過去の名刺

こんにちは、検索迷子です。


転職するたびに、過去にもらった名刺をどうするか悩む。
似てるようで似てない仕事に就くこともあり、
捨てるには惜しいし、かといって個人のケータイ番号や、
メールアドレスを交換するほどまでに近い存在ではない人だ。


連絡手段としても主に、会社のメールだったり、
会社の電話だったりしたため、
今後の連絡手段としてはとりあえず名刺が手掛かりとなる。


情報の取り扱いに厳しい会社では、
名刺ごと退職時に返却するというところがあり、
取引先の管理を徹底している。
が、それは体感的にはごくわずかだ。


名刺は個人で管理されており、
名刺ファイルごと退職時に持ち帰っても、
特に何も言われないことが多いし、文書で規程もされていない。


守秘義務契約として、営業秘密を口外しないということはあっても、
在職中に築いた人脈までは拘束しにくいこともあり、
特に何も言われない。


とはいえ、昨日までは別なところにいて、
新しいところに移ったところで、
すぐに連絡をするのもどうかという競合めいた業界のこともある。


いつか連絡をするかもしれないと思いつつ、
過去の名刺はやっぱり捨てられなくなる。
そうやって、もう顔も覚えていないような、
たぶん、相手も自分のことを覚えていないだろうと思うような、
そういう名刺が手元にある。


たぶん、それなりに業績が好調な会社であれば、
頻繁に組織改革を行っているため、同じ部署であることは少ないだろう。
また、最近は転職サイクルが早い人もそれなりにいるため、
当事者が在籍しているとも限らない。
案外、連絡をとってもつながりはまるでなく、
その会社と一から関係を築くことになるのだろうなとも思う。


果たしてこれは使う機会がくるのだろうかと思いつつ、
それさえも入口としてないよりはましかも、
そう思いながら過去の仕事の記憶とともに、
過去の名刺はいつかの出番を待っている。


ふと、自分もこうやって名刺を見ながら相手を思い返すが、
私が名刺交換した相手も、こうやって自分の名刺を整理したり、
破棄したり、あるいはまだ持っていたりするのかなと考える。


もう自分とは関係が切れた、過去に在籍した組織での名刺を、
誰かが名刺入れにいれているのかもしれない。
それも不思議な気がする。


新しく支給された自分の名刺を見ながら、
これがずっと現役であり続ければいいなと思う。
渡せる人、連絡を取れる人、連絡を取りたいと思ってくれる人が、
これからどれだけ増やせるだろうか。
それが一つの指標に当面はなりそうだ。


過去の名刺を眺めるより、
これから出会う人たちと、よりよい関係が築けることを目指したいなと思う。
名刺があることで、思い出してもらえる存在になりたいものだと思う。
それよりも、名刺がなくてもすぐにつながれるよう、
うまく関係を広げていかなくてはと思っている。


名刺は最初のドアを開ける鍵でしかないのかもしれない。
一度、鍵を渡した後、
次に使うタイミングでさびないようにつながるためには、
自分から、相手の心の鍵を開け続けていくものなのかもしれない。


では、また。