入れ替わるWebサービス

こんにちは、検索迷子です。


以前に比べて、購入しなくなったものや購入が減ったものは何で、
逆に購入が増えたものは何か、という話になった。


これをテーマにディスカッションする機会があり、
数名とグループワークを行った。


購入が減ったものは、
マンション、車、土地、ブランド品といった高額商品やサービスや、
エンターテイメント系、旅行、外食といった非日常性を買うもの、
服飾、美容、貴金属といった身につけるものなど、
誰もがわかるわかる、自分もそうだという共感とともに、ブレストをしていった。


対して購入が増えたものは、
実際の商品としては、比較的個人の嗜好性により分散していた。
そんななか、誰もが購買が増えたと実感しているのが、
インターネットサービス、ケータイサービスといった、
ネットサービスで買えるものが圧倒的に増えたというものだった。


たとえば、ネットショッピングや、音楽ダウンロードもそうだし、
それを使うための通信環境を整えるための設備投資やアプリの購入もある。


この話は、インターネット業界とは関係のない人もいたため、
私としてはとても興味深いものだった。


インターネットがあることで、
ネットで買う、比較をする、評価を見るという、
リアル店舗とは違い、現物からよりも情報収集から始まる購買方法のスタイルに
変わってきたという意見を聞きながら、
でも、そのインターネットってどれのことかという統一したものはなかなかなかった。


楽天、アマゾン、ヤフーオークションあたりは、
誰でもどれかは利用経験はあるようだった。


だけど、そのほかのサイトで、これと言えばこのサイトという統一のものは、
なかなか挙がらなかった。
お金の決済が絡むこともあり、手広く使いたくないため、
自分のお気に入りの特定店舗だけを使うという人と、
どんどん新しい面白そうなところを試すという人と、
実際の使い方は個人によって違う。



こういう話をしていると、
私は、Webサービスはまだまだだなと思ったりする。
誰もが、これと言えばここで買うという王道や定番で、
幅広い消費者の心をとらえているものは、どれだけあるのだろうかと思う。


まだ伸びる余地がある、と考えるのか、
もう固定化されてしまったと思うのか。



ただ一つはっきりと言えるのは、
人が一日のうちに閲覧できるサイトは有限だということだ。
だから、いいサービスができたら、人は新しいお気に入りに流れていく。
どんなにRSSリーダーなどを使ったり、
はてなの機能を利用したり、
インターネットのIT系のニュースサイトをこまめにチェックして、
面白そうなサイトをたくさんピックアップできたとしても、
一日1万サイトを本気で見るなんてことはできないだろう。


私は一日中サイトをチェックする仕事をしていたこともあるが、
一日八時間使ったとしても、数百サイトが限界だ。
ましてや、記事を読むレベルとなるとぐんと数は落ちる。


それが個人としてみたいサイトなら、なおのこと限られた時間で、
せいぜい通勤途中、お昼休み、帰宅後といった、
細切れで積み重ねてもせいぜい数時間だろう。



そのなかで、これは面白いと夢中になり、内容を見たり、
ましてや購買となるとなかなか気軽にはできないだろう。



Webサービスは手軽に使えるゆえに、
手軽にあきられて、手軽に捨てられると思っている。
つまり、お気に入りのサイトが増えれば増えるほど、
それよりも、お気に入り度合いが低いものは淘汰されていく。


5年前見ていたサイトで、今も見ているサイトはどれくらいあるだろう?
私は、インターネット業界に身をおく一人として、
Webサイトを作るということは、他のサービスを閲覧していた人を振り向かせる仕事だと思っている。


未知の人を開拓するというよりは、
あるサービスに不満を感じていた人に、
私のサービスのほうがいいですよと、興味関心を奪取することだと思いながら、
飽きられないよう、お気に入りの入れ替え戦の上位から落ちないよう、
工夫していきたいなと思う。


Webサービスを作るということは、
見てもらう時間を利用者からもらうということなのだ。


インターネット上には隣接する店舗といった、
ガチンコの一騎打ちみたいなサービスの考え方はない。
検索ワードさえあればどこにでも行けるのだから。
毎日が総当たり戦、総入れ替え戦のような、
人の反応がダイレクトに閲覧数に響くようなところにいる。


検索迷子は購買サービスはありませんが、
私のこの拙い文章をブックマークしてくれている方たちは、
その分、何かのサイトを見る時間を減らしてくれたのかもしれないと思うと、
それだけで感謝したい気持ちになります。


そのブックマークに応えていけるようなことを、毎日少しでも書ければと思います。
景気が低迷しているとか、消費が冷え込んでいるとか、
そういうことだけが購買が落ちている原因ではなく、
コンテンツの力や、新しいライフスタイルの提案や、
何か発見がある、何か未知なものを楽しめるものが生き残れるのかなと思う。


入れ替え戦を何回経験しても、最後の最後まで、
必要とされるものになっていければと思います。


購買動機とコンテンツのことが、ちょっと整理しきれていない文章ですが、
日々、ネットから忘れ去られた存在にならないよう、
ほんの少し、荒めの感想ですが、書き残しておきます。


私もいつか、お金を払ってでも見たくなるような文章を提供したいなと思います。
入れ替え戦に長く残れるような、価値を提供できると確信できたら。


いいサービスだけしか、残れない。
いいサービスだけが、お金を払って買うコンテンツの価値がある。


必要とされるサイトになろう。



では、また。