高村光太郎「道程」を英語で読む

こんにちは、検索迷子です。


自分が一度はやってみたいと思うことのなかに、
日本の詩を英語で広めるということがある。
が、残念ながら翻訳するほどの力量はない。


図書館で思いがけない本に出会った。
それが、アーサー・ビナード著、みすず書房発行の、
「日本の名詩、英語でおどる」だ。

日本の名詩、英語でおどる

日本の名詩、英語でおどる

「道程」を英語で読む


以前、高村光太郎さんの「道程」(どうてい)を紹介したことがある。


このエントリーは思いがけず、
道程という読み方を調べる方によく閲覧されている。
今もそれは続いている。


自分の記憶だけではなく、
検索迷子に書いたことによって、
ブログとか、ネット検索の影響力の大きさを知り、
子ども時代の記憶といい体験が重なって、
自分にとって生涯忘れない、
暗誦し続ける詩になるだろうと思う。



それが英語で読めるなんてと嬉しくなった。
そして、実際に英語で読んでみたときにリズムを損なうことなく、
すんなりと入ってきたので紹介したい。


まずは日本語、次いで英語を紹介する。
引用はすべて、本書からである。

道程
高村光太郎


僕の前に道はない
僕の後ろに道は出来る
ああ、自然よ
父よ
僕を一人立ちさせた広大な父よ
僕から目を離さないで守る事をせよ
常に父の気魄を僕に充たせよ
この遠い道程のため
この遠い道程のため



Journey


No path lies before me.
As I press on, behind me a path appears.
Nature, my father, you
who made me walk on my own,
boundless father,
don't turn away, but keep watch over me.
Fill me always with your strength
for the long jorney ahead,
for the long jorney ahead.


著者の、アーサー・ビナードさんは、
日本で詩や絵本を書いている。
日本の詩のリズム感を十分に知っている方なのだろう。


英語はそんなに得意じゃないからと、
恐る恐る黙読をしたら、
頭のなかに、日本語のリズム感がそのまま再生され、
日本語詩を読むかのように英語の詩を読めた。


日本語で好きな詩が、英語でも読める。
その喜びをくれた一遍だ。


ほかにも紹介したい詩があるため、
後日再度レビューをしたいと思う。


道程は、Jorneyなんだなと単純にへぇと思った。
それだけでも、画一的だった自分の視界が、
ぱーっと広がる気がした。


伝える言葉は多いほうがいい、
そのための一つが英語なんだと思った。


この遠い道程のため、
for the long jorney ahead.


美しい詩と日本語と、
美しいリズムと英語が響きあう。


いい発見をして心が弾むようだ。


では、また。