『アメリア』試写会

こんにちは、検索迷子です。


映画『アメリア 永遠の翼』の試写会に行ってきました。
今日は、その感想を書きます。
映画『アメリア 永遠の翼』の公式ホームページはこちらです。


この作品は、
世界で初めて大西洋を横断飛行した女性、アメリア・イヤハートの実話である。
映画を観るまで、彼女がどういう人なのか全く予備知識がなかったのだが、
アメリカでは有名な女性らしい。

Wikipedia - アメリア・イヤハート


1927年のリンドバーグの快挙に続き、女性として初めての大西洋単独横断飛行などをした。リンドバーグに続き、女性初の大西洋横断飛行を成し遂げたことからミス・リンディの愛称がある。知的かつチャーミングな女性であったため、当時(そして今も)は絶大な人気があり、彼女の名前を冠された商品も多岐に渡っていた。これらは出版人であった夫君のジョージ・プットナムの協力と手腕であったとされる。


映画の感想の前に、このWikipediaの文中に興味深いコメントを見つけたので、
そちらについても触れておく。

昨今、これらの現象から、ナンバー1でなくても切り口を変えればナンバー1になりうる、としてマーケティング分析分野ではアメリア・イアハート効果という語も生まれている。


Wikipediaでは、リンクになっているが編集されておらず、
意味があいまいだったため、プレジデントのサイト解説があったため、
そちらを引用する。

アメリア・エアハート効果とは


マーケティング用語として、次のサイトに解説があった。
なお、イヤハートは、Wikipediaによると読みとしてはエアハートのほうがより正確らしい。
この記事中では、アメリア・エアハート効果となっている。

プレジデント - 業界下位がトップを奪う秘策「アメリア・エアハート効果」とは流通科学大学学長
石井淳蔵=文


二番手以下でも
歴史に名前を残す方法とは


 では、その後、リンドバーグを追って、大西洋を単独飛行した次の人の名前はご存じだろうか。たぶん誰もご存じないだろうし、私も知らない。一番手は歴史に残っても、二番手以下は残らない、これが一番手の威力である。
 そのリンドバーグから5年も経った32年に、大西洋を単独飛行したのがアメリア・エアハートである。ウィキペディアを見ればわかるように、その名前は歴史に残っている。その理由は……、彼女が女性だからだ。彼女は、「女性で初めて、大西洋を単独飛行した」のである。「人類」というカテゴリに、「女性」という一つの切り口を入れると、一つの新しいサブカテゴリが生まれる。こうした効果を、彼女の名にちなんで、アメリア・エアハート効果と呼ぶことにしよう。

空を飛ぶ女性をプロデュースする


なぜ感想の前に、マーケティング的な用語を補足したかというと、
アメリア・イアハートは、のちに夫となるプロモーターのジョージによって、
女性初の飛行家という存在を意図的に作り出されたのだ。


メディアパワーを発揮するために、リンドバーグに継ぐ女性を探し、
アメリアの前に二人の女性が命を落としていた。
そして、アメリアは三人目の女性として容姿と性格で面接をパスした。
しかし、当初は操縦したと見せかけて同乗するだけの役割が求められた。
女性に、操縦なんてできないだろうと。


敏腕プロモーターのジョージに反発しながらも、
空を飛びたいという少女時代からの夢を叶えるために、
アメリアはその立場を受け入れる。
そして、いつしか周囲の信頼を得て、本当に操縦をして指揮をするにいたった。

空を飛ぶことへの執念と献身


ジョージは、単にプロデュースするだけの存在だったアメリアを、
空を飛ぶことに熱意を見せ、
どんどん夢のグレードアップをして、果敢に挑戦し続ける姿に引かれていった。
そして、その存在を心から必要とするようになった。
アメリアとジョージはやがて結婚をすることになるのだが、
アメリアは拘束を嫌い、空を飛ぶことが何よりも大切と言い、
なかなかそれを了解しなかった。


この映画の見所の一つは、
リチャード・ギアの演じる、プロモーターであり夫の愛情の深さであろう。
一見、打算的で口ばかりでずるそうに見えたジョージは、
ヒラリー・スワンクが演じるアメリアの夢を叶えたい一心で資金集めに奔走する。


アメリアが他の男性に心を奪われても、戻ってきてくれることを信じていた。
アメリアのやりたいように、夢を叶えさせるためだけに献身的になっていた。
リチャード・ギアはいくつになっても、
魅力ある男性だなと思わされるシーンがたくさんあった。


ヒラリー・スワンクは、
映画中に実際のアメリアの映像も出ていたのだが、
本当に姿や立ち振る舞いがそっくりでびっくりした。


時代は不況で、資金集めの苦労と華やかな日々


なによりも、この夢の実現が、自由奔放に生きた時代が、
世界恐慌ニューディール政策が行われていた時代ということに驚く。
ジョージだけでなく、アメリア自身も社交界や講演会で、
資金集めに苦慮していた。
華やかなパーティシーンの連続に時代がいつのことかと忘れそうになったが、
1930年代、まさに世界恐慌のときだったのだ。
Wikipedia - ニューディール政策



夢を叶えるためには、膨大な資金がかかる。
そのためには、一見世界が違うと思う場所に行って、
講演を繰り返し、権力者に支援を仰ぎということをやらねばならなかった。


こういうのって、現代にもあるのでしょうね。
以前、北野武さんが役者をやるのは、映画制作費のためだと何かで見たことがある。
また、最近では戦場カメラマンの渡部陽一さんも、活動費のためにテレビ出演をしているそうだ。
ほかにも、たくさん本当にやりたいことのために、
資金集めのため違う時間を受け入れている人はたくさんいるだろう。
こういう、夢の叶え方があるのだと、
大きい夢を叶えるためには、支援をこうやって求めていかないとならないんだと、
つくづく考えさせられた。

チラシについて


会場でもらったチラシは、宇宙飛行士山崎直子さんの夫である、
山崎大地さんのコメントが掲載されていました。
なぜ、だんなさん?と思ったのですが、リチャード・ギアの演技をみて、
送り出す夫も妻と一緒に空を飛び、また会える日に思いを馳せて不安なのだと思って納得した。


アメリアは世界一周に挑み、謎の死を遂げて、
その機体も遺体もいまだに見つかっていない。


空のどこかで、夢を叶えようと飛び立つ人たちを応援してくれているのだろうか。


当日一緒に貰ったパンフレットで、
日本人パイロット一世紀のあゆみ、というものがあった。
所沢航空発祥記念館
JALによるものである。
今年、整理解雇といった事態になり、
パイロットの方たちは不安な時期を迎えているだろう。
せっかくの百年だというのに、少しつらい出来事だ。


空を飛ぼう。せめて、心だけでも。


では、また。