やりがいは使命感から生まれる

こんにちは、検索迷子です。


ずっと気になっていた、渡邉正裕(わたなべまさひろ)さんの本、
『やりがいある仕事を市場原理のなかで実現する!
−必要なのは「複線型キャリアパス」と「ビジネスモデル構築力」』を読んだ。

やりがいある仕事を市場原理のなかで実現する!

やりがいある仕事を市場原理のなかで実現する!


渡邉さんは、ニュースサイト、MyNewsJapan代表取締役である。



以前、渡邉さんの『企業ミシュラン−IT・サービス業編』を読んだ際、
とてもインパクトのある企業研究本で、かつ企業風土を知るためにとても参考になった。


サラリーマンにとっては、他社や未知の業界の風土を知れて面白い本だが、
就職活動の学生さんが見たら、あまりに生々しい企業実態に腰が引けるかもしれない。
それくらい、企業のリアルな実態を伝える本だった。


この二冊とも共通して感じたのが、
こんなに深く書いて、大丈夫かなと思うほどだったが、
リスクを負ってまで書ける人なのだと、その凄みを感じていた。
今回、改めて渡邉さんの経歴を見て、慶應政治学を学び、
日本経済新聞記者だったと知って妙に納得した。


『やりがいある仕事を市場原理のなかで実現する!
−必要なのは「複線型キャリアパス」と「ビジネスモデル構築力」』の本では、
日経時代に会社と衝突したことがリアルに描かれている。
巨大組織や権力に立ち向かう出来事での違和感をベースに、本書は書かれている。


渡邉さんは、本書で、やりがいについて以下のように定義している。
本書内では図表ですが、抜粋します。

「やりがい」は使命感から生まれる


夢・やりたいこと=動機。
動機を顕在化させて、使命とする。
使命とは、「命」を「使」うに値すると思える目的。ここはDNAレベルまたは魂レベルの問題。
たとえ報酬ゼロでもやり続けられること。

このやりがいに向かって、「ビジネスモデル構築力」を磨いていくために、
「目的志向の複線型キャリアパス」が必要としている。

ビジネスモデル構築力は、
できること=知識・スキル。
カネ儲けのスキル

従来の、いわゆる「専門バカ」といわれる「単線型キャリアパス」では、
やりがいも生まれず、一つを失ってしまうと何も残らない。


なお、「やりがい」とは、就職サイトなどでよく使われる、イメージ的なものではなく、

ここで言う「やりがい」ある仕事とは一言でいうと、「市場の失敗を補う、公共性の高い仕事」と定義できる。

としている。

国や社会のために「よい仕事」をしている人が報われないのは絶対におかしいと書き、
個人が市場原理のなかで公共の目的を達成できるだけの秀逸なビジネスモデル構築力を磨き、
実行するしかない。
そうした働き方を、渡邉さんがMyNewsJapanを通して実現してきたプロセスを丹念に描いた一冊だ。


やりがいか、カネ儲けかの二者択一ではなく、
「やりがいのある仕事で、かつ民間以上に稼ぐ」という第3の道を提案してくれている。


この一冊を読むと、
やりがいのある仕事に就きたい、なんて簡単に言いにくくなりそうだ。
利己的なやりがいなんて、やりがいとはいえないのかもしれない。


本当のやりがいのある仕事は、誰かのために役に立ち、
よりよい世界のために、自分の使命、ミッションを感じながら社会貢献していくことなのだと、
痛感しました。


私自身、検索迷子を救うことを使命にこのブログを始め、
そして、なぜか転職して多忙な今のほうが熱心に書いている。


これは、きっと使命感に突き動かされているのだと思う。
そして、こうした毎日の時間が、複線型キャリアパスになっているのかもしれない。
自分の進んでいる道は間違ってないと勇気をもらった本です。


最後に、深く染みた一言を。

カネ儲けだけに邁進していても、人の心は満たされない。同時に、やりがいある仕事に優しさの発露を求めてこそ、生きるに値する人生となるのは疑いないところだろう。

優しさの発露、そういう気持ちで働きたいと思いました。


では、また。