谷川俊太郎『今』ー遠くで歌うSMAPを見つめる今

こんにちは、検索迷子です。


SMAPの話題をずっと書いていると、
本当は途方もなく遠い存在に対して、
遠近感を見失うような思いがする。
以前もそういう気がして、一つ詩を紹介した。
谷川俊太郎『他人』ーテレビでしか見たことのないあなた


会見後、その時に自分が感じたことを、
私は文字にしていない。
饒舌に書いているようでいて、実は、
ずっと迂回している。
今もまだ、詩の力を借りるしかない。


きっと、会見以降いろんな思いが錯綜し、
心身のバランスを崩されているかたもいたり、
逆に前向きであろうと、踏ん張ろうと、
張り詰めた気持ちのまま、
日々を過ごされているかたもいるだろう。


ときには、ほどよく距離感を実感して、
自分の今を生きるということをたいせつに
してほしいと思い、
自分もそうありたいと思って詩を紹介する。


谷川俊太郎(たにかわ・しゅんたろう)著、
『あたしとあなた』、ナナロク社刊、
2015年7月発行より、「今」という詩だ。

あたしとあなた

あたしとあなた


           谷川俊太郎

♪今がいい♪と
遠くで
あなたが歌う


あたしは
草原の奥で
その歌を聞く
豆を
煮ながら


あなたの
歌う今
あたしの
煮る今


時は
ひとつ


山々と
海と
いくつもの町を
隔てて



(引用注:1行目音符は原文通り)


豆を煮るに象徴されるような食だけでなく、
自分の日々を生きるということ、
自分が健やかさを維持することを、
まずは第一に考えて、
自分の今をしっかりと生きようと思う。


しっかりと生きているからこそ、
エンタメがくれる力を受け止める余裕が
生まれる。


自分の今を生きて、
同じ時、違う場所に生きる人たちを、
心から応援できる活力がわく。
自分が持つプラスのエネルギーを、
応援というかたちで表現しようと思える。


時はひとつ、だ。


今この時間を、憂いて過ごすより、
このひとつの時が重なり合う瞬間も、
きっとどこかであると信じて、
生きる力を枯らさないように、
自分の今を生きよう。


そして、歌う彼らの今を、
遠い場所からでも、
元気に応援していければと思う。


自分に今できることを、今やる。
たんたんと生きながら、
たんたんと、
遠くで歌う彼らを応援する。


では、また。