知識ゼロからの企画書

こんにちは、検索迷子です。


企画書を書くことを、あらためて基本的から知りたいと思い、
漫画家の弘兼憲史(ひろかね・けんし)さん著、
『知識ゼロからの企画書の書き方』を読んだ。

知識ゼロからの企画書の書き方 (幻冬舎実用書・芽がでるシリーズ)

知識ゼロからの企画書の書き方 (幻冬舎実用書・芽がでるシリーズ)

企画書を作るステップに沿って、
島耕作』シリーズなどでなじみ深いイラストを用いながら、
企画書を作るノウハウを紹介している。


余談ですが、ひろかねさんは、ひろがねさんだと思っていたら、
濁点がないほうなのですね。


本書は、企画書をきちんと書いたことがない人にも、
説明が簡潔で、入り込みやすい作りとなっている。


この弘兼さんの『幻冬舎実用書・芽がでるシリーズ』は、
他のジャンルを内容としたものもあるようだ。
ビジネスに必要な要素が、マンガでわかるというのはなかなかいい。
見開きで一つのテーマや、要点がシンプルなため、
企画書作成の初心者が手軽に読めそうだ。


気になった点をピックアップしていく。
実際は図式化されている内容の文字だけ拾って引用します。


企画書の準備段階

■企画書を自分から進んで書くことで得られるもの
・ビジネス感覚が磨かれる
・ほかの文書に使える文章力がつく


たとえ通らなくても、やる気を評価してくれる
・将来独立してもやれる能力が養われる
・自分の評価が上がる

→自分にプラスになる

■自分で簡単な企画を考えてみる方法


・他社の企画をまねしてみる
・いくつかの商品を合成してみる
・既存の商品を改良してみる

■依頼時に聞いておくべきこと


・スケジュール
・予算はいくらまでか

・企画の内容
これが一番大事なこと
企画についてほかに質問できる人はいるか
現在の進捗具合
サンプル入手できるか

・プレゼン有無、相手は誰か

■聞いてはいけないこと


競合品、消費者ニーズ、声、類似品、売上や利益、
過去に聞いたこと

これは、あえて聞いてはいけないという意味だろう。
ブリーフィング(要点を話す、説明といった意味)の意義はあるが、
自分で調べられることは自分でということのようだ。


■集める情報
政府統計類、業界関連本、雑誌、地図、ビジネス関連書


■自分の足で行くべき場所、チェック項目
売店
市場に出回っているもの、売れ行き、価格、カタログもらう

取引先

企画実施予定地、写真をとるなどする

知人ターゲットとなる層と本音を語り合う

過去の企画書の再利用


一度作成したものは、その資料をベースに再利用が可能となる。
または、他の人が作成したテンプレートなどがある場合は、
この項目をチェックしながら作り直すのもいいだろう。

■企画書の再利用


現状分析
・後日使える資料やデータはそのまま使う
・競合品データは、使えるものは再利用する
・自社の類似製品データは再利用する


企画内容
・予定流通経路の表などは再利用する
・スケジュールのフォーマットはまた使う


費用・コスト・売上・利益
・図版・表などのフォーマットは再利用して、数字だけを変える


担当者リスト
・一覧表のフォーマットは再利用する

プレゼン段階


企画書をどうプレゼンするか考える際は、次の内容が参考になる。

■プレゼンをする相手を考える
・「意思決定者」は誰か、考えること
・中小企業では社長1人であることも多い
・その意思決定者に対してプレゼンの仕方を考える
・社外の人間の場合は、簡単にアポが取れる相手か確認する
・簡単に会えない相手では、プレゼン自体を再検討してみる


そして、実際のプレゼンの場に向けて、
よく出る質問と回答の想定問答集を用意するのがいいようだ。

よく出る質問とその回答例


■この企画で、何をしたいのですか?
・○○億円売りたい
・自社のイメージアップを図りたい
・市場におけるシェアを○%上げたい
・△△の良さを世間に知らせたい
・前製品の欠点を改良して世に出したい
etc.


■なぜ、売れると思うのですか?
・消費者のニーズを示す
・以前の製品よりも改良されている
・他社製品よりも優れている
・この市場が成長している
・世の中でブームになっている
etc.


■このスケジュールで本当に大丈夫ですか?
・そのスケジュールで進められることを示す
・自分やほかの担当者の状況を話す
・過去の同様の企画でかかった期間を見せ、今回のスケジュールでも問題ないことを説明する
etc.


■競合品とどう違うのですか?
・競争力のある点を示す
・価格が安いことを説明する
・優れた製品であることを見せる
・競合品にはない特徴を見せる
etc.


■生産コストが高すぎませんか?
・コストに見合う価値のある物であることを示す
・コストダウンの可能性を示す
・販売価格を高くできることを示す
etc.


企画書を書くということを、重たく考えそうになったとき、
こうした基本的なポイントを抑えれば、
まずはそれでいいのだという原点に返れそうな気になった。
まさに、知識ゼロから企画書というタイトル通りの本である。


では、また。