脳に悪い7つの習慣

こんにちは、検索迷子です。


よくない状況が続くとき、否定的に物事を考えたり、
悲観的になったりする。
ネガティブな単語が頭をぐるぐると回り、息苦しくなる。


その思考回路から抜け出すために、
どうしていけばいいのだろうと考えて手にとった一冊がある。


それが、林成之(はやし・なりゆき)さんの本、
『脳に悪い7つの習慣』だ。

脳に悪い7つの習慣 (幻冬舎新書 は 5-1)

脳に悪い7つの習慣 (幻冬舎新書 は 5-1)


脳は気持ちのもち方や行動次第で、その働きをよくも悪くもできるという。
脳にとって悪い習慣をやめれば、いい。
そういうことだったのかと思った。
考え方を変えるというより、思考癖を見直すのだ。

脳に悪い7つの習慣とは


本書によるとその7つの習慣とは次のものだ。

脳に悪い7つの習慣

1.「興味がない」と物事を避けることが多い
2.「嫌だ」「疲れた」とグチを言う
3.言われたことをコツコツやる
4.常に効率を考えている
5.やりたくないのに、我慢して勉強する
6.スポーツや絵などの興味がない
7.めったに人をほめない

と、列挙してしまえばシンプルなのだが、
それぞれの理由を脳の働きとともに解説している。
後半で気になったエッセンスをご紹介する。


脳が発達するとき、生まれる2つのクセ


脳は生まれながらにして3つの本能がある。
それは、「生きたい」「知りたい」「仲間になりたい」だ。


そして、脳が発達するプロセスで後天的本能として、
「自己保存」(脳は自分を守ろうとするということ)、
「統一・一貫性」(脳は統一性、一貫性が保てなくなるような情報を
避けようとするということ)の2つのクセが生まれるという。


わかりやすい例が、
自分と反対意見を言う人を嫌いになる反応らしい。
意見と人格は別なはずなのだが、
脳は自らの意見と異なるものを「統一・一貫性」にはずれるため拒否し、
また、「自己保存」機能が働くことによって自分を守ろうとするという。


この2つのクセを知ったうえで、脳に悪い習慣を克服していく
必要があるということだ。
特に、自己保存の機能が、過剰反応しがちなことはないか、
自分の胸に手を当てて考えたほうがいいかもしれないと思った。

なぜ、コツコツやるのが悪いか


はじめ、3つめの「言われたことをコツコツやる」のが、
脳に悪い理由がぴんとこなかった。
地道のがんばるのはいけないことなのかと。
でも、意味がどうやら違うようだ。


脳の達成率を上げ、集中してことを成し遂げるためには、
全力投球でいくことが大切であり、
さらに達成することよりも、達成のしかたの追求、
最後の詰めに執着することが大事ということのようだ。


目標の設定も、ある実験によると人間のポテンシャルは最大で130%まで
引き上げることができるとされているらしく、
非現実的な目標設定ではなく、100%以上、130%を目指すという気持ちの
スタートだと集中力が増し、脳の達成率をアップできるという。

目的と目標は分ける


根性論で「がんばります」と言っても、脳にとっては意味不明な言葉らしい。
目的と目標を混在させるあまりに、何かの達成を自分で妨げていることが
あるとしたら、次のような内容が参考になりそうだ。

たとえば「がんばって契約を取ってきます」というのは、ただの「目的」です。
「目標」とは、契約を取るために何をするか、やるべきことを具体的にしたもののことを言います。
(中略)
脳を正しくがんばらせるには、「具体的に何をするか」「いつまでにするか」「今日は何をするか」などの目標を明確を明確にする必要があります。
(中略)
確実にこなせる目標を立て、達成することで自信を生むことだポイントです。最初に「無理だ」と思ってしまえば、脳は働いてくれませんから、まずは達成して自信をもつことを習慣づけることが先決。自己報酬神経群は、自信を生む「うれしい」と感じる経験を重ねることで、「次に達成すれば、またあのうれしさを味わえる」ことを覚えます。目標達成のくり返しが自己報酬神経群を鍛え、脳は二次関数的に力を発揮するようになっていくのです。
目的と目標の両方を定め、紙に書いてはっておくなどして、脳に対してはっきりとがんばるべき方向性を決めることを習慣にしましょう。これができる人とできない人では、脳のパフォーマンスに雲泥の差がつきますから、今日からぜひ実行してください。


また、目標を決める際は否定語を含めてしまうのもいけないらしい。
たとえとして、「ノーミスでがんばります」も、脳に悪い考え方だという。
ミスしないようにする、と考えるのは、ミスするかもしれないという考えを生み、
否定語が入るのはよくないという。


さらに、目標をコロコロ変えるのもいけないようだ。
それは、「達成しない」経験を積み重ねてしまうからだという。
だから一度目標を決めたら、簡単に変えずに一気にやり遂げたほうがいいようだ。


プラスの方向に常に考えていかないと、脳は逆のほうに引きずられる、
ということなのだろう。

効率を重視せず、繰り返し考える


効率性が重視され、繰り返し吟味することを無駄と考える風潮からは、
独創性は生まれないという。
脳にとって「わかった」は「これ以上考えなくてよい」という完結を
示すものである、思考がそれ以上深まらなくなるからのようだ。


観察眼を磨き、問題を繰り返し考える習慣を身につけてこそ、
ここぞというときに決断・実行を早くできるようになるらしい。

日記やブログで考えを整理することは脳によい


思考を深める方法として、書くことが有効であるという。
これは、ブログを書いている一人として、少し嬉しい一文だ。
ただし、なんとなく書いていてはだめかもという思いもした。

さまざまなプロスポーツ選手の脳の活かし方を話す機会があるのですが、優秀な選手たちはほとんど全員、日記を書いています。それも、最近は調子がいいといった漠然とした内容ではなく、「今日はここができた」「いまの課題はここにある」といったことを記録しているのです。
(中略)
思いついたことや考えたことを紙にまとめる場合は、できるだけ一つのテーマを1枚に集約するのがおすすめです。ノートであれば1ページ、あるいは見開きごとにテーマをまとめましょう。これは、めくるときに考えが飛ぶのを防ぐためです。

4日ごとに考える


人間の脳は重要でないと判断した記憶は、3〜4日経つと忘れるしくみがあるという。
考えたことが本当に重要であれば、4日経っても覚えているらしい。
そうでなかったとしたら、あまり重要ではなかったということのようだ。


さらに、意見の対立や迷いがあったときはいったん考えるのをやめて、
再度考え直したほうがいいという。
そのときは、いったん文章や図にして整理しておき、
4日離れて、戻って考えるのがよいようだ。
ポイントは、「整理してから離れ、戻って考える」ことにある。

違いを認めて、共に生きる


脳が望む生き方は、「違いを認めて、共に生きる」ことだという。
あとがきに書かれたその言葉は、
脳を自分でコントロールするのは難しいから余計に、
どう人と接したらいいのかという核心を突いているように思えた。


引用がランダムでわかりにくい点もあるでしょうが、
脳に悪い習慣をやめて、
役立つようなことを何か1つでも実行していくと、
ポジティブに生きられそうな気がしてくる。


林成之さんの本については、過去にもレビューしていますので、
よければあわせてご覧ください。
凄い才能を自分で作る
『望みをかなえる脳』『<勝負脳>の鍛え方』


では、また。