本当の人脈とは

こんにちは、検索迷子です。


転職するたび、新しい名刺の効力を知ることになる。
それなりに知名度があるところ、
まったく無名なところ、
それぞれを経験してみて、威力の違いをまざまざと知ったこともある。


今、外部の方と会う機会が増えて、
自分から会いたいと強く思っていなくても、
相手の方から売り込みに来ることが増えた。
それはとてもありがたいし、選択肢も多くなるため歓迎だ。


でも、同時に、これは私自身の力ではなく、
私が属する会社や組織や肩書きによるものなのだと思うと、
決してこれは自分の力だと勘違いしてはいけないなと感じる。


名刺でつながるような人間関係の大半は、
この名刺を失くしたと同時に、消えていくということも経験上わかっている。


過去に知り合いだった人と、
近況報告がてら連絡を取ったとき、ものすごく積極的になる人がいて、
背筋が寒くなるような思いがする。


今のこの名刺でなかったとき、
あるいは名刺を持たなかったとき、
この人は自分にこんな接し方をしただろうかと冷ややかな気持ちになる。


相手もそうだし、
もしかすると自分もそうだったのかもしれない。
仕事で出会った人は、仕事での知り合いでしかなかったのかとわかり、
そして、これは人脈ではないのだなと思う。
ただの、損得勘定の組織の肩書き同士の付き合いだなと思う。


そういうことすら、何もないよりはましだけど、
数年のブランクをおいて、過去の知り合いと仕事の話をするとき、
何か複雑な気持ちになる。
自分個人と仕事をしたいとかいうことではなく、
この名刺の組織と仕事をしたいだけなのだと冷静になる。


知り合いには、大きな組織の肩書きを持たずに、
でも、とてもいい仕事をしている方もいる。
自分が目指したいのはそういう生き方なのかもしれない。


今は一時的に、大きな組織の一員でいたとしても、
おごってはいけないと思う。


人脈と呼べるものをしっかりと築くためには、
肩書きがあるときに、どう仕事をするかにかかっている。


仮の名称として、一時的にこの肩書きでいるだけなのだと思いながら、
何か心までは組織に属してしまいたくないと思っている。


あの人も、あの人も、本当の仲間と呼べる人ではなく、
ただの仕事つながりだったのかと思うにつれて、
何か、もっときちんとキャリアや、本当の人脈を作らねばと気持ちを新たにする。


過去の知り合いとの関係を再構築するよりも、
まったく新しい人と仕事をするほうが健全かもしれない、
そういうことも考える。


名刺だけを頼りに生きることは、どこかで限界を感じそうだ。
たった紙切れ一枚で、いったい自分は何者なのかと思ったりして。



名刺の効力があるときほど、何か、
そこに寄りつく人たちとの関係を気をつけようと思う。
人脈とは名刺の数ではないのだから。
本当に困ったとき、過去の名刺の人たちは助けてくれただろうか、
私も助けてきただろうかということも考えながら、
冷静に接している気がする。


一度途切れた関係は、またすぐに途切れるものなのかもしれない。
そんなことを思ったりする。
名刺の厚みほどの距離感で、ずっとただの仕事の知り合いで終わるのかもしれない。


たいせつにしたい人脈と、一時的な仕事の関係と、
きちんと見定めながら仕事をしようと思う。


では、また。