理系バカと文系バカ

こんにちは、検索迷子です。


自分の思考回路から抜け出したいと思ったとき、
まったく逆の発想はできないものだろうかと、時々考えます。


今の自分とは違う切り口で物事を考えたいとき、
竹内薫さんの『理系バカと文系バカ』が参考になりました。
嵯峨野功一さんの構成による本です。

理系バカと文系バカ (PHP新書)

理系バカと文系バカ (PHP新書)


まじめに分析している本ですが、性格占いのようなトーンと、
新書にはめずらしい、高世えり子さんのちょっと笑えるイラストが、
スパイスを加えていて楽しい本でした。


竹内薫さんは、北野武さんのフジテレビの番組「たけしのコマ大数学科」で、
問題作りをして、共演しています。


本書では、北野武さんがイギリスの小学生向けの算数の本を読んで、
好きな算数を楽しみながら英語を勉強をしているエピソードや、
学生時代、問題を解くだけではなく、解いた答えから問題を作ってみる、
といった勉強をしていたことを紹介しています。


私はこの番組を見るまで、てっきり文系と思っていた北野武さんの数学的センスに
驚いていましたが、なるほど、こんな勉強をしていたのか、
数学的センスがあるからこそ、映画の感性が際立つのかと、
その裏側を知ることができた気がしました。


また、「間主観性(かんしゅかんせい)」という物理学の考え方を紹介している項は、
非常に参考になりました。


もともと哲学用語の「間主観性」は、
物理学では原子や電子などを観測する場合の、
観測する側、観測される側の関係を考える時に登場するようです。


そして、社会生活においてこの考え方が大事だと指摘しています。
この、主観でも客観でもない「間主観性」は、
「主観」と「主観」の間を想定する視点を持ち、
相手の立場になって物事を考えるようになり、
人の痛みが分かるようになると、時折、この視点で物事を見てみようと書いています。


いつも同じような視点で物事を考えてばかりいると、
すぐに壁にぶちあたったり、迷路から抜けられなくなることがあります。


違った自分になってみる、違った視点で物事を考えてみる、
そんなヒントを本書はくれます。


では、また。