短歌の作り方、教えてください

こんにちは、検索迷子です。


五・七・五・七・七の定型で、
自分の気持ちを表現する短歌は、
その定型の制約ゆえに難しい。


学生時代以降、短歌を作ったことはないが、
短歌の面白さに興味がわく一冊に出会った。
それが、
『短歌の作り方、教えてください』、
俵万智(たわらまち)、一青窈(ひととよう)さん著、
角川学芸出版刊だ。

短歌の作り方、教えてください

短歌の作り方、教えてください


ミュージシャンの一青さんは、
台湾生まれというのは知っていたが、
日本で育ち、慶應SFCを卒業されているのは知らなかった。


なぜこんなに日本語の微妙なニュアンスがわかるのだろうと、
本書を読みながら思っていた。
学生時代、自分たちと同じように、
短歌の授業を受けただけというなかで、
本書による一年半の俵さんによる添削が行われた。


作詞を手がけるだけあり、
視点の確かさとか、面白さ、
旅行先で作る短歌のバリエーションはとても豊かで、
それを短歌として定型や、
用語のアドバイスを俵さんから受けることにより、
みるみる美しい短歌の型を獲得されていく様子は、
見ていてはっとするものがあった。


音楽の歌詞が書けるから、
短歌もおなじようにすんなり書けるのではと思っていたが、
やはり、それはジャンルが違うことによる、
型の違いがあり、
一青さんはその型に苦労されたようだ。


型にあてはめる苦労はともかく、
書く題材に事欠かないというのは強みだと思った。
どんな日常も、何かの短歌になる。


正しい型を一流の人から添削されることにより、
無だった経験が、
一般の学生と同じスタートラインだったものが、
しっかりとした型になり、短歌として成立していった。


その過程がすごいなと思った。
正解を出さないようにしたという俵さんの気持ちと、
素直にアドバイスに耳を傾け、
ざっくりと改作をして、
ブラッシュアップしていく一青さんの姿は、
ものを作っていくうえで参考になる理想的な姿だと思った。


短歌に限らず、
何かを表現しようとしている人、
それをサポートする人のあり方みたいなのが伝わった。


自分には難しそうだなと思う面もあるが、
短歌の定型のなかでの世界の広がりも同時に感じ、
とても短歌が身近に感じられる一冊となった。
怖れず表現をしてみること、
誰かに見せてみること、
それが何よりも最初の一歩になるのだと思った。

短歌と俵万智さんの著書を紹介した記事


俵万智さんの著書、
短歌についての本は、過去にレビューしているものがあります。
よければあわせてお読みください。


短歌を紹介したもの

初めて短歌を学ぶひとに - 検索迷子


以下を紹介しています。
『親子で楽しむこども短歌教室』

親子で楽しむこども短歌教室

親子で楽しむこども短歌教室

ちびまる子ちゃんの暗誦百人一首 (満点ゲットシリーズ/ちびまる子ちゃん)』


俵万智さんについて紹介したものは次のものです。
サラダ記念日のような一日 - 検索迷子

ちいさな言葉 - 検索迷子


では、また。