彼女が会社を辞めた理由

こんにちは、検索迷子です。


何度も転職をしている。
そのたび、誰にも相談をせず、事後報告をしてきた。


人に転職を相談すると、たいてい止められる。
現状維持を勧めるひとのなんと多いことか。


でも、会社を辞めたい、
辞めなければならないという本当の理由は、自分の内面にしかない。
他人が諸条件などで判断できることではないと思っている。


世の中に名前を知られた会社を辞める経験をして、
そのあと、なんでーと言われることも多かった。


自分としてそのとき言えたのは、
辞めなきゃダメだったからということだけ。


そんなことをあらためて考えさせられる一冊を読んだ。
『彼女が会社を辞めた理由』、
影山恵子(かげやまけいこ)さん著、
阪急コミュニケーションズ刊だ。

彼女が会社を辞めた理由 夢を叶えた「元会社員」13人の物語

彼女が会社を辞めた理由 夢を叶えた「元会社員」13人の物語


副題に、夢を叶えた「元会社員」13人の物語、
とあるが、夢を叶えたと取材時点ではそうだったかもしれないが、
本当のことは当人しか知らないのだと思う。


何度も転職して、
そのときどきで、これは正しかったと思う瞬間も、
これこそ今の自分がやるべきことだったと思う瞬間も、
自分にはもちろんあった。


が、時間経過や自分の変化とともに、
その気持ちが持続することもあれば、
大きく逆方向に振れることもある。


確かに、転職をした時点ではそれ以外に、
判断をしようがないくらい、
まるで運命かのような、
大逆転のような思いもしてきた。


転職に夢がないとは言わない。
が、この本の登場した人のエピソードにあるように、
それは自分の生き方を考え抜いたうえでの、
選択肢のひとつ、通過点のひとつだということを知ったうえで、
転職を一つのきっかけにするのがいいのだと思う。


百人百様の選択肢があり、
その結果のとらえかたがある。


転職を決意するきっかけを知る参考に本書はなるが、
状況は個人によって違う。
判断するのは自分しかいない。


そういう、転職してきた同士のような思いと、
だからもっと自分もしっかりしなくてはという思いで、
本書を読み終えた。


転職のことなら、山ほど語れるくらい、
自分にも転職回数分のエピソードがある。


それは、採用面接では絶対に口走ることのできない、
ネガティブなものだったり、
周りが失笑するくらい前向きだったりいろいろだ。


転職をしようとする人から、そのためよく相談を受ける。
その相手に合わせた、過激すぎないコメントをしながら、
やっぱり、本人のことは本人で決めるしかないなという気持ちになる。


他人の意見を聞くのは大事だけど、
他人の意見に振り回されて、
今の自分の年齢にしかできない可能性をつぶすのは惜しい。


が、現状維持に立ち返る人も少なからずいる。
それはそれで、転職活動をしてみたら、
現状の恵まれている環境を再確認できたりすることで悪くないと思う。


一番始末におえないのは、
エア転職、空想だけで転職した気持ちになって、
何も行動を起こさないことだと思う。


転職万歳とは言わないが、
自分が何者かを社会の目で評価してもらいたいなら、
一度はその状況に身を置くのも悪くないだろう。


打ちのめされ、
考えさせられ、
今、自分が歩む道がどこかのかがわかるのは、
謙虚に生きられることにもつながる。


そうやって自分も数ミリずつでも変化してきたのだと思いたい。


では、また。