今ここで

こんにちは、検索迷子です。


水内喜久雄(みずうちきくお)さんが編んだ、
『一編の詩があなたを強く抱きしめる時がある』PHP研究所から、
すずきゆかり著「今ここで」を紹介したい。

一編の詩があなたを強く抱きしめる時がある

一編の詩があなたを強く抱きしめる時がある

  今ここで
        すずきゆかり


元気な顔見せてね
とは言わないよ
元気じゃない顔でもいい
顔見せてください
笑った顔
怒った顔
泣いた顔
生きている顔


この億万光年の時空の中で
奇跡的に
すれちがうこともせず
あなたが生きている顔を
見られるしあわせ


人との出会いと別れを繰り返すと、
その人と今このタイミングで出会えたことの意味や、
偶然の確率を考えることがある。


たぶん、今じゃなければ受け入れられなかった人もいる。
あのときでなければ、理解できなかった人もいる。


そういう奇跡のような良い出会いを経験すると、
その人のどんな瞬間も逃すまいと思うようになる。
どんな時間でも共有したいと思う。
いいときだけでなく、悪いときも含めて、
受け止めあう関係がかけがえのないものだと思う。


たいせつだと思う人ほど、
元気でないときを受け止めてあげたいと思う。
自分にできることは何かと考える。


この詩は、そんな思いを代弁してくれている。


生きている顔を見られるだけで、
幸せになれる人がいる。


そう思える人と出会ったことが幸せなんだと思う。
生きている顔を見られるだけで、
生きている顔を見られると思うだけで、
生きる励みになる人がいる。


そうやって生きていけることが幸せだと思う。


顔を見るということは、ほんとうにたいせつなことだ。
いくつ言葉を重ねても、
会えた一瞬にまさるものはない。


顔をみたいと思う人に、
きちんと会いに行こう。


顔をみたいと思われる人であろう。


どんな顔だって。
会えるだけで、それでいいんだと思う。


水内さんの著書を紹介した記事


同じ著書から先日、折原みと著「かわっていくこと」を紹介したので、
そちらもあわせてお読みください。


また、水内さんの編んだほかの著書も紹介しています。
石垣りんの詩を編んだ「宇宙の片隅で」を紹介しました。


では、また。