(41)草なぎ剛さんの『1本満足バーCM(90秒篇)』のダンスと面白み

こんにちは、検索迷子です。


今日は、草なぎ剛さんが出演されている、
『1本満足バー CM 「満足れぼりゅーしょんPV」篇 90秒 草なぎ剛』(公式:なぎは漢字)の感想を書きたい。


私は、草なぎさんのダンスが好きで、この『1本満足バー』のCMについても、一年前にレビューをしている。
草なぎ剛さんの中心軸


この記事を書いたとき、CMのダンスについて大真面目に書いたことで驚きの声をいただいたが、いま改めて読み返してみて、草なぎさんのダンスのきれいさってぶれないなぁと思った。そして今回の90秒CMを観て、再び書きたいと思った。


ダンス、お芝居的要素、映像の切り口で触れようと思う。

安定した体幹、ストーリー性のあるダンス

前作のCMでは、草なぎさんは昨年初夏に捻挫した後遺症がまだあった時期かもしれないが、それを感じさせないパフォーマンスに魅了された。


今回は、万全なコンディションで撮影に臨まれたのだろう。本当にあらゆるポイントで昨年を上回る素晴らしいCMになっていると思った。秒数が長いので単純に比較できないが、今回特に際立っていいと思ったポイントを挙げてみる。


いま書き始める前に、前年の記事を読み返してみたら、気になるポイントの大枠はほぼ同じであることに気づいた。それは、草なぎさんのダンスの魅力は、体幹の強さにあるということだ。


ダンス全般について、草なぎさんは左右バランスがとてもいい。どちらが利き足、利き足というのを感じさせないほど、左右交互に行う振りが均等に見える。とにかく細かい動きを刻むところが秀逸で、1秒以下のカウントで次の動作を訓練してきたかたなのだと思わされる。


それは、PV最初の「1本満足」の開脚と手の動き、「マンマン満足」の外側に足を蹴り上げる動作、「この階段のぼったら」の指さし、「銀色のビル15階が」の腕振りなど、細かく挙げればきりがないくらい、全体がきれいだと思う部分が多い。


また、草なぎさんは細身のラインが生きる、直線を感じさせる動きが極めてきれいだ。たとえば、最初の「GO!」の箇所の右腕を上げるところ。これは私が特に『弾丸ファイター』の草なぎさんがセンターになって手を上げる箇所が好きなので、最初からこのシーンが観られたのはとても嬉しかった。


また、「LOVE・PEACE・DANCE」のそれぞれの箇所、「イエーイ」とお花畑をバックに垂直にジャンプするところも細部までがしっかりとしている。


そんななかでも今回特に、印象深かったのは、「フツーに生きてりゃ」から始まる箇所だ。草なぎさんの、誰よりも高く片足を胸元に引き寄せながらも、安定して立っているところ、胸を開閉するバネ、肩をまっすぐ上げきって、肘をしっかり曲げて、首をぶんぶんと振るところ、手を前に差し出すところ、どの箇所も動きがきれいだ。


そして、最後に「名誉はいらない チョコおくれ」の立ち姿と、きりっと視線を向ける姿は本当にきれいだ。この「フツーに〜おくれ」までの箇所、草なぎさんの表情がくるくる変わるのもみどころだ。「名誉はいらない」で少しせつなそうな顔をして、またコミカルな表情になり、最後はきりっと締めているのがメリハリを生んでいる。


歌詞の細部にいたるまで、表情もシンクロさせて草なぎさんがダンスしているというのは、なかなかめずらしいようにも思った。歌詞がものすごくシンプルな単語が使われてストーリー性がわかりやすいというのもあるだろうが、本当に入り込んでダンスをしていることが伺えて、この箇所は何度も見入ってしまう。


また、草なぎさんは反動の使い方が本当の上手いと思う。後半の「マンマン満足」で左腕を上げて右腕をスライドさせながら、腰を回転させつつ体重移動するところや、「今夜は満月 余は満足じゃ」のところも、満月のまん丸をしたあと、振りかぶるところの反動など草なぎさんらしい動きは、全体を引き締める働きをしていて本当に良かったと思う。


イナバウアーのような背面そらしの動きは、さすがに今まで観たことがない斬新さで笑ってしまったが、とにかくダンス全般が楽しくて満足度が高いものだった。

お芝居的要素

このCM、90秒ってここまでできるのだと思うくらい、草なぎさんのいろんな表情が集約していて、役者草なぎ剛を随所に感じる贅沢な作りだと思った。


楽しそうに踊る姿、お気楽そうな表情、モテる本の読書中の顔、木陰で様子を伺う表情、怒られている姿、情けない落ち込み姿、受付嬢との恋愛模様、柔道でのヘタレ具合とへっぴり腰、嬉しそうな顔、甘えたような表情など、あらゆる草なぎさんの表情が観られて、充実していたと思う。


なかでも、肩と腰で情けない感じ、萎縮する感じを表現していたりするのがコミカルだった。また、全体的に目の表情の印象が強く、このCMを作ったかたたちは、草なぎさんの映像をたくさん観て、草なぎさんの多様さをこれでもかと言うくらい盛り込んでくれたんだなと思った。


そして、『1本満足バー』といえばお決まりの「バー」の口の開け方と無表情な顔つき。このCMのラスト、草なぎさんいったん正面を向いた後、バーに目を向け、また正面に向き直して、さらに目をバーに向けてきょろきょろしているが、それはお芝居なのかアドリブかはわからないが、その黒目まで演技している感じがまた面白味を増している。

映像について

私は映像のことは全くわからないが、このCM、全体的に草なぎさんのメンバーカラーである「黄色」みがとても印象に残った。意識して、差し色にしているのではないかと思うくらい、黄色を感じたのだ。こういうことが印象に残るのは実はとてもめずらしい。


よくCMでは、たとえば飲料ならボトルデザインに近いカラーが使われたりするが、このCM、確かにチョコを連想させるような赤みが部分的には使われているが、やっぱり黄色が目に入るのだ。


草なぎさんのネクタイも黄色をベースとしたものだ。また、ステージの照明も中心は黄色い照明だ。そして、衣装もダンサーの女性は黄色のカーディガンを着ているひとがいたり、ベンチに座っている女性の洋服も黄色い花柄だ。


さらに、モテる本も黄色ベースで黄色いフセンが一番目立ち、受付にあるお花も黄色がある。また、教室の黒板には星がたくさん描かれ、右側の時間割には、黄色の箇所が、「ヘルシー」「本格」「チョコ」(いったい何の授業かはさておき、「校訓」らしい)となって、商品のセールスポイントが黄色になっている。バスの時刻表も黄色だし、花束のラッピングにもリボンにも黄色が使われている。最後のうちわも黄色がやけに目立つ。


それはただの偶然かもしれないが、お花畑で喜ぶ草なぎさんの笑顔を観たときに、これは作り手が草なぎさんのことを考え抜いて作った作品だったように思えてきた。細部までが考え抜かれ、草なぎさんの良さが最大限に発揮されたCMだと思った。


そういう愛情と作品への自信があったからこそ、90秒CMはたった一度きりでもオンエアされ、公式サイトにも掲載されているのだろう。そう思わせる草なぎさんも凄いし、スタッフのかたの作り手としての誇りも感じる。作品として本当に素晴らしい。
アサヒグループ食品株式会社−1本満足バー(公式)


最後に、草なぎさんがこうして笑顔で踊り、歌うだけで多くの人が幸せになる。私は、今年もう、草なぎさんのダンスやパフォーマンスのことを書く機会はないのかもしれないと思っていたが、このCMで随分と元気をもらった。そして、このCMを書きたいと思わせてもらえて良かった。


草なぎさんのエンターティナーとしての素晴らしさが、どうか発揮され続けてほしいと願わずにはいられない。それほどのクオリティの高いCMだったと思う。90秒あれば、これだけ幸せな気分になれるのかと思うほどに、楽しませてもらったCMに感謝したい。


そして、閉塞した空気を入れ替えるかのごとく、人を笑顔にし続ける草なぎさんには、本当にありがとうと言いたい。


これはもう、草なぎさんにしかできない仕事だと思う。どうか、ずっとCMが制作され続けますように。
草なぎさんが輝きを増す、歌って踊る場がずっとありますように。


では、また。

コラボブログについて

今日は、「剛 しっかりしなさい!」のブログ運営者である、凪(なぎ)さんのコラボブログ 【SMAPとココカラ】(40)嘲笑を受けて、コラボブログ第41回として書いた。


主旨について
ブログ主旨については、下記にリンク先を掲載している。
【コラボブログ:SMAPとココカラ】(2)SMAPとファンは、もはや一つの組織の最下段、【コラボブログ:SMAPとココカラ】(4)木村拓哉さんの自己犠牲の精神の序盤で紹介している。

RADIO FISHのダンス記事まとめと、中田さんのダンス


こんにちは、検索迷子です。


RADIO FISHのダンスパフォーマンスについて、これまで3つ記事を書いた。
Twitterのタイムラインでバラバラに流れてしまうため、まとめて読みたいというお声もいただき、リンクを下記に一か所にしておく。


また、次の見出しでは中田さんのダンスについて、新たに追加で書き足した。


RADIO FISHの『ULTRA TIGER』の熱量
RADIO FISHの『ULTRA TIGER』のダンスの秀逸さ
RADIO FISHの『GOLDEN TOWER』のみどころ

中田さんのダンスは、全力度合を完コピする

おもに過去記事は、ダンサー4人のかたに注目したものだった。
でも、このパフォーマンスを真似して踊ろうと思うなら、何よりも中田さんの完コピがどれだけできるかにかかっていると思う。そこで、面白さや完成度がずいぶん変わると思っている。


なので、中田さんのダンスについて、少しだけ書き足しておきたい。
スキルマスターと呼ばれる4人は、基本的に楽曲中ずっと踊っていて、そのなかで流れるようなダンスとメリハリを見せてくれる。


対して、中田さんは待機時間が多く、瞬発力の爆発性が最大の武器になっている。ダンサーさんたちが、ずっとリズムを刻み続けている、「線」のような動きをしているなかで、中田さんの動きは「点」にこだわっていくと、美しさが際立つように思う。


たとえていうなら、パラパラ漫画のように、ワンカウントごとに全部振りを入れるような感じだろうか。静止したパーツを組み立てるように、面白い動きをワンカウントごとに当てはめて、それが楽曲に乗ると結果的に、パラパラ漫画のような仕上がりになりそうに見える。


ダンサーさんたちは、ワンカウントごとというよりも、表打ちと裏打ちのリズムを含め、どこの振り付けにも、カクカクした感じはないほど動作が連続して音に乗っているが、中田さんの動きは、むしろコマごとに区切ったほうがメリハリが出て、面白味になりそうだ。


そして、とにかく、腰をがっちり落とし、膝やひじをしっかり入れることに尽きるだろう。ダンサーさんももちろん静止動作の体重移動はきれいだが、連続した踊りがあるため静止状態から、次の動作へのなめらかな美しさのほうが引き立ってしまう。


これはお笑いのカテゴリの楽曲だと考えると、笑ってこそなんぼなんだろうと思う。


だから、ワンカウントごとに笑わせようという勢いでいったほうがいいのだろう。待機時間で蓄えていたものを爆発するかのごとく踊る、中田さんが一番、体重を入れて静止ポイントが強調されているように思う。


腰の入れ方がとても深く、膝の入り方もしっかりして、反動の効果がとても良く出ている。エネルギーがあふれている。


決めポーズの指や首の角度と留めは特に、ふにゃふにゃになっては元も子もない。ほかの箇所が踊り切れなくても、もう、それこそ一点集中でここは振り切ってやったほうがいい。中田さんが鏡の前であらゆるポージングを研究して、試行錯誤しつつ産み落とした完成形のポーズは、そのまま恥ずかしがらずに真似した方ががぜん面白い。


と、踊る予定はまるでないし、今日はリンクだけ貼ってアップするつもりが、やはりRADIO FISHのダンスが好きなのだろう、語ることは尽きない。でも、今日はあまり時間がとれないため、消化不良だがいったん打ち切る。


いまは、体育祭シーズン。
ダンスが授業にある学生さんが、ほんの少しうらやましい。


せめても、ながめて楽しみ、書いて楽しむ、そんな秋の一日。


では、また。

SMAPとゆかりのある場所に導かれる

こんにちは、検索迷子です。


しばらくSMAPの話題を書いていなかったが、テレビもラジオも可能な限り視聴している。まとめて書くことは少なくなったが、私は私なりに思いをストックしています。それで、今日はちょっとした話題を。


SMAP以外を書き始めた理由のようなものは、以前少し書いた通りだが、長期的にずっとSMAPを書きたいからこそ、いま、別なテーマにも挑戦している段階だ。


一年前から、「SMAPをブログに書いている」「書いていると楽しい」といろんなかたに言うようになった。ほかのかたに、言えるようになってから、ああ、私って書きたくて書いていて、結構楽しんでるんだなと自分でわかった。


よく、SMAPを書いていくのって、楽しそうですねと声をかけていただく。それで、言霊って本当にあるんだなと思う出来事があったため、そのいくつかを書きたい。


ひとつは、先日二年ぶりくらいに会ったかたと雑談していたら、草なぎさんがカフェでくつろぐ姿を長時間そのかたは見ていたというお話しがきけた。


ちなみにネットでよく話題に上がる場所ではなく、そのエリアにも行くんだと驚いたところだった。


そのかたは、とある結婚式場に行くために友人と外で待ち合わせをしていたところ、目の前のカフェからやけに光が射していて、なにかオーラを感じてそちらに視線を移すと、なんとそこに草なぎさんがいて、一人でお茶をしていたという。


本を読んだり、お茶をしたり、外を眺めたりしながら本当にリラックスしていたようだ。ちなみに、ガラス越しにもテーブルにいろいろ私物を積んでいたのが見えたとのことで、無防備にも見えたが、とてもくつろいでいて、でも王子様オーラがすごかったと話されていた。


そのかたはファンではなく、たまたま待ち合わせの場所の真向いに草なぎさんがいただけだったとのことだが、王子様度合にしばらく見入ってしまったとのことだった。


私にその話をしながら、いやー、これ誰にも話したことがなくて、しばらく忘れてたのに、私と話をして一気にそのシーンがよみがえったと言っていた。


こちらも思いがけず、草なぎさんのくつろぎタイムを観ていたかたのお話が聞けて、ほっこりした。ブログを書いているという話をしたことで、いいエピソードが聞けたなぁと思ったことの一つ。



もうひとつ別な話を。
ブログがきっかけで、エンタメ寄りのお仕事をもらうことも増えた。もちろん直接SMAPに近いような仕事ではないが、数か月前から時折仕事で出向いているところが、SMAPにものすごいゆかりのある場所なのだ。


直接の取引している会社ではないが、私が仕事に出向いている場所に初めていった際に、何気なくフロア一覧を観ていたら、あーーー、ここってよく話題になっているあの場所だとすぐに気づいた。


どことまでは書けないが、この偶然にはびっくりした。その場所に出向くこと自体も、ブログきっかけで、出向いた場所そのものが、ピンポイントでゆかりが深い場所だったのだ。


言霊ってあるんだと思う。
ダイレクトにSMAPにつながらなくても、SMAPにゆかりが深い何かに、そっと触れられるような場所にいけたり、聞けなかったような話を知ることができる。


今日も仕事でそこに通いながら、どこかで偶然遭遇することはあるんだろうか、と思うだけで何か楽しくなる。


ファンのかたにとっては、つらいことの多い時期かもしれない。
私も、SMAPを言葉にするだけで、感情がぐっとなることもある。


でも、応援をしていくこと、楽しい話題をすること、笑顔でSMAPの話題を誰かにすることで、確実にほかのかたと楽しいSMAP談義ができる。わずか一瞬でも、気持ちが軽くなり、救われる。


だから、私はSMAPの話をいつでも笑ってしていようと思う。私は、自分がSMAPを話すときの自然な笑顔や言葉が、結果、自分を笑顔にしてくれるような何かを返してもらっていると気づいてからは、自分ができるのはこの方向なんだと思うようになった。


言霊ってある。そして、笑顔は連鎖する。


草なぎさんがカフェでリラックスしていたように、穏やかでありたいし笑顔でありたい。


そんなに大げさな話しではないけれど、ふと書きたくなり、今日は書いた。


と、いま、オリラジ中田さんの弟さんである、FISHBOYさんのラジオ番組を聴いていたら、ヒューマンビートボクサーのREATMOさんが、スマスマ出演時のエピソード(ちょっとしたご自分のトラブル?)か何かの話をしていた。さらりと一瞬で話は終わってしまい、よく内容を把握しきれなかったが、この偶然にもびっくりした。


一見別々と思うような日常の出来事のなかに、なにかとなにかがつながる瞬間がある。思いがけない、あっという時間を連れて来てくれる。


少しでも楽しく過ごすために、笑顔になれる時間を増やそうと思う。


笑顔は笑顔を連れてくる。
楽しそうな言葉は、楽しそうな話題を連れてくる。
言霊の力を正しく使っていこうと思う。


では、また。

RADIO FISHの『GOLDEN TOWER』のみどころ

こんにちは、検索迷子です。


今日は、RADIO FISHの「ゴールデンタワー【公式ライブ】」での、ダンスパフォーマンスについて書きたい。


先日、
RADIO FISHの『ULTRA TIGER』の熱量
RADIO FISHの『ULTRA TIGER』のダンスの秀逸さ
を書いて、今回がRADIO FISH記事の第3弾となるが、1つめの記事より、2つめがさらに閲覧されていて驚いた。


一度めの反響が偶然ではなかったとわかり、それでつくづく、自分が心のなかでひっそりと楽しんでいても、それはタレントさんの応援にはならないのだなぁと思った。ちょっとした感想でも文字にして伝えないと、誰とも楽しみをシェアできないし、素晴らしさを広めることもできない。


私はファンという立場ではないが、気になるものはノートをとりながら映像を観ていて、書く前にものすごく時間を使っている。それで、今どうしても書きたいと思ったときに一気に書き上げる。対象へのリスペクトがあるからこそ、素晴らしいと思う存在は、たとえ微力でも、書いて拡散のお手伝いができればと思っている。

ゴールデンタワー【公式ライブ】で、細部に光が当たった

今日の感想は、
ゴールデンタワー【公式ライブ】 RADIOFISH GOLDEN TOWER feat.當山みれい@赤坂BLITZ
のみに限定して書く。


実は、『GOLDEN TOWER』のレビューをするかどうか、ずっと迷っていた。


というのは、Mステ出演をリアルタイムで観たときは、「あ、これは」と思ったのだが、時間とともに、何か全体が整いすぎて引っ掛かりが薄れていった感じがしたのだ。


Mステでは全体的にかっこよさを引き立てるためか、照明が暗かった印象があり、細部まで観きれなかったというのがあった。また、公式MVのほうも、スタイリッシュな作りだけど、全員が同じ画角にはいって、スキルマスター(ダンサーさん)の振りが、もっとはっきりとわかる映像が観たいという思いがあった。


公式ライブ映像を観て、やっと、待ってたのはこれだったとわかった。つまりは、全体のダンスパフォーマンスが見えていないことが残念だったんだと再確認できた。


公式ライブも欲を言えば、全員が俯瞰できず、見切れているところがある。そして、スキルマスターにもっと照明を当ててほしかった場面も多かった。それでも、これまで確認できなかった振り全体を観られたのは良かったと思う。これでがぜん、ダンスの素晴らしさが堪能できるようになって満足している。


踊ってみようとするかたも、全体のフォーメーションが見やすくなったのではないかと思う。RADIOFISHのダンスを真似するときのクオリティの差って、中田さん役のメリハリもそうだが、脇を固めるスキルマスターの細部にどれだけこだわるかで、全体のきれいさが全く変わるような気がする。中田さん役は、指先一本の美しさにこだわって全力で崇めないと、そうそう引き立たない。

本業で見せてくれるところと、真逆な側面の妙

RADIOFISHの面白さは、「芸人なのに、アーティストっぽい」「一流ダンサーなのに、全力でお笑いのネタで踊っている」という、各人が持つ真逆の要素を両面から全力でやりつつ、遊び心を感じるところにあると思っている。


今回、歌についていえば、『GOLDEN TOWER』 feat.當山みれいちゃんということで、藤森さんとみれいちゃんの歌の男女による声の対比や、みれいちゃんの歌の上手さもあり、また新しいパフォーマンスの形を見せたと思う。


今日はダンスのみの話題なので、歌そのものには触れないが、私自身、趣味でボイストレーニングをしているので、歌のことはまた別の機会に触れてみたい。


ダンスパフォーマンスに話を戻すと、真逆の要素がパフォーマンス中に両方あるほうが、がぜん、サビの全員での中田さんを崇めるダンス部分のシュールさや、面白さが引き立つ。特に、本業と異なるパフォーマンスを観たときには、こういう一面もあるのかとはっとする。


中田さんや藤森さんには、ダンスや歌が上手いと思う瞬間もあれば、やっぱりお笑いのかたなんだなと思う瞬間がバランスよく差し込まれているなと思う。


中田さんが、完璧なオーバーアクション気味のポージングを混ぜるだけで、お笑い密度はぐっと上がる。藤森さんのダンスは、スキップの軽量感があって、肩と腰が揺らぐ感じがするが、そこがかえってとても楽しそうで、楽曲中にやけにほっこりとした時間をくれたりする。


スキルマスターの4人は、中田さんの周辺に寄って、全力でコミカルな動き(中田さんがキャッチーな命名をしている、揃いのダンス)を真顔でやればやるほど、その顔面偏差値の高さが際立ち、面白いのにかっこいいという不思議さと本気度が伝わってくる。


反面、中田さんが待機時間にスキルマスターが踊るダンスは、振りの自由度がもう少し高まり、基本型は同じであっても個性が出ている。そして、彼らの表情もご神体を崇める時間から解放されたからなのか、がぜん表情が豊かになる。


前回記事で、スキルマスター4人のかたを個別に書いたことが好評だったため、以下に私が印象に残ったことを書いてみたい。

SHiNさんのダンスが引き立つ動画

この動画を観たとき、SHiNさんのカットの多さがとても印象に残った。そして、いいアングル、いい表情がとても多かったと思う。


特に、最初の「巨大な塔」の歌詞のとき、背中を向けて腕を突き上げ、反動で、ぐっと見切れるほどしゃがむシーンがあるが、後ろ姿でここまできれいなのはすごい。ぐわーっと伸びて、急降下するところまでがきれいだ。


前回も少し書いたが、SHiNさんのダンスは、高低差がでるような、膝やひじをカクンと折り曲げるような動きのインパクトが大きい。身体の各パーツが長さから、目に入ってくる面積も大きく、しばらく見る側の視点をくぎづけにする。


一連の動きの始点から終点までにいつの間にか見入ってしまい、気づかないうちに時間差が生まれている感じがして、毎回とてもはっとさせられる。


藤森さんの肩に手を置くシーンも、Mステのときからとても印象深かった。前かがみになっているのもそうだが、手を置くという動きだけで、踊りの楽しさを表現できるくらい、パーツを折り曲げたときのインパクトが強い。


なかでも、「札束に降り注ぐ」の振りの、上から長い腕が降りてくる感じ、膝の入り具合なども、なんて品があるんだろうと思った。振り自体がラフなものであっても、上品さだけがにじみでる。


イメージからすると、直線的できれいなダンスをしそうに見えるのだが、なぜか、貴公子感のままでいるより、それを少し隣のお兄さん寄りにさせた、骨っぽさが出ているときのほうが驚かされることが多い。

つとむさんの熱は人を幸せにする

つとむさんのダンスの熱は、熱すぎて笑っちゃうけど、一周してその本気の熱さに胸を打たれる。


特に好きなのは、「誰もみな彼を求め」のところだ。右腕を振りかぶって、反動をつけて上方にパンチするところ、両手で上に手を上げるところの一連の動きが、「いいぞ、もっとやれー」と言いたくなるくらい、楽しくなる。


肩が抜けるんじゃないかと思うくらい、身体を空間に放つところが、つとむさんは本当に良くて、どこまで空間を制覇できるか、もっと伸びやかに動いてほしいと思うくらい、素敵な動きだ。


「札束に降り注ぐ」のところも、SHiNさんとはまるで違う手の動き、指の上から降り注ぐぴらぴら感がもう楽しくて、ここだけで何度も観ていられる。指一本いっぽんまでコミカルさを表現できるところが圧巻だ。


藤森さんの横にいるときの、両手の指を開き気味で、手のひらを腰あたりにかざす姿勢でも指のぴらぴらが面白くて、指先の表現力はすごい。


最後の、藤森さんが「ふぅー」というときのジャンプも、ここまで踊ってまだ飛ぶ?と思うくらいジャンプをしている。最後まで全力で、観ている側も熱くなる。

show-heyさんのきゅっとした動き

この動画、show-heyさんの寄りが少ないのがとても残念だったが、そんななかでも、show-heyさんがすっと位置移動するところとか、「夢を見る」でコンパクトに立ち位置に入るところが印象的だった。


show-heyさんは柔軟性がある、柔らかさを出す動きが本当にきれいだなと思う。関節とか、身体をいかにも動かしているという感じがないまま、全体を一本の糸のように踊っている。抑揚がないということではなく、なめらかさゆえに、流れるようにずっと踊っているように見えるのだ。


「ローリングショット」という右手をぐるぐる回転させる動きのときも、全体に爽やかな風を送っているのではないくらい、涼やかで柔らかだ。


でも、そうやって全体を通して一見控えめに見えた動画だったが、実はそうではなかった。Mステのときもそうだったが、この『GOLDEN TOWER』パフォーマンス、最後に全部持って行ったのは、show-heyさんの正面を向いた表情と、手振りの色気だった。この一瞬だけは、show-heyさんが中田さんからスポットライトを奪う。


でも、これがいいスパイスになり、「ご神体を崇める」という設定のなかに、実は虎視眈々と次を狙う存在がいる、みたいなストーリー性が生まれる。本当はちょっとした遊び心によるアドリブかもしれないが、二度観たインパクトは大きく、ここはずっと続けてほしい。

FISHBOYさんの腰回りの強さ

FISHBOYさんも、つとむさんと同じ場面での風圧が強いパンチを感じたが、この動画で特に気になったのは、ターンする際の腰回りだった。


ちょっと見切れてしまう部分だが、「者だけがリアル 手に入れられない」で位置移動するときに、ターンする姿がものすごい近い距離で映しだされている。この動きの軸がとてもしっかりしていてきれいだと思った。


また、間奏でスキルマスター4人が踊る場面は、4人全員がアップで全員がとてもきれいな映像で、ここだけでも何度も見たくなるくらい編集が抜群にいい箇所だが、なかでもFISHBOYさんのターンの腰での回転を至近距離で映しているのが、抜群のアングルだと思った。


FISHBOYさんのダンスで以前から特に印象深い、この腰で回転する動き(というのだろうか)を、この臨場感がある距離で見ることができて、これまでは、足先までを含めた引きの映像しか観たことがなくてとても新鮮だった。


腰上からの映像を観たことにより、その身体のパーツの使い方の不思議さがさらに増したが、こんなに間近に寄ってもきれいなんだなぁと思った。


あと、RADIOFISHの他の楽曲にも言えるが、サビの中田さんが中心にいるダンスの真横にFISHBOYさんがいると、「ご神体のクローン」がいるような不思議な立体感と世界観が生まれて、大真面目にこの距離感のご兄弟でのパフォーマンスは、この似ているけど少し違う外観が、とても有効に働いていると思う。


少し話はそれてしまうが、中田さんご兄弟、以前から和の伝統芸、たとえば歌舞伎とかが似合いそうなくらい、顔立ちとか気品とか、静と動をコントロールするお力があると思っていて、それは顔立ちもうそうだが、和の雰囲気が映えるように思っていた。


特にFISHBOYさんは、歌舞伎のかたがテレビや映画に出ているように、ストリートダンスと、異なるジャンルを結びつける、「のり」のような役割を果たせるかたのような気がしている。この整った顔立ちと佇まいの美しさは、武器としてぜひ使っていただきたいと思う。

スキルマスター4人がそろう豪華さ

私がこの動画で特に好きなのは、スキルマスターが藤森さんの横に集まるところだ。ファッションショーかと思うほどに、藤森さんの両肩に手を置くSHiNさんとつとむさんの姿、show-heyさんとFISHBOYさんの姿は、圧巻だ。中心にいる藤森さんがデザイナーさんかと思うほど、脇を固めるメンバーが華やかだ。


そして、4人全員の表情もいい。4人とも笑うと、一気に子犬度が増すほど無邪気に笑う。なかなか4人が笑っている場面って見られないだけに、パフォーマンス中にこういう笑顔の場面があるとほっとする。


最後の間奏での4人のダンスシーンも先に書いた通り、もう、この15秒ばかりを何度でも観ていられる。4人全員が、ダンスもアングルも表情も完璧なくらいに、見ごたえがある。この部分を見るだけで、ああ、自分が踊れたらどんなにいいだろうと、ダンスの楽しさが伝わってくるのだ。


4人ともどのMVでも思うことだが、横顔が半端じゃないくらいきれいだ。だから決めポーズがとても映える。もっといえば、どのアングルでもぬかりがないほど、全方位型の撮影に耐えられるところも凄い。人に全身のパフォーマンスを見せるお仕事をされているかたって、全身への心配りがまるで違うのだと思わされる。


また、このライブ映像、セットリストでは中盤のパフォーマンスのようで、かなり汗も見られ衣装も暑そうだが、ダンスも気迫も全体のラインも全く崩れていないところに、踊ることが本業のプロを感じる。踊り続けてこそプロなんだなと胸が熱くなる。



今日もこうして記事を書きながら、ダンスに知見ゼロなのに、何かを語りたい思いにさせてくれるなんて、RADIOFISHはダンスを本当に身近なものにしてくれたなと思うし、楽しめるものを一つずつ増やしてくれて、感謝したい。素敵なパフォーマンスを、本当にありがとうございます。


毎回、これはどう表現すればいいのかと、書くのに苦戦するが、結果、書いて一番楽しいのは私のようだ。毎回かなり長文を書くが、たいてい一度も席を立たず、書き終わるまでずっと集中して書き続けている。


美しきものを見つめる時間は、自分に次なるエネルギーをくれる。


では、また。

RADIO FISHの『ULTRA TIGER』のダンスの秀逸さ

こんにちは、検索迷子です。


先日、RADIO FISHの『ULTRA TIGER』の熱量を書いたところ、RADIO FISHファンのかたに好意的に受け止めていただけて、本当にありがたい思いがした。


先に、読んでくださったかたへのお礼を書いて、次の見出し以降、RADIO FISHの『ULTRA TIGER』のダンスパフォーマンスへの感想を、前回よりももう少し具体的に書いてみようと思う。書いたことによって、もっと書きたい思いが増し、相変わらず動画を観続けている。


でも何よりも、ファンのかたたちの後押しで、今日は続きを書こうと思わせてもらえた。前回の記事が予想もしなかった反響数で、その数は私がSMAPを一年書いてきた平均的なアクセスを上回り、数万にも及んだ。特にTwitterのエンゲージメント率が高く、RADIO FISHファンのかたってこんなにいたのかという驚きと、あらためて今、とても注目が集まっている状況なのだと体感した。


ファンのかたから、RADIO FISHの素晴らしさを言葉にしたことへの感謝のお言葉、そして時に、オリラジが誤解されて報道されることへのおつらさ、こういう記事を書いてほしいというリクエストなどをいただきながら、胸が熱くなってしまった。


素晴らしいのはパフォーマンスそのものであって、私はただ、それを書いただけなのに、お優しい声をかけていただいて、ただただ恐縮してしまうばかりだった。


でもふと、この一年、SMAPのファンのかたからいただいてきたお声と、RADIO FISHのそれとはほとんど同じだと気づいた。ファンのかたって、どうしてこんなにタレントさんを第一に思っていけるのだろうと、その愛情深さ、活躍を見守り応援に徹する献身的な姿に、ファンでいることは、その人の人生の一部であり、真剣なのだと頭が下がる思いすらする。


ファンのかたは、パフォーマンスに「きゃー!」と高揚する時間だけでなく、人気者であるゆえの中傷や誤報に触れてしまうつらさも引き取って、それでもタレントさんを応援し続ける。


いいときも悪いときも、ともに歩む。タレントさんの成長を見守る気持ちと、ともに歩み続けてきた歴史を大事にしながら、でも、決して表に出ず応援に徹する。ファンって美しく、かけがえがない存在だと思う。


私のブログはあえて、短文のTwitterではできない長文を意図的に書いている。誰も長々と書きそうもないことを、長期的に読み継がれたいと思っているため、小出しにではなく、一テーマを一話完結に書ききる。


私の文章の上手い下手ではなく、光を当てたことを何よりも喜んでくださって、書き始めて良かったと思った。それと同時に、裏を返せばSNSがこれほど普及しても、深くこってりと語っているかたが少ないのだろうかとも思ったりもした。


コメントをくださるかたは、みなさん知性にあふれている。ご挨拶もとても丁寧で、的確にお気持ちを文章で表現されている。そのマナーの良さに、タレントさんの長年のファンであることの誇りや、タレントさんの気品がそのままファンのかたに反映されているような感じすらした。


そういったいろんな感謝の気持ちを抱きつつ、私にできることは、ただ一つ。
とにかく、美しき存在の美しさを、リスペクトを込めて書くことだけだ。


私は批評家ではないため、このブログでタレントさんを書く原動力は、リスペクトに尽きる。美しさの源泉を知りたいから書き残す、ただそれだけだ。そして、それがタレントさんご本人や、ファンのかたに喜んでもらえるなら、自分が一番得意だと思うスキルを使い、文章を書いて良かったと思えて、幸せな気持ちになる。


そういえばSMAPファンのかたが、私のブログの内容を引用して、「こうやって、ほめてる人がいますよ」と、SMAPのラジオ番組に投稿してくださっていると時折教えていただく。ご本人に届いているかは不明だが、そうやって推薦していただける内容を書いてきて良かったとほっとする。とにかく、一つずつ、書けることを積み重ねていこうと思える。


という長い前置きを、RADIO FISHを書き始めた私って、いったい何者?という疑問をお持ちのかたに、怪しいものではありませんよ、結構真剣に書いているんですよというご挨拶代わりにさせていただいた。


では、本題に行こうと思う。

RADIO FISHのダンスを言葉にするジレンマ

前回の記事では、スキルマスターに言及したことに対して、お礼のコメントをたくさんいただいた。RADIO FISHって、ダンスパフォーマンスに魅力があり、美しき姿を繰り出すスキルマスター(RADIO FISHでダンサーを表す中田さんの用語。以下、スキルマスターと書く)の4人に注目しているファンのかたたちが多く、なのに、世の中にスキルマスターを個別に注目した記事が少ないのだとわかった。


前回、スキルマスターをもっと深く掘り下げたいと思いつつ、書き足りない思いで消化不良だった。素人が語っていいものかとぎりぎりのところで書いていた。


何よりも、『ULTRA TIGER』に限らず、RADIO FISHの今を応援するのに必要なのは、ダンスパフォーマンスにコメントするより、「やってみた」動画をアップすることなのかと思ったりするためらいが大きかった。


中田さんがよく言う「バズる」というブレイク状況、お笑いとしての楽しさを受け取っていますよというサインに大切なのはレビューではないのだろうと思っている。「なんだか楽しい!」の思いを全開に、ダンスを真似して、純粋にただ盛り上がっていくほうが、お役に立てるのかなと本当は思っている。だから、言葉にするナンセンスさはわかっている。


踊れるなら踊りたい。でも、とても踊れそうにはないので、素敵なポイントを列挙してみたい。ダンスを表現する用語は全くわからないし、個人的な好みも大きいが、こうやって受け止めましたよと書き残したい。


私はジャンルは違うが、幼少期に10年くらい、踊りの名取を目指して舞台に立っていた。当時は、自分の身体を使って表現するために上手な人を見ていたが、いまは「できそうにないけれど、真似をするならこのポイントで」と心を奪われたところを書いてみようと思う。

パフォーマーの個性の四季のような違いが、ダンスを多層化する

オリラジのお2人だけに注目していた時期よりも、スキルマスター4人に注目しだしてから、がぜん、『ULTRA TIGER』動画を観るのが楽しくなってきた。映像に奥行きが生まれている全体像もそうだが、4人のダンススタイルの違いなど、マクロ的に観ても、ミクロを追いかけても面白い。


スキルマスターの4人だけのことを先に書くと、私はずっとこの4人の、RADIO FISH以外の活動のダンス動画を観ていた。でも、残念ながらそこでは、漠然とかっこいいとキレがいいというくらいしか理解ができなかった。それでも、わからないなりに観るのが楽しくて、ただひたすら観ていた。


感想を言葉にしたく観ていたが、きれいなのはわかっても、歌詞のないダンスミュージックでの表現方法や、身体のどのパーツがどうだったら凄いのかとか、大会でのジャッジルールとか、観客が歓声をあげているとき何を凄いと思っているのかとか、頭の中が???だらけで、言葉にできないもどかしさがずっとあった。


あいまいな思い、抽象的なもの、ふわっとした感想にこそ、具体的な単語を与えていかないと美しさが伝わらないから、言葉が生まれてくるまでしつこく観続けようと思った。それほどに、この4人の美しさは書きたかった。


でも、4人のダンスジャンルの違いに専門的に踏み込んでコメントするのは、今時点では到底無理なので、『ULTRA TIGER』に焦点を絞ることにした。それも、やっていいことなのかわからないが、こっちと比べて誰の動きが好きか、どの動きが際立っているのかという見方をしてみることにした(あくまでもダンスで)。ただし、比較して良し悪しを書くのではなく、好きな動きをしているかたのみを表現していく。


一番最初に、自分なりにしっくりきたのは、「スキルマスター4人は、四季の違いくらい、ダンスが違う」という発見だった。この違いが、パフォーマンス全体のバランスを整えてくれているように思う。順にお一人ずつ説明していく。

SHiNさんの、爽やかさと気品

まず、SHiNさんのイメージは春。
正統派の王子様のようなルックスのSHiNさんには、いい意味での青さと、フレッシュさ、まだ開かれていないドアへの未知数を感じる。爽やかさや清潔感がダンスをきれいに見せ、特に長身や手足の長さによって、高低差と時間差の効果を生み、集団のパフォーマンスで奥行きがでる役割を持っている。


腰をかがめる姿だけでも、王子様がひざまずいているような特別感がある。関節の動きの骨っぽさや、身体の各パーツの長さが印象に残り、カジュアルな動きでも、品の良さが勝る。そして、普段の柔らかい顔つきや控えめさからは想像できないほど、ダンス中の表情は、普段はこれを体内に隠していたのかと思うような、熱を見せる。時折はっとするような熱さを、瞬時に放つ。


立ち姿の全身のシルエットのきれいさ、指先のきれいさから爽やかな春のイメージだが、ただ爽やかなだけでなく、夏に向かっていく生命力を感じるかのようなダンスをする。


前回、『ENGEIグランドスラム』で中田さんの衣裳のことを触れたが、実は最初に衣装に異変があったのはSHiNさんだったのだと後から気づいた。早い段階で、ターンのときに肩ひもが切れたか肩がすっぽ抜けしたのかで、腰にひもが落ちている。爽やかそうでいて、実はものすごい勢いで踊っているのが、ここからもわかる。


SHiNさんはどこのパートでも、お一人に注目して観続けると、うわ、こんなに熱く踊っているのかとびっくりする。そして、その熱さに気づくとなぜか嬉しくなる。

つとむさんの、伸びやかさとコミカルさ

次に、つとむさんは夏。
SHiNさんと同じく長身でありながらも、まるで長身の生かし方が違うのが面白い。SHiNさんが長い手足を静止するような動きのとき、つとむさんは、その長い手足を外に向かって放つような、伸び伸びと身体を拡張するような動きを見せる。


空間が広ければ広いほど、全部を有効に使って踊っているような気がして、どこまで自分のエネルギーを広められるか、挑んでいるかのようなダンスには勢いがある。やんちゃで自由奔放な身体の使い方に見えて、実は細部がしっかりしているので、大振りでも雑でもなく、むしろ繊細さすら感じる。


特につとむさんの指先の開き具合は、心も身体も、全て開ききっているような自由さや、太陽のようなほがらかさを表現しているようで、印象深い。指先はそろっているほうが目につきやすいと思っていたが、これだけ思いっきり指先まで開きつつ、きれいなシルエットを作ってバランスを保っているところに、ご自身の個性が際立つ見せ方を知っているかたなのだと驚く。


個人的にとても好きなのは、「一刀両断」という歌詞のときのコミカルな動きだ。つとむさんはコミカルな動きをかっこよく魅せられるセンスが良くて、間違ってもダサくならない。なのに、やっぱり笑ってしまう。明るいパフォーマンスは観ている側を元気にしてくれる。


そういえば、SMAPの「JOY」のサラリーマン役、本当につとむさんが適任だったと、いまだから余計に思う。新曲披露時にもものすごいインパクトがあったが、つとむさんのダンスをたくさん見て余計に、あのパフォーマンス、あの笑ってしまう度合は、つとむさんにしか表現できなかったのではないかと思う。何度でも繰り返して観たいくらい、いいパフォーマンスだった。

show-heyさんの優雅さと冷静さ

次に、show-heyさんは秋。
show-heyさんのしなやかさや色気は、ダンスパフォーマンス全体の熱を柔らかなものに中和する。静謐さを感じるような、木の葉が舞うような動きがとても印象深い。靴をはいているのに、まるで地下足袋をはいているかのごとく、足音を感じさせないすり足のようななめらかさや、滑るような体重移動をしているように見える。


show-heyさんはよく歌詞を口ずさみながらパフォーマンスをしているが、歌のストーリーのなかに生きているかのような溶け込み方をして、流れるように踊る。きゅっと首を内側にいれてターンする姿や、位置移動をしてポジションにつく姿にも、動きに極端な強度を加えず、むしろ全体を通してずっとフラットな力の入れ加減で、どこを切り取っても柔らかさを感じる。


熱がこもるような歌詞のときでさえも、熱さの内側にある切なさとかを冷静に見つめているような、深みのあるパフォーマンスをする。show-heyさんのダンスの柔軟さの加減は、RADIO FISHの力強いプッシュ型のパフォーマンスの熱さを少し冷却してくれて、なにか穏やかな気持ちになる効果を生んでいる。


かといって、show-heyさんに熱がないということではなく、思いの表現の仕方、総合演出面でのバランスのとり方、楽曲のなかでのダンスが効果的に魅せられるポイントを見極め抑揚をつける、そんな冷静さを感じる。

FISHBOYさんの風圧をコントロールする力と強靭なバネ

最後に、FISHBOYさんは冬。それも極寒の真冬。
FISHBOYさんは、首から肩、特に肩甲骨、二の腕から繰り出す、空気の圧力を変えてしまうような、力強さを感じる動きがとても印象的だ。体幹が鍛えられているのが素人でもわかるくらい、体の軸とバネの強靭さを感じる。


FISHBOYさんの凄さは、目には見えないはずの空気を、まるで目に見えるようなものにしてしまうかのごとく、そこにある何かを弾き飛ばすような動きをすることだ。不思議なのだが、空気すらリアルな壁があるように見えてしまうかのように、撃ち抜く。そういうパンチ、手の動きをする。乗り越えられないものがあればあるほど、撃ち抜くのだという闘志すら感じる。


この動きを観ていると、厳しい状況を打破する開拓者のようで、この力強さの表現力に目を見張る。ただ力強いのではなく、撃ち抜く何かを想像させられる、バリアを解除するかのような空間コントロール力がある。


でも、ただ力強いだけではなく、FISHBOYさんの腕とか手首は、たとえばこぶしをあげるときは、心持ち内側に手のひらが入ってパフォーマンスされているが、この「内側に向き気味のこぶし」が、他者に向けた熱さだけでなく、自分の内面の熱を確かめるような、自分に向けた決意表明のようにも、芯の強さにも見えて、とてもいい。そして、何か人間としての体温や温かみを感じるのも、この腕の動きにある。


私は、過去オリラジとFISHBOYさんがパフォーマンスをした、DA PUMPの『ごきげんだぜっ!』を観て以来、
FISHBOYさんのダンスの美しさがずっと気になっていた。今でもずっとスマホのブラウザに表示しているくらい、繰り返しこの動画を観ているが、何度も見ても飽きず、それどころか観るたびにパフォーマンスに感心してしまう。


まだ、中田さんがダンスを本格的にやっていなかったこともあり、中田さんが必死に踊りつつも、部分的にふらつく場面があり、対してFISHBOYさんのまったく軸がぶれない姿に、一体何が違ってこんなにきれいなんだろうと、ずーっと見続けていた。ダンスのことはわからないけれど、この美しさが何なのかを知りたいと思った原点はここにある。

左右対称であっても、非対称な美しさ

スキルマスターの素晴らしさで忘れてはならないのが、メンバー間の横並びの相乗効果がある。比べるというよりは、違いを見るのが楽しい。あまりに見どころが多いのでチョイスに迷うが、いくつか挙げてみたい。


たとえば、SHiNさんとつとむさん。同じくらいの長身で、立ち姿の美しさで華やかさを添えるお二人。でも、何も似ていない。そこがいい。私が特にこのお二人の違いで好きなところは、『ULTRA TIGER』の公式動画でのオープニングで、中田さんが椅子から立ち上がる直前の「へつらって生きたらFAKE」あたりのアップのところだ。特に、指先の違いに個性が出ていて、そのきれいさは何度でも観ていられる。


それから、『ENGEIグランドスラム』の最後の決めポーズ。ここでも、お二人が左右対称の高さでシルエットが美しくありながら、指先の違いがものすごくいい。


そして、show-heyさんとFISHBOYさん。お二人は接近して踊ると、風量と温度を中和しあっているのではないかと思うくらい、温かいものとクールなものをシャッフルしているように見える。パンチの強度の違いも、ターンの回転具合と静止状態への入り方も、何もかもがオリジナルだが、どちらも感動レベルの美しさを表現している。


これほどまでに違う個性の4人が集まり、パフォーマンスしているのを見て、総合的にクオリティの高さを出しているのは凄いとしか言いようがない。

オリラジお2人のパフォーマンス

分量が増えすぎて、スキルマスターだけに留めようと思ったが、やっぱりオリラジお2人についても最後に言及しておきたい。お2人は四季とは別個に、旬をコントロールするスキル、面白味と平準化ができる力があると思っている。


藤森さんは、RADIO FISHのなかで一番、一般受けしやすいものに、楽曲やパフォーマンスを平準化する役割を果たしていると思う。一歩間違えれば、芸人さんのユニットとして、お笑いにもアーティスティックにもならないかもしれなかった楽曲を、藤森さんの真摯に歌う姿や、きれいな歌声は、大衆受けされるラインにこの曲を乗せることに成功させたと思う。


スキルマスターが一流なだけに、歌も一流でなければ、気迫に負けてぐだついたものになってしまったかもしれない。藤森さんの歌が全体を引き上げ、パフォーマンスがさらに華を添えて、いい効果を生んだようにも思う。


藤森さんは歌うことに徹し、ダンスパフォーマンス面では目立つことを一切していない。真面目と言われることを嫌うかたかもしれないが、昔から、藤森さんは真剣に歌と向き合っていて、チャラ男設定ではないときには、歌っている際にオーバーアクションをしないと思っていた。特に、RADIO FISHでの歌では、立つスタンスのしっかりとって、本気で歌っている姿がかっこいいと思う。


中田さんのパフォーマンスについて書くのは、どう面白いか書くことで、なんだか一番ナンセンスにも思うが、あえて一つ。先日、中田さんがTwitterで各振り付けを、下記のようにつぶやかれているのを拝見した。
「#ウルトラタイガー の振付は腕を斜めに切り拓いていく「グレイトスラッシュ」と腕を組んでゆっくり回る「サイレントサイクロン」、そして全員のフォーメーションで虎を表現した「ジャングルイズヒアー」がポイントです。」


それで思ったのは、これらのパートで一番パフォーマンスが凄いのは、スキルマスター以上に中田さんだということだ。ダンスの上手い下手ではなく、中田さんが輝くようにこれらはできている。中田さんが一番神々しくみるよう、計算し尽された動き、指や首の角度、腰の落とし方、股割りの深さ、間合いがもう凄すぎる。


なかでも一番びっくりしたのが、腕を斜めに切り拓いていく「グレイトスラッシュ」の風圧だ。これは、スキルマスターが躍っているときは、目の前の交差はまずしなやかに行い、左右に切り拓ききった最大のところでピシッと止める動きだと思っていた。わかりやすく言うなら、→(矢印)のような方向で、先端のみに力を込めるようなものかと。


でも、中田さんは違う。交差のときから、ものすごい風圧で切り拓き始めて、始点と終点の両方にピークを持ってきているように見える。⇔(両矢印)のような力の入れ具合とでもいうのだろうか。


スキルマスターや藤森さんがずっとパフォーマンスをし続けているなか、待機をする中田さんは、ここに爆発的な熱を込めてパフォーマンスをしている。瞬間風速を全力で使い切るかのごとく、いまこの時を切り拓く。この全力さ加減に、もはや理屈なんてない。


どれだけ言葉を尽くしても、この瞬発力の勢い、込められた熱量は伝えきれない。動画やテレビを通して、自分の目で確かめること以上に、感動は伝えることなんてできないと思う。


だけど、素晴らしいパフォーマンスに感動して、それを言葉にしたいと思う人間が一人くらいいたっていいと開き直り、ここまで書ききった。


長くなったが、ここまで読んでくださったかたに感謝したい。


そして、何よりも美しきパフォーマーであるRADIO FISHのみなさんに、書きたいと思わせてくれて、心を震わせてくれて、ありがとうと言いたい。


前回も最後に書いたが、私はファンという立ち位置ではない。それは、本気のファンのかたにリスペクトを込めているから、自分はファンとは名乗れないと思っている。私はただ、お茶の間で観られるものだけを、観られるタイミングで観ているだけにすぎない。


目から星がでてしまうほど瞳孔が開き、素敵☆と思うと冷静に書けないので、この距離感くらいがちょうどいいのかなとも思う。それは、RADIO FISHもそうだし、SMAPを一年で100記事以上書いてきた今も同じスタンスでいる。


実際にもしお会いできることがあったら、どれくらい心揺さぶられるかまでは、さすがにわからないが、目から星が出ているかたたちのお気持ちを、一つでも文字化できる人間であり続けたいと思う。誤解や不勉強な点があれば、どうぞご指摘いただければと思う。


では、また。

RADIO FISHの『ULTRA TIGER』の熱量

こんにちは、検索迷子です。


今日は、RADIO FISH(レディオフィッシュ)の『ULTRA TIGER(ウルトラタイガー)』のレビューをしたいと思う。


そのまえに、この一年、SMAPファンで検索迷子を読んでくださっているかたに、お礼と説明をしておきたい。今日はかなり長文になるので、全体の流れをあらかじめ書いておくが、次からの2つの見出しでは、オリエンタルラジオの話題に触れ、最後の見出しでRADIO FISHに触れる。適宜スクロールし、お時間に合わせてお読みいただければと思う。


私はこのブログを2009年に開設し、目的もなしにただ雑感を中心に書いていたが、たまたま2015年9月に草なぎさんの記事を書いたことで、SMAPファンのかたたちに温かい声をたくさんかけていただいてきた。


SMAPファンではないけれどSMAPを大真面目に書く一人として、記事を書くごとにTwitterで声をかけていただくなかで、しだいにSMAPファンのかたに信頼されたいと思うようになった。だから、少なくとも一年は、SMAPを書き続けられる自分なのか、自分に問いかけるようにこの一年を積み重ねてきた。


たった一度きりのエンタメ話題と思って書いた記事がきっかけで、感動した、泣ける、共感できる、もっと書いてという声に励まされ続け、ほぼ一年、SMAPの話題だけをブログに書いて、その数は100記事を超えた。そのいきさつは、(37)草なぎ剛さんは空気を浄化するでも触れている。


SMAP記事のほとんどは、ファンのかたたちの好意的なお気持ちで、平均して数万単位のアクセスをされ、なかには10万アクセスを超える記事もいくつかある。


記事を書くたびの反響に、自分はまだ書けるのかという問いもあったが、一年書けたことで、はっきりとわかったことがある。それは、たぶんずっとSMAPの話題は枯渇しないということだ。


そんななかで、いつか、ここで書いてきたものを個人ブログのレベルではなく、きちんと形に残していきたいと思うようになってきた。そのためには、趣味で書いていく限界も感じて、次なるステップに踏み出したいと思うようになった。これを機に、ふんわりと書いていた自分のブログのプロフィールも書き換えた。


書くことを自分自身でとらえ直すために、少し違った話題にも触れて、SMAPの話題と並行してみようと思っている。


実は、今日書こうと思っているRADIO FISHの話題は、2016年1月から、ずっと書きたい話題の一つだった。でも、1月のSMAPの報道以降、SMAP以外の話題を書くことに自分のなかでブレーキがかかった。ブログでSMAPを中心に書こうと思う気持ちは、報道がなければ逆にわかなかったかもしれない。この状況を静観する一人として、軸足をぶらさずにいよう、しばらくSMAPだけを書こうと年初に思った記憶がある。


今日はRADIO FISHとSMAPのことを比較するつもりはないが、明るいニュースがほとんどなかった2016年のSMAPと、勢いづくRADIO FISHは、同じ2016年とは思えないくらい、特別な一年の意味が違いすぎた。


エンターテインメントって何のためにあるのか、観客として何を受け取ればいいのか、ファンって何だろうと思わされるような、その二組の違いを一つずつあげたり、活字にするにはつらい作業になりそうな気がして、中途半端にSMAP以外の話題はかけそうになかった。


でも間違いなく、2016年に自分を大笑いさせてくれたのは、RADIO FISHのパフォーマンスだった。だから、今日はあえて、一度本気で記事を書こうと思った。


SMAPのファンのかたが応援してくださったから、私はここで文章を書き続けられ、この一年で書くことを通して、生きる意味が変わってきた。だからどうぞ、次なるテーマで書くことを見守っていただければと思う。


私はこれからもSMAPの美しさを記録し続けたいからこそ、SMAPほど長く観てきたわけではないタレントさんのことを、SMAPの話題と同じように共感していただけるほどの、書ける力が本当にあるのか挑戦してみたいのだ。


前置きが長くなったが、本題に入ろうと思う。

オリエンタルラジオへの興味から始まった

2015年12月、『爆笑問題の検索ちゃん 芸人ちゃんネタ祭りスペシャル!』で、RADIO FISHの『PERFECT HUMAN』を観て以来、衝撃を受けて、ずっとオリエンタルラジオの話題を書きたいと思っていた。


オリラジに注目したのは、もっと先にさかのぼる。私はほとんどテレビを観ないのだが、あるとき、ネット記事で「オリラジ再ブレイク」というのを観たとき、軽く衝撃を受けたのだ。


それは、オリラジが武勇伝で華々しくデビューして以来(その当時は、まだテレビをよく観ていた)、ずっとオリラジは第一線で、レギュラー番組を多数持ち、活躍し続けてベテランの域までいく芸人さんだと思って疑わなかったからだ。


テレビを観ないから、ご本人たちが語る、低迷していた時期があったことすら知らなかった。もっと言えば、再ブレイクと言われたインテリ芸人、チャラ男ブームすら知らなかった。


オリラジには、デビュー当時から勝手に親近感を持っていた。私は働きながら、中田さんとは同じ大学と学部を卒業し、藤森さんの大学では社会人向け経営学講座や、図書館司書資格を取っている。彼らが在学前後のほぼ同じ時期、同じ校舎に通っていた。


ただそれだけなのだが、デビュー当時からオリラジには好感を持っていた。それが、ずっと明るい道だけを歩み続けると思っていたオリラジに、いったいこの数年で何が起きていたのかと驚いてしまい、この一年くらいの間、後追いでいろんなことを理解していった。


と、オリラジ話題で、漠然とブログを書きたいと思い始めていたところ、4月に熊本地震が起きた。このとき、オリラジのお二人がMCを務める『らじらー サンデー』を初めて視聴しながら、なんといきなり思い立って、ネットフォームから人生初のラジオへの投稿をしたのだ。


事前に知っていた番組内容では、自分の興味関心とはジャンルが異なり、投稿の敷居が高そうだったが、その日は、地震直後ということもあり普段と番組内容を変更していた。地震直後の不安感もあり、何か投稿をしたいと衝動的に思って、さらりと書いて送信ボタンを押した。


投稿をして、わずか数分。私のラジオネームに続いて、投稿が読まれた。これは本当にびっくりした。不思議なもので、送ったわりには読まれると思っていなかったのだ。ただ、書いて伝えたい気持ちだけだった。


淡々としたトーンで書いた文章が、藤森さんの抑揚のある声でいきいきと読まれ、中田さんがコメントをしてくれている不思議さ。あまりにも現実味がなく、投稿でも触れた読書中の本『リアル芸人交換日記 (ヨシモトブックス)(2011/12/28発売)』を落としたくらいだ。


この投稿を読んだ中田さんと藤森さんは、「俺らのこと、すごいほめてくれてる」「うれしいね。本を読んだ人、初めて聞いたよ」といったコメントをしてくれて、思いがけず交換日記を書いた当時のエピソードも聞けた。


ラジオを聴きながら、えー、ほめ言葉だったらいくらでもあるよ、と言いたい気持ちになり、また機会を改めて投稿しようかと思った。でも、この「なんとなく投稿」をして読んでもらえたことが結果的に、オリラジをもう少しきちんと理解して、きちんとレビューをしたいという気持ちになった。


芸人さんって、なかなか芸能界でリスペクトされにくい存在で、ほめ言葉すらSNSでは雑な言い回しがされる。ブログで書くにも、結構勇気がいるくらい、叩かれても平気なメンタルの強さがないと書き出せないかなと思ったりもする。


私はオリラジの良さを、丁寧にすくい上げて、きれいな言葉で書きたかった。だからこそ、一瞬観た場面を、そのときの感想だけで書くのはやめようと思った。彼らの言動や行動にある背景をもう少し理解できたとき、私はオリラジのことを書こうと思ったのだ。

夢を語り、夢では終わらせないと伝え、実現させる

オリラジのことをもう少し知ってみたいという思いを強くしたのは、2014年秋に、神保町花月で中田さんが行った、中長期計画(タイトルはうろ覚えです)のプレゼンを観たことも大きかった。もちろん、実際のライブは観ておらず、たまたま某所で見かけたのだが、この企業の役員ばりの中長期プランを熱弁する中田さんに本当に驚いた。


サラリーマン経験がない中田さんが、質のいいプレゼン資料を作り、体系立てた説明と具体的な計画を話す姿に、この人が話していることは本当に実現するのではないかと思わされた。多くの企業の中長期計画が発表時点では高すぎたり、雲をつかむような非現実感があって、結果的に目標未達や、環境や方向転換で終わりがちなのとは違い、ただの気合いだけでなく、細部まで考え抜かれていると思ったのだ。


中田さんの描く未来は、準備のプロセスまで想像ができて、その時点で実現可能に見えた。それが、赤坂BLITZでのライブ計画だ。この日のライブの入場者は100名足らずで、集客減に手を焼いている時期だったようだが、その100名に対して1300名の会場に連れていくと宣言する、その勇気。これは、叶わない夢ではなく、叶えようとしている夢なんだと、震えがくるような高揚感。


先日のオリラジワンマンライブに行かれたかたは、夢の実現の場に立ちあえて、ファン名利に尽きる本当に幸せな時間だっただろう。こういうファンをかけがえのない存在として、オリラジも大切に思っているだろうし、ファンとの絆とか信頼関係って強固なものがあると思わされた。


大きな希望を持ちにくいこの世の中で、夢を語るだけでも壮大なのに、夢って叶うんだと、その姿を見させてくれるオリラジって本当に凄いと思うし、周囲を巻き込むためにどれほど骨を折っているのかと思う。本気で考え抜き、本気で行動しようとする人に、人は協力を惜しまないのだと、当たり前だけどなかなかできないことに気づかされる。


一見、熱意で押し切るようにも見えがちだが、熱意のベースには緻密さがあり、描くゴールのイメージが明快だからこそ魂がこもり、最後には本物の成果が宿るのだと思う。

RADIO FISHの『ULTRA TIGER』の熱量

RADIO FISHの『ULTRA TIGER』のパフォーマンスだけを書こうとブログを書き始めたが、やはり、ここに行きつくまでの説明が長くなった。


私にとって、このパフォーマンスは一瞬の面白さで描き切れるものではなく、オリラジが歩いてきた道の延長線にあったのだと、書きながら自分でも前段の長さに驚いた。が、今日は、そこをカットせずに全部残しておこうと思う。ずっと書きたかったのだし、基本は誰かのためというよりは、自分が記録したくて書いているのだから。


さて、やっとRADIO FISHの『ULTRA TIGER』の感想を書くが、これは9月17日の『ENGEIグランドスラム』で観ようと出番を待っている間に、公式動画がアップされていることに気づき、それで観たのが先だった。そのあとに番組を視聴した。
ウルトラタイガー【公式ライブ映像】 ULTRA TIGER @赤坂BLITZ


この記事を書いている時点では、287万回の再生だが、私が最初に観たときは、まだ1万回にも満たない時間だったように記憶している。それからどれだけ繰り返して観たか。


私は、かっこいいとか、面白かったというシンプルな感想ではなく、毎回、何がどう良かったのかと考えるようにしていて、できるだけ言葉で表現しようと思っているので、それを可能な限り書きたい。なお、音楽的なことは触れず、ダンスパフォーマンスを中心の感想を書く。たぶん、動画を楽しみたいかたの参考にはそれほどならないだろうが、ダンスの素晴らしさを、どれほどつたない言葉であっても、自分なりに書き留めて記録していきたいと思っている。


まずは、ライブ映像だからこその、ステージの広さや観客との一体感も良かったし、たった一日のワンマンライブを観られたお得感もあった。でも、何が一番印象に残ったかというと、RADIO FISHは6人が作り上げた世界観だということだった。


このブログの中盤でも書いたが、私の興味の最初はオリラジ2人で、検索ちゃんを観た段階では、オリラジとダンサー4人という認識だった。でも、このライブでは6人が6様の動きを見せていて、自分たちの創り上げた曲を、誇らしげにパフォーマンスしているように見えた。


一曲まるごと個人アングルで観たい、さらに、いろんな組み合わせで観たいと思わされるほどのパフォーマンスの素晴らしさだった。動画を観る時も、次は誰に注目してと見続けるときりがないくらい楽しめる。


RADIO FISHは、中田さんを「ご神体」、藤森さんを「シャーマン:祈りを捧げる人」、ダンサーを「スキルマスター」と呼んでいるが、このスキルマスターの4人のかたががぜん、検索ちゃん時代よりも良くなっている。もともと一流のダンサーのかたたちのことを、良くなっているというのは上から目線な書き方だが、ダンスはもともとうまいので、そのスキルがということではない。


RADIO FISHへのコミット具合なのか、オリラジとの距離感が近づいたからなのか、出ているオーラが格段にあがっていて、4人の本来のパフォーマーとしての底力がぐんと輝いているように見えた。


それぞれの目力も強くなり、これは自分たちの曲なのだという熱さが伝わるかのように、決してバックダンサーとしてではなく、自分たちも、この「ご神体を崇める一人なのだ」という役割の全う感が強くなっていると思った。ダンスの伸びやかさ、美しさが際立ち、でも「ご神体」「シャーマン」をしっかりと立てつつ、ダンスのきれいさが全面に出ている感じもした。


中田さんの希望で、FISHBOYさんが「イケメン」を条件に集めたダンサーさんは、確かに「イケメンがご神体を崇め、全体的にかっこよすぎて笑える」という設定なのは、『PERFECT HUMAN』からずっとそうだが、その崇め方の熱の入り具合が増したことによって、さらにかっこよさの威力が増して、さらに楽曲全体の熱量が上がっているように見える。熱量のすごさに、とにかくノックアウトされそうな気になる。


私はダンスに何の知見もないが、もともと、オリラジのお2人は武勇伝のころから、指先の動きや角度、しぐさまで計算しつくされ、動きのキレがよく、特に大きな動きと「止め」が見事で、本当に練習を積み重ねてきたかたたちだなと思っていた。


いつ同じパフォーマンスをしても、角度もほとんどぶれていないと思うほどに身体に染み込ませるほどの練習跡がうかがえる。完成を極めるまで、細部に渡り試行錯誤を繰り返す姿勢は、『芸人前夜』の著書や公式映像などでも伺い知ることができる。


RADIO FISHを始めてからも、ダンスや歌に磨きがかかり、藤森さんのハイトーンボイスにはつやも出ているし、中田さんのパフォーマンスの面白味も増している。藤森さんの歌については、これだけうまく歌っているのに、ボーカルとして主役ではなく脇役に徹しているところが、もはや、ほかのアーティストグループとは異なり、それすら面白く思えてくる。


何度も動画を観るにつれてダンスにとにかく圧倒され、ダンスのプロって何が凄いんだろうと、ずっと注目しながら観ていた。答えらしきものはなかなか言葉にしにくいが、スキルマスターのかたたちの凄さは、ダンスのしなやかさや力強さもそうなのだが、観ていてはっとしたのは、静止状態の軸のブレなさにあると思った。


ターンしたあと、ピタッと止まる。まったくふらつかず、見事に止まる。あ、このままターンしたらふらつくかと思いきや、ピタッと止まる。計算されつくした体重移動にびっくりするほど、きれいに止まる。


きれいに止まっているから、次の動きが映える。特に、「さあ皆 敬服せよ」から「かちどきが聞こえる」までの、静止から右足でリズムを刻むところがとても効果的で、好きな場面だ。静と動のメリハリがしっかり伝わる。


そして、次のフォーメーションにさくっと入る。動きと動きの間の軸のぶれない感じ、次の動きまでをも計算した無駄のない体のパーツ運び、位置移動すら優雅で、安定感がある。立ち位置がまるでズレないところとか、どの角度から映しても完璧なきれいさであることに驚く。


全員で同じ振り付けをするところの見事さは圧巻で、それは単にそろっているからというだけでなく、ダンスをしながら全体のバランスを目測できる、経験値の高さや距離感のとりかたなど、センスの良さを随所に感じる。衝突しそうな距離だと見ていても、ものすごいぴったりと寄り添い、でも重なりすぎず遠すぎず、同じ距離感で中心に寄っているところなど、何度見ても凄いと思う。


さらに、ダンサーさんを一人ひとりアップで映しても、なんて絵がきれいなんだろうと思う。これはイケメンだからということだけではなく、パフォーマーとして舞台慣れしているかたたちならではの、迫力がみなぎっている感じなのだ。


そして、さすがだと思うのが、ただ踊っているだけでなく、観客をしっかり「見ていて」反応を確認する冷静さも感じるし、一緒に場を盛り上げつつ、ご自身も楽しむゆとりを持って踊っているところが、なおのこと観ているこちらを幸せな気分にしてくれる。楽曲を消化するためのダンスでも、苦行でもなく、踊ることが好きでこのお仕事をしているというのが伝わる、本物のプロであるカッコよさを感じる。


『ENGEIグランドスラム』で、ダンサー4人のかたが個別アングルとなるところがあったが、1人ひとりの個性をとらえた、なかなかいいアングルだったなと思っている。ここまで4人を個別にしっかり映してくれたのは観たことがなかったので、これからもこういう場面をもっと観たいと思った。


RADIO FISHではない、個別の活動のダンス動画を観る機会が増えて、ああ、一人でもこんなに凄い人が、4人も踊ってるなんて奇跡みたいなことだなと思ったりする。FISHBOYさん、show-heyさん、つとむさん、SHiNさんの4人がテレビで全員お話しする場面は今まで観たことはないが、ダンサーさんたちに希望を与えたり、将来ダンサーになりたいと思うお子さんもいるのではないかと思うほど、彼らのパフォーマンスには力がある。


クラブにいくようなかたしか観られなかったハイレベルなダンスを、テレビや公式動画で観せてもらうようになり、ダンスに関心のなかった層までも夢中にさせるなんて、スキルマスターの功績って実はとても大きいのかもしれないと思ったりする。


と、なかなかポイントがとらえにくい説明になったが、ダンスの素晴らしさを書き慣れていないので、今日は乱雑に書き散らして、これからもう少しうまくなれるように回を重ねてみたいと思う。



最後に、どんなプロジェクトでも、最初の一歩を踏み出す人が一番熱量があるのだということがわかった場面を。


中田さんが、『ENGEIグランドスラム』の途中で、右腕の腕章がずれて手首まで下がりつつ踊り、背中を向ける待機ポーズに入る段階で外していたように見えた。また、最後に右肩のボタンが飛び、番組公式動画(演目後に撮影)では肩の飾りが跳ね上がっていたのを観て、同じ衣装でほかの人のは何も変化がないのを見ると、ダンスの長さやハードさに関わらず、どれだけのエネルギーで踊っているのだろうと思った。


また、公式ライブ映像の2番の「ULTRA TIGER」と叫んだとき、つとむさんの手を乗り越えたか軽くぶつかったかに見えたが、吠える勢いが本物の虎ばりで、もし、ぶつかっていたとしても本人はその自覚はないのかもしれないと思った。それくらい、本気で吠えて、この一瞬のパフォーマンスに魂を注いでいる姿は冗談抜きに神々しい。


本気のパフォーマンスは美しい。全力で、歌い踊るRADIO FISHを観ているだけで、生きる力がわいてくる。エンタメとかお笑いの威力って素晴らしい。いま笑えていれば、明日も元気に生きられると思えてくる。


そして、RADIO FISHの6人はこれだけの熱量を持って、人を幸せにする力があるのだから、もっと世の中に評価されてほしいと思うし、私もそれを言葉で表現できる一人でありたいと思う。


長かったけれど、念願だったRADIO FISHの記事のスタートが切れた。また、続きが書きたくなるような衝撃を、送り続けてほしいと思う。


なお、私がレビューするときは、ファンではないけど大真面目に対象に光を当てるという目線のため、ファンのかたからみて、誤解など失礼な点があったとしたらお詫びします。基本スタンスとして、ネガティブなことは書かない、対象を否定しないという思いで書いているため、もしご不快な点があったとしたら、それは意図したものではなく筆力によるものです。


また、ネット記事の寄せ集め的なことは一切せず、すべてが自分の目で見て確かめたことを、自分の言葉で書いています。今日、この記事を書くために9か月気持ちを温め続け、雑ながらもやっと書き、これからも試行錯誤しながらブラッシュアップしていければと思っています。


では、また。

(39)草なぎ剛さんの『イケメン登山部』での魅力

こんにちは、検索迷子です。


先日、2016-09-08ーSMAPの楽曲は、彩りを添えて進化し続けるを書いたが、タイミング的に次は、SMAP25周年について言及するつもりだった。でも今日は、12日放送の『SMAP×SMAP PRESENTS 草なぎ剛のイケメン登山部』を観て、草なぎさんのいろんな側面にはっとさせられて、そちらの感想を先に書こうと思う。


実はこの特番、SMAP5人を最も観たいと思っているこの時期でのメンバー一人の企画のため、それほど期待をせずに見始めた。それが、想像をはるかに上回るいい番組で、とても驚かされた。


それは、草なぎさんのお人柄もあるが、エンターティナーとしての力量がいかんなく発揮されていたことにある。草なぎさんが長い芸能生活を通して体得された、あらゆるノウハウがここにはあった。


この番組は、登山部顧問にアルピニスト野口健さん、ゲストに竹内涼真さん、山本裕典さん、竜星涼さんを迎え、八ヶ岳の登山をするというシンプルな番組だと思っていたが、「イケメン登山部部長」の草なぎさんの存在なくして、ここまで楽しい番組にはならなかっただろうと思えた。


いくつかの側面で、印象に残ったことを書いていこうと思う。

場を牽引する部長としての実力

先ほど、メンバー一人の企画だから、という思いがあったと書いたが、結果的に、草なぎさんが部長として、またスマスマの番組ホストとして、全員を盛り上げる役割を果たしていて、草なぎさんの場を盛り上げるセンス、話術がここまで高かったのかと驚いた。


よくお芝居などで、「主役=座長」として場を牽引する役割を果たしている、というエピソードは目にしていたが、バラエティー番組で、ここまで草なぎさんがホスト役に徹し、人を盛り上げたり、気配りや声がけや適切なコメントができる実力があるとは思わなかった。どちらかというと、ちょっと失敗したり、額に汗をかいたりして、少し緊張しながらも懸命に役割を果たし、その姿に好感が持てる、という癒しキャラかと思っていた。


てっきり草なぎさんは、積極的に表に出たり、場を仕切ったり、盛り上げたりするようなタイプではなく、一歩引いて、おとなしく場についていき、場に適応していくタイプだと思っていた。でも今回、草なぎさんが全体を力強くまとめている姿を見て、その場に合わせて求められる役割ができるひとなのだと見方を改めた。


そして、ふと、これが以前、『SMAPがんばりますっ!!2012「交換日記」〜ありがとう編〜』で木村さんが草なぎさんにあてた、「爪を隠していた」の部分が表に出た状態なのだろうかと思った。


この登山部によって、草なぎさんが芸能界のベテランの域にいる凄いかたなのだと、その底力を思い知った。それは、バラエティー番組としての面白さを追求する発言や行動だったり、若手俳優さんへの声掛けだったり、ご自分の靴が壊れるハプニングへの冷静な対処だったりするが、何よりも全体的に草なぎさんは精神的にとても安定して、穏やかな大人の男性になったなと思った。


いろんなものを乗り越えてきた、その時間の積み重ねがこの登頂のプロセスにはあった。それは、過去4回の登山経験だったり、無謀と思うことを乗り越えてきた歴史が、草なぎさんのこの5回目の登山には見え隠れした。


また、一人で場を仕切るということでふと思い返したのが、2008年にスマスマであった、『クサップ×クサップ』という一人で全コーナーを担当したときの姿だ。あのとき、ゲストとやりとりをする草なぎさんの心もとなさが、今回どこにもなかった。あの企画とは、趣旨も進行形式も人数もまるで違うから、単純な比較はできないが、今回の登山で、草なぎさんはバラエティー番組を一人でもこんなに盛り上げられる人なんだと思ったのだ。

言葉の力をよくわかっている発言の数々

登山という過酷なロケにもかかわらず、草なぎさんの前向きな発言の数々は、軸がぶれずに本当にこの人は、心と身体の芯から、美しさのオーラを発する人なのだと改めて思わされた。


私は過去何度も、草なぎさんの思考とか言葉のチョイスとかに感化されて、ブログでも草なぎさんの発言や書籍中の言葉を取り上げている。そんななかでも、この放送は「草なぎさん語録」の宝庫だったと思う。


特に今回は、番組中の一瞬のコメントを断片的に切り取った言葉でも、編集者がきれいに編集した活字でもなく、長時間に渡るロケのなかで、草なぎさんのあの声で、草なぎさんの思考性がわかる言葉が随所にちりばめられているのを聴けた意味は大きかった。


登山の疲労がたまっても、時間が経過しても、前向きな思考の軸のぶれなさ、表情の穏やかさが持続するさままでが、本当に良く分かった。時折のネガティブな言葉すら、短く切り上げたり、笑いに転化するところなどは、とても潔く、ネガティブさをさっさと切り上げる、見事なスイッチの切り替えかただと脱帽した。


「いいコメントを残そうと思って」という発言もしていたが、自分の発する言葉が、誰にどんな風に影響を与えるのか、草なぎさんは本当に「自分の見え方、見られ方」を良く知っているのだろう。常に、全方位の視線に手を抜かない、アイドルのプロなんだと思えた。


そして、きっとまた、自分が元気になれる言葉を選び、自分が嫌いな言葉をできるだけ言わない、そういう自制心と、気持ちの強さがあるようにも見えた。

人を楽しませる、喜ばせることのプロ意識の高さ

今回の登山部全体を見渡すと、ふと、『スマスマ』で草なぎさんが20年で経験したものが凝縮されている回であることに気づいた。もちろん、他の草なぎさんの経験も草なぎさんの血肉になっているから、一概には言えないが、『スマスマ』ならではの要素も大きかったと思うのだ。なぜそう思ったのか、少し補足したい。


登山部での草なぎさんは、人を幸せにしたり、楽しませたり、喜ばせるために何が必要か、ということを本能的にわかっている、と思う場面がたくさんあった。数多くの『スマスマ』での経験が、草なぎさんを「おもてなし」のプロに育んできたようにすら感じた。


それは、「食」「笑顔」「歌」「チャレンジと継続」「仲間」といった、『スマスマ』での要素がふんだんに盛り込まれていたからだ。


「食」の部分だが、草なぎさんは登山前夜、一人でおにぎりを握っていた。『スマスマ』には「ビストロSMAP」という番組当初からずっと続くコーナーがある。おいしい食べ物は人を笑顔にすることを知る草なぎさんは、お金で何かを買っていくのではなく、手作りでおにぎりを作ることを選んだ。


それも、ビストロで提供するような上品なおにぎりではなく、無骨な男のおにぎりというのもほほえましく、手作り感が満載だった。おにぎりと言えば、稲垣さんが謹慎中の罰ゲームで、ライブスタッフへの差し入れで作ったおにぎりや、『クサップ×クサップ』でゲストの仲村トオルさんがオーダーした塩むすび、それから、おにぎりではないが、中居さんとの登山で草なぎさんが用意していたお弁当も海苔巻きだったと記憶している。


いろんな料理を作れる草なぎさんが、こうして登山に持っていく食べ物におにぎりを選んだのもいいなと思う。人を笑顔にする「食」は、シンプルでも心をこめて自らの手で握ったおにぎりがいいと思ったのも、草なぎさんらしいチョイスだった。


「笑顔」については、すでにいくつか触れてきたが、今回、草なぎさんはバラエティーとして登山部の番組を楽しいものにしようとしている気概が伝わってきた。


『スマスマ』では、コントもそうだし、ゲストのかたへの気の利いたコメントや、エンディングトーク、最近では『コップのツヨ子』などで、草なぎさんは笑いへの貪欲さを、今回の登山のいたるところでも発揮して、こだわりもかなりあることがわかる。


登山部でも、明らかにギターケースを背負っているのに、ずっと「そういうバック(カバン?)だから」と最後まで押し通したのも、妙に面白い、状況設定へのこだわりだった。


また、登山中に下山者とすれ違ったときの対応は、人をずっと笑顔にすることを仕事にしてきた、草なぎさんならではの素晴らしさで、登山中の疲れがあるとは思えないようなさわやかさだった。


「歌」についてだが、登山中にSMAPの『この瞬間(とき)、きっと夢じゃない』『ススメ!』が草なぎさんの選曲エピソードとともに流れたのは、とてもいい場面だったと思う。自分にとってたいせつなSMAPの曲を、一緒に登山をする仲間たちと聴きたいと言える、その素直なSMAPへの思いと楽曲へのリスペクトは、今、この時期だからこそ、より貴重で、今の心持ちを知れたのは嬉しいことだった。

この瞬間(とき)、きっと夢じゃない

この瞬間(とき)、きっと夢じゃない


そして、まさかというか思った通りというか、『マウンテン・ロック』という曲を作詞作曲して披露してくれた。草なぎさんの作詞作曲のセンスについては、また別個に言及したいが、草なぎさんの作詞作曲への意欲は、人を喜ばせたい無垢な気持ちの表れで、とてもいいなと思う。


おにぎりもそうだが、お金を投資する何かをプレゼントするのではなく、オリジナルで手作りのぬくもりがあるものを、草なぎさんは愛情とともに惜しげもなく差し出してくれる。


今回特に良かったのは、これまでとは違い、歌手とは無縁のかたたちだけの場で歌ったときの心配りだ。これまでの新曲披露の場は、SMAPのメンバーがいたり、ミュージシャンのかたがいたり、ある意味ホームでの披露だったように思う。


今回、アウェイのような音楽関係者がいない場所で歌って、一瞬大丈夫かと心配したがそれは杞憂に終わった。草なぎさんは全員に歌詞カードを渡しつつ、盛り上げポイントまでレクチャーをして、仲間たちを置いてきぼりにしないようにしていて、その心配りがよかった。全員が草なぎさんの空気に巻き込まれ、合唱をしている姿を見て、さすがにSMAPだ、いつも人を歌で乗せることに手抜かりはないなぁと思った。


にしても、空気が薄いだろう場所で、半日近く登山を続けてもなお、ギターを弾き、声を張り上げて熱唱する姿に、プロのアーティスト魂を感じた。それほどに、草なぎさんにとって「歌」と「歌を通して人とつながること」は大事な時間なのだろう。


次に「チャレンジと継続」だが、これはもう、『スマスマ』で経験したあらゆることがチャレンジだったのだと思うが、単にチャレンジするだけでなく、一歩一歩続けることのたいせつさが、骨の髄まで染み込むほど、負けない気持ちが醸成されてきているのが、画面の随所から伝わってきた。


そして次に、「仲間」だが、草なぎさんの今回の登山での、全員で登頂しようという意気込みの高さもそうだが、「一人でない」からがんばれるとか、「イッケメーン」の掛け声が2回目から「そろってきた」という言葉とか、草なぎさんが仲間を一緒に何かを作り上げようという気持ちがそれとなくわかった。


ふとした発言ではあるが、一人ではなにもできない自分の弱さを知り、でも、仲間とだったら何かができるということ経験を、これまでどれほどして、仲間をどれほどたいせつに思っているのかが伝わってくるような気がした。


また、香取さんとのラジオ番組『SMAP POWER SPLASH(スマップパワースプラッシュ)』の番宣とか、『山のあなた〜徳市の恋〜』で共演した妻夫木聡さんと結婚された女優のマイコさんの話とか、ご自身が大事にする仲間や作品のことをしっかりと、愛情を持って語っているのも好感が持てた(今、この宣伝をするのかという視点は今回はあえてふれない)。


最後に、放送になかったため推測で恐縮だが、
5度目の登山ということで、放送されていないコメントとして、メンバーの名前を出しつつ思い出を語る場面が、少なからずあったのではないかという気がした。番組では、ずっと喋っているような編集になっていたが、無心になり、ただ自分の足元だけを見つめながら、次の一歩を踏みしめるという時間も多かっただろう。


メンバーのことを仮にコメントをしていなかったとしても、そういう時間で、一人で過去の登山を思い返す時間もあったのではないかと思う。自然の怖さと偉大さに向き合う時間のなかで、この放送では饒舌にほがらかに、場を盛り上げているように見えた草なぎさんに、自分の内面と対話する時間もあったのではないだろうか。



長くなったが、今回の「イケメン登山部」で、草なぎさんの新たなる魅力と、エンターティナーとしての素晴らしさを実感したことを、思いつく限り書ききった。


「草なぎさん語録」ができるほどの名言は、数が多く個々には触れなかったが、発言した一つひとつの言葉に重みがあった。


なかでも、「人生」という言葉をたくさん口にしていたが、草なぎさんが言うと説教臭さがないというのも発見の一つだった。若手俳優さんを前に、それらを押しつけがましく語るのではないのもまた、お人柄が出ていると思った。


草なぎさんが、自分の内面に語りかけるかのごとく、そっとつぶやく声は、深く落ち着いた鼻にかかるような声のトーンで、聞いているこちらまで穏やかになるようなものだった。


SMAP5人の時とはまた違う側面の草なぎさんを知り、私たちがテレビで観ている場面って、ほんのごく一部なのだなと思わされた。だからこそ、こうして違う面を観たときに、こういうところが素晴らしかった、見習いたいというリスペクトを込めて、少しでも記録したいと思う。


ただ、楽しかった、素晴らしかったと一人で心に留めるより、この瞬間、きっと夢じゃないと、自分が何がどういいと思ったかをしっかりと刻んでおきたい。


草なぎさんのエンターティナーとしての活躍の場が、どうか、未来に向かって広がり続けてほしい。


いまはただ、草なぎさんの目の前の一歩が開けることを、一心に願いたい。
もちろん、SMAPとしても。


では、また。

コラボブログについて

今日は、「剛 しっかりしなさい!」のブログ運営者である、凪(なぎ)さんのコラボブログ 【SMAPとココカラ】(38)Happy Birthdayを受けて、コラボブログ第39回として書いた。


主旨について
ブログ主旨については、下記にリンク先を掲載している。
【コラボブログ:SMAPとココカラ】(2)SMAPとファンは、もはや一つの組織の最下段、【コラボブログ:SMAPとココカラ】(4)木村拓哉さんの自己犠牲の精神の序盤で紹介している。