論理的にプレゼンする技術

こんにちは、検索迷子です。


プレゼン関連の書籍はこれまでも何度かとりあげてきたが、
今日の一冊は、プレゼン初心者が一番最初に買うとよさそうな本だ。
それが、『論理的にプレゼンする技術−聴き手の記憶に残る話し方の極意』平林純(ひらばやし・じゅん)著だ。


初心者向きとしていい点は特に、
左が説明文、右がイラストか画像での説明となっており、
ほぼ、すべてのテーマが見開きまたは数ページで完結しているところだ。


本書の構成がわかりやすいうえに、
時間がなければ右側のイラストを見るだけでも、重要なポイントがわかる。
イラストだけでも見ていて楽しい、めずらしいプレゼンの本だ。
中身はもちろんしっかりしているので、イラストでイメージを理解したうえで、
文字を合わせて読むといいだろう。


内容も、他のプレゼン本にありそうでないような、実践的な細かい注意点や、
スライドの作り方が書いてある。


さらに付録として、
「発表直前のチェックシート」「反省用チェックシート」「スケジュール早見表」もあり、
プレゼンをこれから初めてやる人、何度かやったけどもう少しうまくなりたい人には、
この一冊があれば当面は十分だと思う。
また新書であるため値段も、本のサイズも手頃である。


本書で、ほかのプレゼン本に記載がなくて、目新しかったのは次の点です。

第2章 わかりやすい「プレゼンストーリー」をつくる!
「KISS(キス)の原則で説明をわかりやすくしよう」


KISSは「短く、単純にする」というような意味を省略したものです。
★Keep it short and simple.(短く、単純に)
★Keep it short, stupid.(短く、サルでもわかるように)
★Keep it simple and strait-forward.(単純に、単刀直入に)
★Keep it small and simple.(小さく、単純に)

注:
引用してから気づいたのですが、以前、同じものを見ていました。将棋棋士の羽生善治(はぶ・よしはる)さんの『決断力』でご紹介した、「キスで行け」と同じことのようです。
引用の用例が違ったので別物かと思っていましたが、根っこは次の考え方と同じですね。


学生を指導するときには、「キス・アプローチでやれ!」というそうだ。キス(KISS)というのは"Keep it simple,stupid"の頭文字である。軍隊用語から来た俗語で、軍曹が部下に「もっと簡単にやれ、バカモン」という感じだという。


次は、当たり前だけど意外とそこまで書いてあるのがないと思った内容です。

第3章 おろそかにしちゃいけない! 事前準備
伝える相手のことはかならず調べておこう。


 相手に物事を伝えようとするときには、相手のことをできるだけ多く知っておくことが、とても役立ちます。自分が話をする相手がどんな知識や経験をもち、なにに興味があって、なにをしようとしている人たちなのか知らなければ、なかなか相手に伝わるような、相手が納得するような話し方はできないものです。


とかく、プレゼン資料は作ることに目が行きがちで、
自分のいいたいことを盛り込むことに集中してしまいます。
でも、どんな相手に伝えるのか、そのためにどんな工夫をするのか、
相手にあわせて伝えることの大切さに気づかせてくれる文章です。



本書全体を通して、
わかった気になっていたり、できると思っていた機能だったとしても、
それが我流でないかチェックするのにも使えそうです。
相手に不快感や理解不足による失礼なことをしないためにも、一読するとよさそうです。


プレゼンに限らず、社内で資料を作る、レポートを作るといった、
他人に読ませる文章を作る準備に役立ちそうな一冊でした。
かっこいいプレゼンをと欲張る前に、
基本的なことなら、まずはこの本からが良さそうです。


では、また。