こんにちは、検索迷子です。
先日、外山滋比古先生の『思考の整理学』の『触媒』の項について書きましたが、
今日は『とにかく書いてみる』の項について書きます。
繰り返しになりますが、本書の内容です。
筑摩書房 思考の整理学
こちらに著者紹介とともに、本書の目次が掲載されています。
- 作者: 外山滋比古
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1986/04/24
- メディア: 文庫
- 購入: 91人 クリック: 844回
- この商品を含むブログ (748件) を見る
書くのをやめないため、背中を押してくれる一文
毎日ブログを書いていると、
書くのがたいへんというよりも、その時の感情を言葉にしてしまうことや、
記録として文字で残してしまうことが、
少し苦痛だと思う心境のときもあります。
特に、負の感情が強いとき、ネガティブになっているときは、
あえて文字にしたくない、
感情を表す言葉を探したくないような気分もあります。
でも、そんなときは、この『とにかく書いてみる』の一文を読み、
一度気持ちを切り替えると、たとえどんな言葉でも、
今日の自分の気持ちは今日しか感じないこともあるから、
今、書いておこうと思えます。
論文の書き手を想定した、紙に書くことを前提にした文章ですが、
そこはブログや、インターネット上で表現することに、
現代風に読み替えていただくといいかと思います。
2009年9月30日 第60刷
P.137 とにかく書いてみる引用ここから--
書き出したら、あまり、立ち止まらないで、どんどん先を急ぐ。
こまかい表現上のことなどでいちいちこだわり、書き損じを出したりしていると、
勢いが失われてしまう。全速力で走っている自転車は、すこしくらいの障害をものともしないで直進できる。
ところがノロノロの自転車だと、石ころひとつで横転しかねない。
速度が大きいほどジャイロスコープの指向性はしっかりする。
ジャイロスコープとは、
この説明でわかるようで実はあまりわからないのですが、
なんとなく、揺らぎのない軸を計れそうな機能のようです。
私の解釈としては、
「揺れていた心で書き始めても、わき目も振らずに書いているうちに、
方向性が定まって書ける、だから書き続けなさい」、
という内容かと思っています。
迷っているときこそ、書いてみる。
そうしているうちに、
同じページに記載されている、次の境地に達することができるような、
そんな気持ちになってきます。
書き進めば進むほど、頭がすっきりしてくる。先が見えてくる。
もっともおもしろいのは、あらかじめ考えてもいなかったことが、
書いているうちにふと頭に浮かんでくることである。
そういうことが何度も起れば、それは自分にとってできのよい論文になると
見当をつけてもよかろう。
迷っているとき、先に進みたいときほど、
とにかく書いてみる。
全速力で駆け抜ければ、石ころひとつにも負けない、
強い自分になれそうな気がします。
直進し続けたいから、書こうと。
平易な言葉で、こんなにわかりやすく、
書くこととは何かを教えてくれる本書は、何度読んでも味わい深いです。
では、また。