ワインバーグの本を読む(7)

こんにちは、検索迷子です。


今日もワインバーグの本を読む(3)の続きです。
『パーフェクトソフトウエア −テストにまつわる幻想』の最終回です。


先日は、ワインバーグの本を読む(4)では第1〜4章、
ワインバーグの本を読む(5)では第5〜10章、
ワインバーグの本を読む(6)では11〜14章をご紹介しました。


今日で全部をご紹介し終わりますが、本書は合計5日間もの内容になりました。
単に、見出しを紹介するだけでなく、
一見普通に見えるワインバーグの言葉の投げかけは、
コンピュータを使ったテストに関わる人すべてに、役立つエッセンスがあります。
できたらそれらをすべてお読みいただければと思います。


今日は、『パーフェクトソフトウエア −テストにまつわる幻想』の15章からの内容です。

パーフェクトソフトウエア

パーフェクトソフトウエア

『パーフェクトソフトウエア −テストにまつわる幻想』の第15章からの内容


以下、抜粋引用します。
見やすさを考えて、章ごとに区切りますが、内容については一切手を加えていません。

第15章 ソフトウエアテストを難しくしないために


まとめ
 テストの計画と実行がお粗末だったら、たしかに作業は長引くかもしれないが、製品が大きく複雑になるほどテストと修正に時間がかかるというシステム固有の力学がある。この力学を理解していれば、ある程度までは対応する方法がある。


よくある間違い
1.古いパッチだらけのコードの複雑さを甘く見る。
2.テストの問題について、測定どころか話し合おうともしない。
3.現状に合わせてプロセスデータを調整しない。
4.初期の状況を見て終盤の結果の目安にする。
5.テスト担当者を「出荷を妨げる悪者」と考える。
6.テスト担当者が自分たちを「品質の警察」と考える。

「品質の警察」のところは、続けて、

たとえ警察だとしても、裁判官や陪審員や立法者でないことはたしかだ。

としている、つまりはパトロールができても、
真偽を裁けず、ルールを作り変える力は持たないということでしょうか。

第16章 コンピュータを使わないテスト


まとめ
 コンピュータを使わずテストする方法はいろいろとあるが、脳を使わずにテストする方法は1つもない。早い段階からくりかえしテストし、集められる脳はすべて使うことだ。


よくある間違い
1.テストを補完する形での技術レビューの価値を認めない。
2.技術レビュー(または、プロセスのどの部分でも)を省くためのさまざまな言い訳に飛びつく。
3.技術レビューを罰として使う。
4.時間を節約するためにレビューを省略する。
5.設計とコードがテストに適しているかどうかをレビューしない。
6.テスト担当者をれ謬あーに加えない。
7.学習の価値を認めない。

第17章 テスト詐欺


まとめ
 バグを解消して製品を出荷したいとあせっているときは、苦労もなく簡単に解決できると約束するさまざまなテスト詐欺にだまされやすい。


よくある間違い
1.数字だけに頼ってプロジェクトを運営する。
2.第三者を介した推薦を受け入れる。

第18章 無意識の詐欺


まとめ
 すべてがうまくいってほしいと強く願っているときは、データに幻想が入り込みやすい。


よくある間違い
1.出荷された製品のエラーの総数を見積もるのに、初期のエラーレポートを使う。
2.バグ報告が退屈または面倒な作業になっている。
3.テストレポートをゆがめることを助長するような非難の環境を作る。
4.内容より形式に対して報酬を与える。
5.品質より数量に対して報酬を与える。

全部の章の紹介はこれでおしまいです。


ワインバーグが紹介する参考文献


本書でワインバーグは、あらゆる層をターゲットとしたため、
「ソフトウエアテストの世界をさらに探究したい人のために、以下の文献をおすすめする。」と、
次の書籍4冊を取り上げている。
4冊とも邦訳があるため、そちらの書名でご紹介しますが、
原著タイトルも本書内で記載があります。


ソフトウェアテスト技法−自動化、品質保証、そしてバグの未然防止のために』
ボーリス・バイザー著

ソフトウェアテスト技法

ソフトウェアテスト技法

『はじめて学ぶソフトウェアのテスト技法』
リー・コープランド

はじめて学ぶソフトウェアのテスト技法

はじめて学ぶソフトウェアのテスト技法

ソフトウェアテスト293の鉄則』
セム・ケイナー、ジェームズ・バック、ブレット・ペティコード著

ソフトウェアテスト293の鉄則

ソフトウェアテスト293の鉄則

『テスト担当者を悩ませる、10の難題克服法−ソフトウェアテストの人間関係的アプローチ』
ウィリアム・E・ペリー、ランドール・W・ライス著

テスト担当者を悩ませる、10の難題克服法

テスト担当者を悩ませる、10の難題克服法

「ソフトウエア」の表記


なお、最後になりますが、
「ソフトウエア」の表記は、ワインバーグの本は、「エ」がすべて大文字、
そのほかの書籍については「ソフトウェア」と小文字の「ェ」です。
それぞれ引用した箇所の表記に準拠しています。



では、また。