこうか。


自分なりの、元旦としての組み合わせの詩もできそうだ。


あたらしさに胸躍らせ、
あたらしさに不安を抱かない自分でいたい、
そういう気持ちを込めて、
あたらしさに向かって背中を押してくれるこの詩を選んだ。


水内さんの著書を紹介した記事


水内さんの編む詩集が好きで、
過去に数回エントリーを書いています。


同じ著書から2冊、紹介したものもあります。
折原みと著「かわっていくこと」

すずきゆかり著「今、ここで」


また、水内さんの編んだほかの著書も紹介しています。
石垣りんの詩を編んだ「宇宙の片隅で」を紹介しました。


良ければ、そちらもあわせてお読みください。


では、また。