静かな転職初日

こんにちは、検索迷子です。


転職して、今日から新しい会社に入社した。


地震により、新卒者の内定延期などが話題になっているなか、
なんとなく手放しには喜べない部分も正直ある。


自分も果たして、4月から転職できるのだろうかと気にかけていた。
それは杞憂に終わり、震災直後すぐに採用担当者から安否の気遣いと、
内定取り消しはしませんから安心してくださいと連絡をいただいた。


今回、私がいくところは百年企業ともいえる大手グループの一つである。
だからというわけではないのだが、こういう事態にあっても、
幸いなことに経営状況がいきなり悪化することはなく、
雇用が大きく変動することもなかったようだ。


ただ、大手グループだったというのは偶然のことで、
そこをピンポイントで狙ったわけではなく、
たまたま、自分と縁があったのがその企業だったのだ。
同時期に規模が違う、複数の企業と会っていたことを考えると、
たまたま決まったのがそこだったのが幸いしたのかもしれない。



職を失ったり、あるいは就職活動を休止せざるを得ない人が、
私の知人にもいる。
だから、いままで何度か転職してきたときのように、
身近な人にも転職のことを知らせてはいない。


自分も、世間も少し落ち着いて、
周囲の人が安定してきたとき、
仕事が軌道に乗ってきたときにでも挨拶をしようと思っている。
転職したということだけでは、今回は挨拶をしにくい気持ちでいる。



仕事の中身は、Web業界であるのは変わらないものの、
これまでディレクターとして働いてきた職種から、
もう少しプロデューサー寄りとなる。
企画して、提案して、営業してという内容となり、
制作寄りからはもっと事業企画寄りとなる。


これは、私にとって一つの賭けのような転職となる。
いいものを作ることだけに集中してきたこれまでから、
会社全体の事業の方向性や、売上や収益性、クライアント開拓、
マーケティングコンサルティングといったことなど、
未知なる部分に挑むことになる。


もともと自分がそう望んだわけではなく、
それを私に期待してくれた人と出会ったことが大きい。
複数の人が私という人間に、そんな重要なことを、
やらせてみようと思ってくれたのだから、
一度、重たい責任を引き受けてみようと思った。


たぶん、今までの自分ならしり込みするような仕事ばかりだ。
でも、これから年齢を重ねていったときに、
表立った交渉をしていく力がどうしても必要に思えて、
少し変わろうと考えて、思いっきり背伸びの転職をすることにした。


何よりも震災の後でも、チャレンジできるような転職ができて、
それを感謝していこうと思う。
希望を失わず、不安に惑わされず、
目の前にあることに集中しながら、変化を楽しもうと思う。


多くの職探しに苦しむ方たちにも、一日も早い春が来ることを願いながら、
まずは自分がしっかりとした基盤固めをしていこうと思う。


地に足をつけていく、そういうことが大切な時期だ。
年度初めの4月1日ではあったが、
期初の全社の懇親会を兼ねた歓迎会は、当面控えるそうだ。
申し訳なさそうに言われたが、この時期はごく自然のことだ。


これまでのどの転職とも違い静かな入社日となった。
今、静かに転職をスタートをしていこうとする自分には、
こういう落ち着いた一日のほうがずっと気持ちが引き締まった。
こんな状況でも、転職して環境を変える勇気を自分は持っているのだなと。
だから、その気持ちを大切にしていこうと思った。



さて、これからどんな日々が来るのだろう。
多くの、今日から新しい会社にいった人たちも、
同じ気持ちを抱えて眠るのかもしれないと思いながら。


自分らしく、でも、この組織の一員として少しずつ染まっていこう。


では、また。