とにかく書いてみる

こんにちは、検索迷子です。


先日、外山滋比古先生の『思考の整理学』の『触媒』の項について書きましたが、
今日は『とにかく書いてみる』の項について書きます。


検索迷子 思考の整理学 −触媒


繰り返しになりますが、本書の内容です。

筑摩書房 思考の整理学
こちらに著者紹介とともに、本書の目次が掲載されています。

Wikipedia 外山滋比古(とやましげひこ) 

思考の整理学 (ちくま文庫)

思考の整理学 (ちくま文庫)


書くのをやめないため、背中を押してくれる一文


毎日ブログを書いていると、
書くのがたいへんというよりも、その時の感情を言葉にしてしまうことや、
記録として文字で残してしまうことが、
少し苦痛だと思う心境のときもあります。


特に、負の感情が強いとき、ネガティブになっているときは、
あえて文字にしたくない、
感情を表す言葉を探したくないような気分もあります。


でも、そんなときは、この『とにかく書いてみる』の一文を読み、
一度気持ちを切り替えると、たとえどんな言葉でも、
今日の自分の気持ちは今日しか感じないこともあるから、
今、書いておこうと思えます。


論文の書き手を想定した、紙に書くことを前提にした文章ですが、
そこはブログや、インターネット上で表現することに、
現代風に読み替えていただくといいかと思います。

2009年9月30日 第60刷
P.137 とにかく書いてみる

引用ここから--


書き出したら、あまり、立ち止まらないで、どんどん先を急ぐ。
こまかい表現上のことなどでいちいちこだわり、書き損じを出したりしていると、
勢いが失われてしまう。

全速力で走っている自転車は、すこしくらいの障害をものともしないで直進できる。
ところがノロノロの自転車だと、石ころひとつで横転しかねない。
速度が大きいほどジャイロスコープの指向性はしっかりする。


Wikipedia - ジャイロスコープ



ジャイロスコープとは、
この説明でわかるようで実はあまりわからないのですが、
なんとなく、揺らぎのない軸を計れそうな機能のようです。


私の解釈としては、
「揺れていた心で書き始めても、わき目も振らずに書いているうちに、
方向性が定まって書ける、だから書き続けなさい」、
という内容かと思っています。


迷っているときこそ、書いてみる。


そうしているうちに、
同じページに記載されている、次の境地に達することができるような、
そんな気持ちになってきます。

書き進めば進むほど、頭がすっきりしてくる。先が見えてくる。
もっともおもしろいのは、あらかじめ考えてもいなかったことが、
書いているうちにふと頭に浮かんでくることである。
そういうことが何度も起れば、それは自分にとってできのよい論文になると
見当をつけてもよかろう。


迷っているとき、先に進みたいときほど、
とにかく書いてみる。


全速力で駆け抜ければ、石ころひとつにも負けない、
強い自分になれそうな気がします。


直進し続けたいから、書こうと。



平易な言葉で、こんなにわかりやすく、
書くこととは何かを教えてくれる本書は、何度読んでも味わい深いです。


では、また。