詩集で見る福山雅治「道標」

こんにちは、検索迷子です。


先日、
『続・一編の詩があなたを強く抱きしめる時がある』
水内喜久雄(みずうちきくお)さん編著、PHP研究所刊を紹介したが、
そのなかには、福山雅治(ふくやままさはる)さんの歌詞、
「道標」が紹介されている。

続・一編の詩があなたを強く抱きしめる時がある

続・一編の詩があなたを強く抱きしめる時がある

   道標
           福山雅治


わたしは その手が好きです
ただ毎日をまっすぐ生きて
わたしたちを育て旅立たせてくれた
あなたの その手が好きです


(中略)

愛に出逢い 愛を信じ 愛にやぶれて
愛を憎み 愛で赦し また愛を知る
風に吹かれ 迷いゆれて 生きるこの道
あなたの笑顔 それは道標


(中略)

人に出逢い 人を信じ 人にやぶれて
人を憎み 人を赦し また人を知る
風に吹かれ 泣いて笑い 生きるこの道


あなたの笑顔 それは道標
風に吹かれて 走っています
あなたがくれた この生命の道を

(後略)


歌詞というのは、リズムになじみがあればあるほど、
詩集にしたとき文字だけが浮き上がりにくい、
とずっと思っていた。


歌詞より音がさきに頭を駆け巡り、
文字を読むスピードも音楽次第になってしまうのが、
雑音が入るみたいであまり心地よく読めないと思っていた。


でも、この道標は、
詩集のなかに収められているのを見たとき、
歌詞としての美しさが際立っていた。
音楽を知っているからという、なじみ感ではなく、
それがなくてもすんなりと入ってきた。


ああ、いい詩はどこにあっても、良さが光るのだなと、
しみじみと思わされた一編だ。


水内さんの著書を紹介した記事


水内さんの編む詩集が好きで、
過去に数回エントリーを書いています。


『続・一編の詩があなたを強く抱きしめる時がある』からは、
次のものを紹介しています。
石津ちひろ「ありふれたあさ」


その前編である『一編の詩があなたを強く抱きしめる時がある』から2編、
紹介したものもあります。

一編の詩があなたを強く抱きしめる時がある

一編の詩があなたを強く抱きしめる時がある

折原みと著「かわっていくこと」

すずきゆかり著「今、ここで」


先日は、岸田衿子(きしだえりこ)さんの詩、
「迷(ま)い子の道」を紹介しました。
岸田衿子著、水内喜久雄選、理論社刊『岸田衿子詩集 たいせつな一日』より。

たいせつな一日―岸田衿子詩集 (詩と歩こう)

たいせつな一日―岸田衿子詩集 (詩と歩こう)



今年の年初に2つ紹介しています。
工藤直子さんの「夕焼け」

工藤直子著「元旦」



また、水内さんの編んだほかの著書も紹介しています。
石垣りんの詩を編んだ「宇宙の片隅で」を紹介しました。


良ければ、そちらもあわせてお読みください。


では、また。