スティーブ・ジョブズ神の遺言


こんにちは、検索迷子です。


スティーブ・ジョブズが亡くなった日、
会う人、会う人がその話題に触れた。


取引先、パートナーさん、社内の人などの話を聞きながら、
熱狂的なアップルファンが多いことを知った。
そして、スティーブ・ジョブズの生き方に共感していた人の多さも。


ネット業界の片隅に身をおいて、
アップル製品になじみは深かったが、
自分はそれほどアップル信仰、ジョブズ信仰は持たなかった。


同じとき、銀座のアップルストアの前を通ったとき、
献花の多さ、人の多さにびっくりした。
ショップ前が花で埋もれていた。


これほど愛されて、信奉された人とはどういう人なのか、
その関心もあって、一冊の本を手にした。
それが、桑原晃弥(くわばらてるや)著、
スティーブ・ジョブズ神の遺言」経済界新書だ。

スティーブ・ジョブズ 神の遺言 (経済界新書)

スティーブ・ジョブズ 神の遺言 (経済界新書)


この本を読むまで、スティーブ・ジョブズが、
アップルから追放されていた時期があることすら知らなかった。
自分が作った会社を離れ、
そして復活して再び、会社の顔となる。
それはできそうで、できないエネルギーのいることだ。


本書は、カリスマ性を持つスティーブ・ジョブズの、
言葉の厳選集のため、どれも言葉が強い。
どれも大事で奥深い。


でも、あえて、今の自分がフィットしたものだけ記録しておく。
「」内は、本書からの引用である。


病気と闘ったからこそ、真実味がある言葉、
「日々を最後の日として生きよ。その日は誤ることなくやってくる。」


変わり続けることへの闘志をこめて、
「対策を打たない限り、行き着く先は、死だ。」
座して待つだけでは、状況は変わらない。


美しさと使いやすさで人々を魅了したその信念として、
「誰にとっても使いやすいパソコンをつくるために、必要なものや機能を取り込んでいくことが私の仕事だ。」
誰にとっても使いやすいものを作る、その意思を持っている人は数多くいる。
それを実行して、流通させて、業界標準レベルに引き上げるためには、
いったいどれほどの信念の強さを必要とするのだろう。


そして、私が一番はっとしたのが、
イノベーションの出どころは、夜の10時半にアイデアが浮かんだと電話をし合う社員たちだ。」


深夜に会社の外から、仕事の相談をプライベートな時間を使ってするのはなかなかできることではない。
相手の時間もあるし、時に自分の熱血が恥ずかしい。
朝まで待てばまた会えるのだからと先送りにすることもあるだろう。


でも、私自身、過去にこれを実践していたことがあった。
イデアがあふれだして、
帰宅してもその話をしたくてたまらなくて、
電話とかインスタントメッセンジャーとか、
メールを駆使して、仲間と語りあった。


数時間待てない、今しかない熱い思いを共有する仲間がいる、
自分も熱意が止まらない、
そんな時期が確かに自分にもあった。


そして、そのときに生み出したサービスは、
あるジャンルにおいて、日本で有数のサービスに育ち、
私が自己紹介するときには、たいていの人が驚いてくれるほど、
著名サービスとなった。


熱意は一人のものだけでは、形にならない。
ものづくりをするうえでは、一緒に作る仲間が必要なのだ。


電話をし合うという一言に、
プロジェクト、仲間、熱意を通い合わせる時間を共有することが、
凝縮されていて、
どれほどその時間が大事なのか、
世の中に何かを産み落とす原動力になるのか、
自分の経験を含めて胸が苦しくなるほどはっとした。


すべての言葉は、
産み落としたものが人々に指示されたからこそ重みのあるもの。


べき論ではない。
そういうふうにやってきただけだ、という事実が羅列されていて、
より言葉の一つひとつに重みがある。


その熱意が、「最初の電話のような可能性を作る」という気持ちにつながる。


世の中にあるものを変えていく、
自分で作っていく。


その思いをかき乱されるような、大事な言葉ばかりが詰まった一冊だ。


再読したとき、また自分がどこに心を揺さぶられるか、
怖いようで楽しみでもある。


では、また。