ワインバーグの本を読む(10)

こんにちは、検索迷子です。


今日は、『コンサルタントの道具箱』第8章からです。

コンサルタントの道具箱

コンサルタントの道具箱

第1章〜第3章
第4章〜第7章

人名付きの法則や定理名の面白さを味わう


本書内の法則は、ワインバーグ独自の命名がされています。
聞いたことのない法則だらけなのはそのためです。
その用語を一般語として検索しても、たぶんほとんどが探せないでしょうね。


また、人名がついた、なんとかの法則というのは、
主に本書内のエピソードに登場する、
ワインバーグの仕事の知り合いや顧客と思われる人たちの発言となっているものが多く、
著名人とは限りません。


でも、もしかしたら、
パレートの法則」とか「ピタゴラスの定理」とかのように、
人名付きのものが、いつかどこかでブレイクして、
そのあとのごく一般的な知識となる日が来るかもしれませんね。
本書とは直接関係ありませんが、
人名がもととなったということで、「パレートの法則」と「ピタゴラスの定理」を少し用語補足します。

パレートの法則、冪乗則(べきじょうそく)とロングテールパレート図

Wikipedia - パレートの法則

パレートの法則(パレートのほうそく)とは、経済において、全体の数値の大部分は、全体を構成するうちの一部の要素が生み出しているという説。
80:20の法則、ばらつきの法則などと呼ばれることもあるが、本来は別のものである。

イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレート(Vilfredo Federico Damaso Pareto)が発見した冪乗則である。経済以外にも自然現象や社会現象等様々な事例に当て嵌められることが多い。


補足ですが、冪乗則は、べきじょうそく、と読みます。
少し脱線しますが、冪乗則は(べきじょうそく)は、
インターネットの世界ではおなじみの、ロングテールを説明する図でよく見かけませんか?
次の、グラフのコメントですね。

Wikipedia - 冪乗則


冪乗則にしたがうグラフの例。横軸が商品のアイテム数、縦軸が販売数量を表す。このモデルは「80:20の法則」として知られ、右に向かう部分はロングテールと呼ばれる。


ちなみに、QCの7つの基本的な道具の一つである、品質保証の「パレート図」も同じ人によるものです。

Wikipedia - パレート図


パレート図(パレートず)とは、値が降順にプロットされた棒グラフとその累積構成比を表す折れ線グラフを組み合わせた複合グラフである。ヴィルフレド・パレートに因んで名付けられた。ジョセフ・M・ジュランと石川馨(武蔵工業大学(現東京都市大学)元学長)によって品質保証の分野で広められた。


パレート図はQCの7つの基本的な道具の一つである。7つの道具には、ヒストグラムパレート図、チェック・シート、管理図、特性要因図、グラフ、散布図を含む。


何かの法則、何かの定理を最初に見つけた人は、
名前という冠をつけてもらえるのですね。
でも、こういうのは自分でつけるというより、
それを普及させようとする人が命名しそうな気がします。


だから、本書ではワインバーグもこの法則や定理の発言者に敬意を表して、
独自に名前をつけているのでしょうね。
中には、他の誰かが言っていたような気がしたり、
自分でもそう思っていたというものもありそうですが、
名前をつければ、とても固有な思想になりますね。


一般論っぽいことでもそれに名前がついて、
誰かの発言が根拠となった特別なものとして内容を覚えると、
記憶が定着するものもあるかもしれません。
法則や定理名で、これは誰々に教わったものだと覚えているものって、
確かにありますね。

ピタゴラスの定理

ピタゴラスの定理」も、「三平方の定理」という覚え方だったら、
単語を忘れているかもしれません。
数学が苦手な自分でも、ピタゴラスの音感は印象に残っていますね。

Wikipedia - ピタゴラスの定理

ピタゴラスの定理ピタゴラスのていり、Pythagorean theorem)は、直角三角形の3辺の長さの関係を表す等式である。三平方の定理(さんへいほうのていり)、鉤股弦の定理(こうこげんのていり)とも呼ばれる。


Wikipedia - ピタゴラス

ピタゴラス(英:Pythagoras、紀元前582年 - 紀元前496年)は、ピタゴラスの定理などで知られる、古代ギリシアの数学者、哲学者。彼の数学や輪廻転生についての思想はプラトンにも大きな影響を与えた。


かなり脱線しましたが、本題に移ります。
どれが人名かと見ていくと面白いでしょう。

コンサルタントの道具箱』第8章からの法則一覧

第8章 ハート
人間の斜辺の仮説
 自分の心Aと他人の心Bの間に別の人物Cがいるときは、AとBの間の最短距離を選ぼう。


仮定のテクニック
 あなたに感情があるとしたら、どんな感情でしょうね? ほかの人にはどんな感情があると思いますか?


パラレル・パラドックス
 依頼主に似すぎていると、依頼主を引きつけられない。依頼主と違いすぎると、依頼主に逃げられる。


ハートのテスト
 依頼主のことや依頼主の問題が心配でなければ、コンサルティングを引き受けるな。


生命の法則
 努力しながら死ぬより、成功しながら生きる方がいい。


知的なハートのテスト
 誰かに死ぬ気でがんばって助けてくれと頼まれたら、助けようとは思わない。

第9章 鏡
三本指の法則
 自分が誰かを指していたら、あとの三本の指がどちらを向いているか考えよ。


モニカのすばらしい鏡
 契約交渉は、双方が自分自身を見つめる絶好の機会である。


モニカの鏡の警告
 すばらしい鏡を見たくない人もいる。


スウィーニーのサインの法則
 意味のある約束が欲しいなら、つべこべいわずにサインせよ。


人助けモデル
 どう見えようと、人は手を貸そうとしているものだ。


カールの建設的推論
 フィードバックは、非難ではなく助言だと考えよう。


ケニーの自動車修理の法則
 いつも修理や交換が必要になる部品は、最も手が届きにくい場所に取り付けられる。


内省の第1の秘密
 秘密などない。人間の行動は誰でも観察できる。


サティアの三つの普遍的な質問
 ・私はどうしてここにいるのだろう?(過去)
 ・私はここにいることをどう思っているのだろう?(現在)
 ・私は何を実現したいのだろう?(未来)

第10章 望遠鏡
返答のパターン
 集中、入身、転換。


望遠鏡の焦点リスト
 1.集中 2.環境 3.記録 4.類似 5.投影 6.分類 7.読心 8.歴史 9.伝聞 10.共有。


データの質問
 この人物にこういう印象をもったのは、具体的に何を見聞きしたからだろう?


努力しながら死ぬより、成功しながら生きる方がいい。
つくづく、そう思う。


だから、私たちは心に問いかける。
・私はどうしてここにいるのだろう?(過去)
・私はここにいることをどう思っているのだろう?(現在)
・私は何を実現したいのだろう?(未来)


昨日も今日も明日も、ただひたすら、自分の成功を信じながら。
問いを送り込む。


今日は10章まで。


では、また。