お別れの挨拶に聞きたい言葉

こんにちは、検索迷子です。


先日、お別れの挨拶を言えますか。という私的な思い出のエントリーを書きました。


アクセス解析をしてみて驚いたことに、
いかに、今の時期、お別れの挨拶の言葉に困っている方が多いかがわかりました。


ということで、今日は、
お別れの挨拶に私が個人的に聞きたい言葉をまとめようと思います。


といって、そんな偉そうに書くあなたは誰?というふうに思われると思うので、
こういった人間ですと軽く説明をします。


私自身は、大手企業を2社経験し、編集者とライターの経験があります。
また、数百人の後輩にビジネス文章の指導をしてきました。


特に、挨拶ができないと嘆いている後輩には、初回は下書きを書いてあげて、
まずは暗記してもらって、挨拶の場に臨んでもらっていました。
それを繰り返すうちに、その人オリジナルの文章ができるところまで、
文章の添削をつきあってあげていました。


私個人は、最終出社日に都合が合わず、
送別される側としての挨拶はしたことはありませんが、
送り出す方たちと最後の時間の共有を数多くしてきました。
そんな経験のなかで、これは良かったなと思うものを書きます。


ご参考になれば幸いです。

自分は、どんな別れの挨拶をしたいかを見極める。


お別れの挨拶をする状況はそれぞれだと思いますが、

  1. 心を込めて、挨拶をしたい
  2. 通り一遍の挨拶だけでいい

この二通りで大きくアドバイスは変わってきます。

通り一遍の挨拶だけでいい、という方は、

無難に、「本日をもって退職をさせていただきます。
今までお世話になり、ありがとうございました。」
もう、これで十分だと思います。
だらだら長く喋るほうが嫌われてしまいます。


簡単な挨拶でいい方は、口下手なのか、
あるいは、もう儀礼的に済ませたいかどちらかだと思うので、
無駄に饒舌に喋る必要はありません。
なぜなら、最終出社日ですからね。挨拶をしてさえあれば、あとくされもありません。


心を込めて、挨拶をしたい

という方に対してが、私が今日伝えたい本題です。


心を込めて挨拶をしたいという方は、
思い出がたくさん詰まった場所から立ち去るのでしょうね。

ですから、いかに短時間でその思い出を言葉にできるかがポイントです。


まず、
送別の挨拶の時間をとってもらえることを感謝しましょう。

私自身、この経験がないため、
わずか数分、数十分、仕事の手を止めて、自分の話を聞いてくれるだけでも、
それだけでも泣けてしまいます。

「今日は、お忙しいなか、お時間をいただきありがとうございます。
本日をもって退職させていただきますので、ご挨拶をさせてください。」
と挨拶を始めましょう。


そして、
この仕事をしていて良かった、あなたたちに会えてよかったと、
ここにいられたことが幸せだった、役に立ったという気持ちを伝えましょう。


時間がなければ、
「みなさんと一緒にお仕事ができて光栄でした。
なかでも、なんとかというプロジェクトの仕事が思い出深く、
たいへんなこともたくさんありましたが、みなさまのアドバイスによって、
私自身を成長させてくれた本当に貴重なお仕事でした。」


時間があって、円陣のような数名規模のところであれば、
「みなさんと一緒にお仕事ができて光栄でした。
一人ひとりのみなさんに本当にお力を貸していただきました。


(ここで、一人ずつのほうに向き合って、同僚の話しやすい人から声をかけて、)
「Aさんには、苦手なエクセルを助けてもらい、いつもきれいに仕上げてもらいました」
「Bさんには、文字の間違いが多い私の、原稿のチェックをしてもらいました」
「Cさんには、ランチでグチを聞いてもらって、楽しい気分にしてもらいました」
「Dさんには、いつもお客様対応でおろおろしているところを助けていただきました」
「最後に上司である、Eさんには、厳しくも暖かいアドバイスをいつもいただいて、
本当に感謝しています」


といった、
その人が、「人からほめてもらいたい長所を狙いうちで」コメントをすることがコツです。
最新の出来事でなくてもいいのです。


誰にでも、自分はこれが得意だと思っているジャンルがあります。
もし、それが見抜けてなかったら墓穴は掘らないほうがいいいです。


ある程度わかるなら、それを、強調する形で話すことにより、本人も気分がよく、
他の人にも、Aさんはこれができますよと代理でアピールしてあげる場となるのです。


ちょっとあざとく見えるかもしれませんが、
人はほめられて悪い気がしません。


人をほめて、感謝をし尽くして終わると、
あなた自身の人格も豊かに見えます。


ただ、ありがとうという言葉だけでなく、
「あなたがいてくれてたから、これが助かった。だからありがとう」と、
その人、独自のありがとうコメントを用意できるのが理想です。


あなたに会えて良かった。
あなたから教わることはたくさんあった。


事情があって、私は退職するけれど、
あなたたちと過ごした時間は有意義だった、
ということを伝えるのが、退職者ができる唯一の置き土産だと思います。



そして、最後は、
「皆様の健康とますますのご発展をお祈りして、私のご挨拶と代えさせていただきます」と
大人らしく、会社の今後の成長を祈って締めましょう。


最後だからこその配慮を。言わずにおきたい言葉。

ネガティブな単語、自分を卑下する言葉は禁物です。
感謝を伝え続ける、この会社にいた自分を全部肯定するくらいの気持ちで、
最後の感謝を伝えましょう。


毒を吐いても誰も幸せになりません。


また、自分の未来を過剰に熱く語るのも、考え物です。
多少は、今後はこれをしますというのは安心感にもつながるので良いのですが、
概して、人は他人の幸せを手放しで喜びにくいものです。


ましてや、自分は明日から新しい環境でうきうきしていても、
挨拶を聞かされる側は、明日も今日と同じ退屈な事務処理が待っていたりします。
あまり、喜びを爆発させてしまい、顰蹙をかうことのないように。


特に、結婚退職の方は、幸せの絶頂期に退職をされるため、
この傾向が顕著なのですが度合いをわきまえてほしいと思います。


未婚者、離婚者、シングルで子育てをしている人など、
結婚が全面的に幸せの象徴と思っているのは、
実は当人だけという自覚や配慮がほしいものです。
表面上はお祝いのシャワーかもしれませんが、浮かれすぎないように、
十分に気をつけましょう。


いずれにしても、嬉しいことほど、謙虚さを見せる必要があります。


あなたが去った後のフロアが、
一人ひとりに、自分はあの人からこんなふうに思われてたんだな、
手伝ってあげたかいがあったなと、ほくほくする気持ちになれたり、
残された人たちも、先を越されたという気分ではなく、
明日からも働く意欲が増すようなコメントが一番いいのです。


そして、
あの人も元気でがんばってほしいなという空気で、
花束の香りと共に誰もが幸福感にひたり、幸せが蔓延するといいですね。


ほめながら、ありがとうを伝える。


感謝をしながら、ありがとうを伝える。


お別れの言葉は、それだけでいいのです。


私たちはたまたま仕事場で、今この瞬間同じ時期を過ごし、
一緒に何かに取り組んできた。
そして、時間が経ち別れて行く。


寂しいけれど、働くとはそういう繰り返しです。
人が入れ替わっても、仕事は明日からまた同じように流れていくけれど、
その人に会えた時間は、せめて最後の日くらいは最大限の感謝で送りだして、
さよならを伝え合いたいものです。


笑顔と、ほんの少しの涙で。ほめ言葉で最後の置き土産を。


よい、別れのシーンを。


あなただけでなく、
あなたに会えてよかったと、
残った人たちが思ってくれるような時間でありますように。


では、また。