インターネットは生活必需品か

こんにちは。検索迷子です。


今日のお話は、
インターネットの流行は、社会の流行か、
インターネットは生活必需品になれるかという話、
です。



■マイミク、はてブ、ニコ動って何ですか?


ときどき、インターネット業界以外の人に、
こういうサイトを知ってますか?と、
その時、インターネット業界にいる人なら、
わりと誰でも知っていそうなサイトの認知度を聞いてみる。


それは、一日立ち仕事をする接客業の人だったり、
シフト勤務で不規則な時間帯で働く人だったり、
インターネットとは関係のない仕事に就いている人だったりする。


そうすると、
マイミク、はてブ、ニコ動って何ですか?
と、 たいていきょとんとされる。


そこで、
ミクシィはてなブックマークニコニコ動画は知ってる?
と正式名称で聞き直すと、
あー、聞いたことはありますと若干ひっかかることもある。
でも、それでも知らない人もいます。



この話を聞いている相手が流行に鈍感かというと、
たぶんそうではないのです。
たとえば女性なら、今の流行をおさえた格好をしていたり、
テレビ番組によく出てくる芸能人には詳しかったりします。


つまり、視聴時間やライフスタイル、
仕事でパソコンに接する時間の違い、
現在の職場や接するお客様との会話などで、
仕事の情報源として何が必要かによって、
その人にとっての流行は作られているのです。


たとえば、朝の時間。
インターネットを仕事で毎日見る人は、
ニュースサイトや、はてなブックマークを情報源としているでしょう。
けれども同じ時間、
お仕事によっては、それはテレビの人がまだまだいるのです。


インターネット業界にいるひとの、
もはや当たり前となったインターネットサイトは、
誰かにとっては、未知のものなのです。



また、上出の方たちは、
ケータイサイトでインターネットをするかというと、
短いお昼休みや通勤時間中は、せいぜいメール程度で、
サイトの閲覧さえもしていないと言っていました。


また、
PCでインターネットをする時間を聞いたら、
お休みの日にせいぜい一時間程度、ということでした。


私はかつて自分が手掛けていたサービスが、
それなりに知名度があると思っていたとき、
知らない、
と言われてショックを受けたことがありました。


接する機会さえない人たちにとっては、
どこまでも知らないサイトのままなのだと、
この人たちに見てもらうためには何をしたらいいのだろうかと、
とても考えさせられました。


そして、インターネット業界の流行は、
社会全体の流行ではないと、
自分の社会における居場所を、見失わないようにしようと思いました。



■インターネットを見てはいけないと制限される環境


インターネット業界に従事していると、
会社によって違いはあるでしょうが、
どのサイトも、どの時間帯でも見放題のところが多いのではないでしょうか。
業務中に見られないサイトは、そんなに多くありません。
仕事で必要だから、当然見る必要があります。


ところが、大手企業や、学校や、公共施設では、
閲覧制限がされていたり、イントラネット内の必要なサイトだけを配置したり、
ごく限られたサイトへの接触がもはや普通になってきています。


つまり、個人として見たいサイトは、
業務中ではなくプライベートの短時間で見るしかないのです。


また、日常的にケータイでしか閲覧していな人にとって、
PCでの閲覧を中心に作られたサイトは、週に一度見て、魅力的に見えるでしょうか。


インターネットでの情報が、
いかにリアルタイムに発信されていたとしても、
そのリアルタイム性を享受できる層は、いったいどれくらいいるのでしょうか。


作り手が、何でもいつでも見える環境で作ったものを、
使い手が、閲覧できる時間の制限や、利用環境の制約条件の中で、
どれだけ情報が使い手の求めるものとマッチングしているでしょうか。


インターネットでの流行は、
インターネットを好きな時間に閲覧できる層だけの流行であって、
社会全体にとって、まだまだ一部に過ぎないのかもしれません。



■インターネットが生活必需品になるために


インターネットは、生活必需品になるのだろうか?
これは、私自身が常に考えていることです。



インターネットがないと不便というアンケートは、
インターネットを利用している人が答えたものです。
その数値を信用しつつ、前出のような層がまだいるのだということを、
見失ってはならないと思っています。


人々の暮らしにとって、
本当に必要とされるものを送り届けたい、そういう役割をしたいと私は思います。

そのためには、
利用シーンの提案、利用しやすい環境での設計、
見なければ生活に困る情報や、見ないと気がすまない情報の発信が求められます。
それくらい、
生きるということ、生活に入り込めなければならないと思いました。


いいものを作れば、見てもらえるわけではないのです。
いいものを作り、使い方を含めて、利用提案をしていかなければ、
一人ひとりの手元には届きません。
アクセスしてもらえません。



インターネット業界で、当たり前に使われる、
ググる、という言葉だって、
ヤフーがスタートページに設定されている環境の人は、
知らないかもしれません。


実際に、聞いたことがない人を私はたくさん見てきました。
それくらい、インターネットを毎日使う人と使わない人に差が生まれています。



ときどき、そうやって自分と社会との距離を確認してみることが、
作り手として必要ということを、
一人でも多くの人に理解していただければと思います。



では、明日。またここで。


検索迷子