ドラッカー「プロフェッショナルの原点」

こんにちは、検索迷子です。


P.F.ドラッカー、ジョゼフ・A・マチャレロ著、
「プロフェッショナルの原点」を読んだ。


ドラッカーの本は、その指摘の正しさゆえに、
職業人としての自分の核が揺らいでいるときに読むと、
ずきりと痛い。
読むと学びも回顧も大きく、必ず何かをくれるが、
受け止めきれない言葉の重たさに読みながらつらくなるときもある。


今日もこの本を読了したものの、レビューをしようか迷った。
響く言葉がありすぎて、ピックアップすらできず、
また読み返してからにしようかとさえ思った。


でも、敢えて3つ、今このときの自分が、
記録したいと思うものを残しておく。
読んだことで満足して、痛みをなかったことにするより、
少しでも、この痛みを記録しておくほうがいいと思ったからだ。


以下に引用するものは、すべて、
P.F.ドラッカー+ジョゼフ・A・マチャレロ、
「プロフェッショナルの原点」ダイヤモンド社発行のものである。


プロフェッショナルの原点

プロフェッショナルの原点

自分がいかに貢献できるかを問う

第3章 いかなる貢献ができるか
なすべき貢献
17 貢献に集中する


成功の鍵は責任である。
「貢献に集中して取り組むことは、仕事の内容、水準、影響力において、あるいは上司、同僚、部下との関係において、さらには会議や報告の利用において、成果をあげる鍵である。
ところがほとんどの人が下に向かって焦点を合わせる。成果ではなく努力に焦点を合わせる。組織や上司が自分にしてくれるべきことを気にする。そして何よりも、自らがもつべき権限を気にする。その結果、本当の成果をあげられない」−「経営者の条件」

知識を理解されるための努力をしているか

第3章 いかなる貢献ができるか
貢献に集中する
27 理解される


貢献に責任をもつためには、
自らのアウトプットの有用性に関心をもたなければならない。
「知識はそれだけでは断片にすぎず不毛である。アウトプットが他のアウトプットと統合されて成果となる。知識ある者は理解される責任がある。素人に対して理解するよう要求したり、専門家仲間に通じれば十分であるとすることは野蛮な傲慢さである」−「経営者の条件」

弱みに気をとられ、強みを消していないか

第4章 強みを生かす
強みの総動員
37 山高くして谷深し


弱みに気をとられない。
「大きな強みをもつ者は、ほとんど常に大きな弱みをもつ。しかも、山が高ければ谷は深い。あらゆる分野で強みをもつ者はいない。
できることではなく、できないことに気をとられ、弱みを避けようとする者は弱い人である。おそらくは強い人に脅威を感じるのであろう。しかし部下が強みをもち成果をあげることによって苦労させられた者など一人もいない。鉄鋼王アンドリュー・カーネギーが自らの墓碑に刻ませた『おのれよりも優れた者に働いてもらう方法を知る男、ここに眠る』との言葉ほど大きな自慢はない。これほど成果をあげるための優れた処方はない」−「経営者の条件」


本書では、これらの項目のあとに、
とるべき行動
身につけるべき姿勢
と続いている。


全部で95項目あるものを全て書き出したい気持ちにもなったが、
このなかで、今はこれなんだと、
再度ページを繰りながら思ったものを選んだ。


たぶん、これが今、痛感していることなのだろう。


このほかにも、組織のなかでの自分の立ち位置や心のありようを考えさせられる、
いくつもの項目があった。


敢えて一つだけ最後に書くなら、貢献とは何かを何度も考えた一冊だった。
自分の見ている方向、視点はここまで傾いていたのかと思った。


この感覚を、どんな行動をとり、
どんな姿勢で身につけられるだろうか。


いつか再読したとき、少しでも今の痛みが軽くなるよう、
この言葉を知る前よりももう少し進んでいたいと思う。


ドラッガーの著書については、
過去に「プロフェッショナルの条件― いかに成果をあげ、成長するか」をレビューしています。
よければあわせてお読みください。
何によって憶えられたいか - 検索迷子


では、また。