(41)草なぎ剛さんの『1本満足バーCM(90秒篇)』のダンスと面白み

こんにちは、検索迷子です。


今日は、草なぎ剛さんが出演されている、
『1本満足バー CM 「満足れぼりゅーしょんPV」篇 90秒 草なぎ剛』(公式:なぎは漢字)の感想を書きたい。


私は、草なぎさんのダンスが好きで、この『1本満足バー』のCMについても、一年前にレビューをしている。
草なぎ剛さんの中心軸


この記事を書いたとき、CMのダンスについて大真面目に書いたことで驚きの声をいただいたが、いま改めて読み返してみて、草なぎさんのダンスのきれいさってぶれないなぁと思った。そして今回の90秒CMを観て、再び書きたいと思った。


ダンス、お芝居的要素、映像の切り口で触れようと思う。

安定した体幹、ストーリー性のあるダンス

前作のCMでは、草なぎさんは昨年初夏に捻挫した後遺症がまだあった時期かもしれないが、それを感じさせないパフォーマンスに魅了された。


今回は、万全なコンディションで撮影に臨まれたのだろう。本当にあらゆるポイントで昨年を上回る素晴らしいCMになっていると思った。秒数が長いので単純に比較できないが、今回特に際立っていいと思ったポイントを挙げてみる。


いま書き始める前に、前年の記事を読み返してみたら、気になるポイントの大枠はほぼ同じであることに気づいた。それは、草なぎさんのダンスの魅力は、体幹の強さにあるということだ。


ダンス全般について、草なぎさんは左右バランスがとてもいい。どちらが利き足、利き足というのを感じさせないほど、左右交互に行う振りが均等に見える。とにかく細かい動きを刻むところが秀逸で、1秒以下のカウントで次の動作を訓練してきたかたなのだと思わされる。


それは、PV最初の「1本満足」の開脚と手の動き、「マンマン満足」の外側に足を蹴り上げる動作、「この階段のぼったら」の指さし、「銀色のビル15階が」の腕振りなど、細かく挙げればきりがないくらい、全体がきれいだと思う部分が多い。


また、草なぎさんは細身のラインが生きる、直線を感じさせる動きが極めてきれいだ。たとえば、最初の「GO!」の箇所の右腕を上げるところ。これは私が特に『弾丸ファイター』の草なぎさんがセンターになって手を上げる箇所が好きなので、最初からこのシーンが観られたのはとても嬉しかった。


また、「LOVE・PEACE・DANCE」のそれぞれの箇所、「イエーイ」とお花畑をバックに垂直にジャンプするところも細部までがしっかりとしている。


そんななかでも今回特に、印象深かったのは、「フツーに生きてりゃ」から始まる箇所だ。草なぎさんの、誰よりも高く片足を胸元に引き寄せながらも、安定して立っているところ、胸を開閉するバネ、肩をまっすぐ上げきって、肘をしっかり曲げて、首をぶんぶんと振るところ、手を前に差し出すところ、どの箇所も動きがきれいだ。


そして、最後に「名誉はいらない チョコおくれ」の立ち姿と、きりっと視線を向ける姿は本当にきれいだ。この「フツーに〜おくれ」までの箇所、草なぎさんの表情がくるくる変わるのもみどころだ。「名誉はいらない」で少しせつなそうな顔をして、またコミカルな表情になり、最後はきりっと締めているのがメリハリを生んでいる。


歌詞の細部にいたるまで、表情もシンクロさせて草なぎさんがダンスしているというのは、なかなかめずらしいようにも思った。歌詞がものすごくシンプルな単語が使われてストーリー性がわかりやすいというのもあるだろうが、本当に入り込んでダンスをしていることが伺えて、この箇所は何度も見入ってしまう。


また、草なぎさんは反動の使い方が本当の上手いと思う。後半の「マンマン満足」で左腕を上げて右腕をスライドさせながら、腰を回転させつつ体重移動するところや、「今夜は満月 余は満足じゃ」のところも、満月のまん丸をしたあと、振りかぶるところの反動など草なぎさんらしい動きは、全体を引き締める働きをしていて本当に良かったと思う。


イナバウアーのような背面そらしの動きは、さすがに今まで観たことがない斬新さで笑ってしまったが、とにかくダンス全般が楽しくて満足度が高いものだった。

お芝居的要素

このCM、90秒ってここまでできるのだと思うくらい、草なぎさんのいろんな表情が集約していて、役者草なぎ剛を随所に感じる贅沢な作りだと思った。


楽しそうに踊る姿、お気楽そうな表情、モテる本の読書中の顔、木陰で様子を伺う表情、怒られている姿、情けない落ち込み姿、受付嬢との恋愛模様、柔道でのヘタレ具合とへっぴり腰、嬉しそうな顔、甘えたような表情など、あらゆる草なぎさんの表情が観られて、充実していたと思う。


なかでも、肩と腰で情けない感じ、萎縮する感じを表現していたりするのがコミカルだった。また、全体的に目の表情の印象が強く、このCMを作ったかたたちは、草なぎさんの映像をたくさん観て、草なぎさんの多様さをこれでもかと言うくらい盛り込んでくれたんだなと思った。


そして、『1本満足バー』といえばお決まりの「バー」の口の開け方と無表情な顔つき。このCMのラスト、草なぎさんいったん正面を向いた後、バーに目を向け、また正面に向き直して、さらに目をバーに向けてきょろきょろしているが、それはお芝居なのかアドリブかはわからないが、その黒目まで演技している感じがまた面白味を増している。

映像について

私は映像のことは全くわからないが、このCM、全体的に草なぎさんのメンバーカラーである「黄色」みがとても印象に残った。意識して、差し色にしているのではないかと思うくらい、黄色を感じたのだ。こういうことが印象に残るのは実はとてもめずらしい。


よくCMでは、たとえば飲料ならボトルデザインに近いカラーが使われたりするが、このCM、確かにチョコを連想させるような赤みが部分的には使われているが、やっぱり黄色が目に入るのだ。


草なぎさんのネクタイも黄色をベースとしたものだ。また、ステージの照明も中心は黄色い照明だ。そして、衣装もダンサーの女性は黄色のカーディガンを着ているひとがいたり、ベンチに座っている女性の洋服も黄色い花柄だ。


さらに、モテる本も黄色ベースで黄色いフセンが一番目立ち、受付にあるお花も黄色がある。また、教室の黒板には星がたくさん描かれ、右側の時間割には、黄色の箇所が、「ヘルシー」「本格」「チョコ」(いったい何の授業かはさておき、「校訓」らしい)となって、商品のセールスポイントが黄色になっている。バスの時刻表も黄色だし、花束のラッピングにもリボンにも黄色が使われている。最後のうちわも黄色がやけに目立つ。


それはただの偶然かもしれないが、お花畑で喜ぶ草なぎさんの笑顔を観たときに、これは作り手が草なぎさんのことを考え抜いて作った作品だったように思えてきた。細部までが考え抜かれ、草なぎさんの良さが最大限に発揮されたCMだと思った。


そういう愛情と作品への自信があったからこそ、90秒CMはたった一度きりでもオンエアされ、公式サイトにも掲載されているのだろう。そう思わせる草なぎさんも凄いし、スタッフのかたの作り手としての誇りも感じる。作品として本当に素晴らしい。
アサヒグループ食品株式会社−1本満足バー(公式)


最後に、草なぎさんがこうして笑顔で踊り、歌うだけで多くの人が幸せになる。私は、今年もう、草なぎさんのダンスやパフォーマンスのことを書く機会はないのかもしれないと思っていたが、このCMで随分と元気をもらった。そして、このCMを書きたいと思わせてもらえて良かった。


草なぎさんのエンターティナーとしての素晴らしさが、どうか発揮され続けてほしいと願わずにはいられない。それほどのクオリティの高いCMだったと思う。90秒あれば、これだけ幸せな気分になれるのかと思うほどに、楽しませてもらったCMに感謝したい。


そして、閉塞した空気を入れ替えるかのごとく、人を笑顔にし続ける草なぎさんには、本当にありがとうと言いたい。


これはもう、草なぎさんにしかできない仕事だと思う。どうか、ずっとCMが制作され続けますように。
草なぎさんが輝きを増す、歌って踊る場がずっとありますように。


では、また。

コラボブログについて

今日は、「剛 しっかりしなさい!」のブログ運営者である、凪(なぎ)さんのコラボブログ 【SMAPとココカラ】(40)嘲笑を受けて、コラボブログ第41回として書いた。


主旨について
ブログ主旨については、下記にリンク先を掲載している。
【コラボブログ:SMAPとココカラ】(2)SMAPとファンは、もはや一つの組織の最下段、【コラボブログ:SMAPとココカラ】(4)木村拓哉さんの自己犠牲の精神の序盤で紹介している。