孫正義奇跡のプレゼン

こんにちは、検索迷子です。


華やかなプレゼンの場に登壇する人は、ごく一部である。
多くは聴衆者として、その内容に着目する。


自分自身は内容というよりも、
伝える力と、そのパワーに関心を持って、
その人が巻き起こした旋風のおおもとを知りたいと、
プレゼン関係の本を手にする。


孫正義奇跡のプレゼン−人を動かす23の法則』三木雄信(みきたけのぶ)著、ソフトバンククリエイティブ刊も、なぜこの人のプレゼンは人を惹きつけるのかに興味を持ち、読了した。


孫正義 奇跡のプレゼン 人を動かす23の法則 ( )

孫正義 奇跡のプレゼン 人を動かす23の法則 ( )


元、ソフトバンク社長室室長の著者が書いた、
一つひとつのエピソードは、
とても具体的に実際にそれを行動に移そうとしている人には、
参考になることが多い。


それは、表紙カバーにあるような、

結論から言え、結論から!


スライドは右脳で作れ!


1スライド・1メッセージ・1イメージ


といったようなことから、
ホワイトボードは、小さい文字で各論まで書き、
それをプレゼン用スライドに落とし込むというような、
側近にいたからこそわかるような、
実務面そのものに近いことまで含まれている。


これからプレゼン準備をする人にとって、
実践的なノウハウであることは間違いないだろう。


孫正義の情熱と真摯さ


本書を読み終えて、
印象に残ったのはこうした本筋のところではなかった。


プレゼンの前段、
そもそも、なぜこんなに熱いプレゼンができる人なのかという、
孫正義さんそのものの姿勢だった。


第3章プレゼンテーションの効果を劇的に高める10の方法


孫正義の情熱と真摯さ


孫正義のプレゼンテーションに聴衆が引き込まれる理由の一つは、その事業にかける情熱と真摯さである。自分の事業にかける情熱を熱く語るかと思えば、日本や世界の将来について真摯に語り掛ける。なぜこのような情熱と真摯さをもって事業を語ることができるのか。それについて孫正義はかつて次のように語った。
「日本に帰ってきてソフトバンクを起こすことになったわけですが、日本に戻って1年半悩みに悩み続けました。もう一度、龍馬の本に戻りました。何を成すために自分は生まれてきたのかと。自分の人生一生をかけるのにふさわしいそういう仕事って何なのだろうか。
 新しい事業を考えました。冷めない情熱を一生持ち続けられるテーマは何だろうということで悩み続けました。そして出た私自身の結論は、デジタル情報革命でありました。デジタル情報革命を通じて多くの世の中の人々の、世界中の人々の知恵と知識を共有できるようなそういう何かでっかいサービス、そういう事業をつくって人々の知恵と知識をみんなで共有することができて、人々がより幸せになれる。より幸福になれる。そういうような何かの仕事、それであれば人生をかけるにふさわしいと思ったんですね。その志で『よし、これだ』と。わしが人生をかけるのはこの志だ。このためにわしは生まれたんだ。このために人生をかけるんだということで決意をし、会社を起こしました。それがソフトバンクであります」


この箇所に出会ったとき、
プレゼンとはデジタル情報革命の普及、
自分の冷めない情熱を伝えるための一つのプロセスなのだとわかった。


このために自分は生まれてきたのだと思える、
そういうものをつきつめて考え、
そして行動し、
人々に伝え続けていく。


この姿勢こそ、本書から学んだ大きな発見だったような気がする。


多くの人は、プレゼンの場にあがるような状況の手前、
そのチャンスさえもつかめないでいるのだと思う。


どう伝えるかよりも、
何を伝えられる情熱を持った自分であるかを、
すぐに探すほうが先決だ。


人は動かすものではなく、
情熱によって動かされてしまう、
本書を読み終えてその思いを強くした。


小手先のテクニックではなく、
何を伝えられる自分であるかを考えようと思う。


では、また。