岸田衿子「迷い子の道」

こんにちは、検索迷子です。


検索迷子というブログのタイトルをつけるとき、
迷子という単語は、文字通り迷いを表すもので、
マイナスのイメージになるだろうかと考えた。


それでも、ふと浮かんだこのタイトル以外、
思い浮かぶこともなく、結局、今にいたる。


迷子という言葉を、肯定的にとらえられるような詩に出会った。


岸田衿子(きしだえりこ)さんの詩、
「迷(ま)い子の道」だ。
岸田衿子著、水内喜久雄選、理論社刊『岸田衿子詩集 たいせつな一日』より。

たいせつな一日―岸田衿子詩集 (詩と歩こう)

たいせつな一日―岸田衿子詩集 (詩と歩こう)

   迷い子の道
              岸田衿子


あの青い花の咲く道では だれでも
いとどは迷い子になるのです
さっき来た道を 行ったり戻ったり
迷い子になったことが 嬉しいから


道に迷う、
進路を迷う、
選択を迷う、
迷った人を探す、
迷ったことを悔やむ、


迷いにはなにか、徒労をともない、
悲しみややりきれなさをともなうような思いがしていた。


でも、迷って楽しいことだってある。
迷ったことで発見できる風景もある。
迷ったことが次につながることもある。


迷って嬉しい、という気持ちを持てる、
そういう視点をくれたことがなぜか嬉しく、
この詩を引用した。


迷い子の道、
悪くないなと思う。


水内さんの著書を紹介した記事


水内さんの編む詩集が好きで、
過去に数回エントリーを書いています。


今年の年初に2つ紹介しています。
工藤直子さんの「夕焼け

工藤直子著「元旦」


同じ著書から2編、紹介したものもあります。
折原みと著「かわっていくこと」

すずきゆかり著「今、ここで」


また、水内さんの編んだほかの著書も紹介しています。
石垣りんの詩を編んだ「宇宙の片隅で」を紹介しました。


良ければ、そちらもあわせてお読みください。


では、また。