転職しても続く前職との縁

こんにちは、検索迷子です。


転職活動をする際に、インターネットを利用する人は多いだろう。
私自身、全ての転職活動はすべてインターネットを使って行ってきた。


転職するということは、何か理由があり、
その理由は人それぞれだと思うが、
純粋に、やりがいや良い条件面を追求しての転職でないこともあるだろう。


円満に、良好に次の職場に行ける人もいるだろうが、
前職での仕事や人間関係、待遇など、
もうぶちきれんばかりの怒りや、あるいはつらさを引きずって、
その会社のことなんて二度と思い出したくないということもあるだろう。
会社のそばや、最寄り駅にすら近寄りたくないということさえも。


ところが、皮肉なことに、
どんな理由であれ、一度在籍した会社は自分の経歴となるのだ。
転職活動において自分の一部となり、
自分という人間を説明するときに必要となってくるのだ。


履歴書や職務経歴書を書く

転職活動をするたびに、その会社の社名を記載しなければならない。
仮に、口に出したくない社名だとしてもだ。


前職の社名が、株式会社が前株か後ろ株か、正確に思い出せますか?
私は思い出せない会社があった。
さらに、中黒(・)が入ってたんだっけとか、
そういう些細なこともあいまいになってくる。
だからこういうときは調べるしかない。


そして、その会社にいた自分を思い出し、
履歴書や職務経歴書を書くために、キャリアの棚卸しをすることとなる。


仮にどんなにダメ社員だったとしても、
新しい会社で、採用通知をもらうためにネガティブなことは書けない。
転職するということは、企業側に自分が役立つ人間だと伝えなければならない。


特に中途採用の場合は、新卒とは違い、
いかに経験が豊富で、即戦力となることができる人物であるか、
いかに少しでも良い給与条件を引き出すかを考えて、
偽造や嘘でない常識的な範囲で、自分に下駄を履かせて見せなければならない。


思い出すのが嫌なくらいのちょっとした業務経験だとしても、
もっともらしく、活躍した自分の姿を作り出し、
業績をアピールするするために活用する素材の一つとして使うことになる。


どんな過去の職歴であったとしても、
どんなに好きになれなかった会社だったとしても、
どんなに苦しんで嫌な思いで辞めても、それらを無駄にしてはならない。
光のあて方一つで、自分の経歴は自分にしかなく、
他の人にはない十分な財産となるのだから。


さて、この文章の最初で、インターネットでの転職活動をしたことがあるかと、
あえて、ネットに限定して書き出したのにはわけがある。


それは、インターネットでの転職活動だからこそ、
前職のことを書かねばならない項目が増えたということだ。
それは、ネットでの応募フォームのフォーマットがどこも似たり寄ったりで、
コツさえつかめば過去のどんな職歴や思い出も、
ネットであれば再生利用できるとわかったからだ。


数多くのサイトに登録してきて、
紙とは違う、その活用の仕方が自分なりに少しわかってきたり、
過去に在籍した会社の経験や思い出のとらえ方を、自分なりに学習したから、
それを書いておこうと思ったからだ。


たとえば、職務経歴書を書く際にも活用できる。
自分がどんなサービスに関わったのか、
どんな会社に在籍していたのかを説明するため、
サービスのURLや、企業ホームページのURLを貼るといったことが簡易にできる。


企業情報を書く

どんな転職サイトの応募フォームでも、
社名は必ず書くとしても、それ以外に必ず記載する項目として、
業種や業態、従業員数、売上高、資本金がある。
全項目があるところもあれば、従業員数だけ必須のところもある。
つまりどの位の規模の会社に在籍していたのか、企業側は知りたいのだ。


自社ホームページの採用フォームには、項目がないものがあるが、
よほど大手企業の有名企業の経験でない限り、
経歴や会社規模を知ってもらう必要があれば、自主的に記載してもいいだろう。
世の中には、千名以上の大企業でも業種の特殊性や閉鎖性により、
マイナー化しているところも多数存在するだろう。



さらに、
業績アピールのために自発的に書くならば、
インターネット業界やWebに関わったのであれば、
ページビューやユニークユーザー数を書くことになる。


こうした情報はどうやって調べるかというと、
・企業のホームページで公開されている会社概要を見る
・企業のIR(インベスター・リレーションズ)情報を見る。
表記は他にも、株主の方へ、投資家情報、公表数字といったものもある。
Yahoo!ファイナンスなどで企業情報を見る
上場企業でなく、さらに自社ホームページをもたない会社は、
前職の担当者に電話するしかないだろう。


Weblio辞書 − インベスター・リレーションズ 


インターネット以前は、こうした情報は、
会社四季報や紙媒体、前職の担当者に聞くといった手段でしか仕入れるしかなかった。


情報の社外持ち出しに制限がなかった昔は、
アニュアルレポートの冊子を自宅に持ち帰っていて、参照できたかもしれない。
今は、企業内でも印刷物配布をしておらず、ネットで公開していたり、
仮に紙で配布していても、退職日に破棄および返却が求められるだろう。


今はすぐに、簡単に、数値情報が調べられるようになった反面、
自分が調べられるということは、企業も簡単に調べられるという弊害もある。


自分は、数字は苦手だから、会社の情報は知らないからと空白で出すと、
採用する側としては社会人としての常識の低さを見抜いてしまうだろう。


一般に公開されている企業情報の調査方法を知らないというのもそうだし、
自分が在籍した会社について数値も把握していなかったのか、
こんなことも調べられないのか、調べる手間を惜しむのかと思われるのである。


また、うろ覚えで適当な数字を書いて、
最新情報や最新公表数字を記載しなければ、その手抜き具合もわかってしまう。
正しい情報源にあたっていないということだからだ。


こうした公表数値は、大手企業では毎月更新しているところも多い。
そのほかにも、
年4回のクォーターごとの四半期決算報告がされていたり、
だいたいどの企業でも少なくとも、
年1回の決算時期の年次報告はされているはずなので(していないところもあるが)、
昔、だいたいこれくらいと覚えた数字はもう使えない。
利用するたびに、最新にあたり、更新頻度の確認もしっかりしたいところだ。


紙の書類で履歴書を書いていた時代、数値の記載項目はこれほどなかったと思う。
だから、余計に調べて提出が求められるのだ。


自社のホームページなんて見たことがないという人も、
退職してから、見ることになる機会があるのだ。
もしかしたら、初めて見るというページもあるかもしれない。


このように、
転職活動をするときほど、過去の会社を具体的に振り返ることが増える。
職歴しかり、数値情報しかり。


どんな思いで、どんな経緯で退職しても、
自分が一度は選んで入社した会社との縁は切れない。
むしろ、転職するたびに、何度も思い出すことになる。


私も以前の転職活動の際に、前職のホームページをまじまじと見て、
いろいろと思い出してしまった。


良い思い出も、思い出したくない思い出も、
転職活動の武器にする。それが、明日へのいい転職につながると思います。
転んでもタダでは起きないというところでしょうか。


どんな会社にいた自分も自分。
いい転職のために、素材と割り切って、情報を使っていきましょう。


一度、転職サイトのエントリーフォームに入力しても、
転職をするたびに、その数値情報の最新化のため、
前職の公表数値を全部確認することになります。
これも、手抜きをしたり怠ってはいけない大事なメンテナンスです。


企業は変化し続けるため、従業員数も売上規模も必ず変わっています。
もしかしたら、社名表記が変わっていることだってあります。
だから、その都度、調べなおして企業サイトを見直すことになります。
このように、ずーっと自分と過去の会社はつながっているのです。


一度つながった縁は、生涯自分の経歴となるのです。
どんな会社でも、どんな日々でも。
自分の一部として消せないなら、賢く利用しましょう。
自分を高めるために、そこにいた日々があったのだと肯定的な気持ちになって。


ネガティブな気持ちで、真っ向勝負で本当の退職理由や経験を書いても、
そんな履歴書では同情は買うでしょうが、採用はされません。


きちんと手を加えて磨いて、リサイクルして、
自分という商品を労働市場で価値ある人間にしましょう。
過去は過去。


転職活動中のあなた、過去の会社より未来の会社に向かいましょうね。



では、また。