こんにちは、検索迷子です。
Webサービスの作り手の仕事をしながら、いつも考えてしまうことがあります。
それは、ヘルプページはいるのか、いらないのかということです。
以前、その話題に近いことを、
Webサイトの「よくある質問」の違和感というエントリーで書きましたが、
今日は、ヘルプページそのものの存在意義についての疑問です。
以前、とある大手サイトの方が、
「うちが提供するサービスは、ヘルプページを作ることが恥だと思っているから、
絶対に作りません」と言っていました。
ヘルプページがあることは、サイト内の機能で目的を達成できないゆえに、
提供者としてユーザビリティを考え抜くことから逃げたページだ、
自社サービスでは、機能を充実させるから作らないということでした。
たしかに、ある時期まではその大手サイトにはヘルプページはありませんでした。
ところが、その大手サイトが、複数のサービスを提供するようになると、
いつのまにか、ぽつぽつとヘルプページを見るようになりました。
ヘルプページができたからといって、そのサイトの質が落ちたわけではありません。
なぜかと考えてみたのですが、推測するに、
「今は、ヘルプページがあるのがWebサービスで普通」になってきたため、
「疑問があったとき、ヘルプページがないと不安になったり、
解決できないとクレームがくる」ということかと思います。
自社ではその機能はいらないと努力していても、
お客様が他社サービスを使って、
困ったときにヘルプページを見て問題解決をした経験があると、
困ったらヘルプページを見ればいいと学習をしていきます。
そうした経験が積み重なると、
どこのサービスにもヘルプページはあるものだと先入観を持って、
Webサービスを利用するようになります。
知り合いの大手サイトで、仮に一瞬困ったことがあり、
自己解決をしようと思ったとき、
ヘルプページがないと、それだけでヘルプページがないから解決できないのだと、
欠落感を持ってしまいます。
へたをすると、調べたかったことの大きさよりも、
ヘルプページもないサービス、という烙印のほうが大きかったりします。
作り手と、使い手のヘルプページに対する考え方の溝は、
こうしてできていくのです。
知り合いの大手サイトは、一時期までは全サービスで、
ヘルプページがいらないページ設計をモットーとしていましたが、
今では緩和して、ヘルプページを作っているサービスもあります。
が、それでも、今でも大半にはヘルプページを作らず健闘しています。
事実、ヘルプページがなくても、良質の業界トップ水準で、
有名コンテンツを多く有していまるサイトです。
ヘルプページがなくても使い勝手を損なわないよう、
考え抜かれた画面構成やかゆいところに手が届く内容に脱帽する一方で、
ヘルプページを作ってしまった一部のサービスが異質に見えててきます。
ヘルプページを作ったことが、何かに迎合してしまったようで残念にも見えます。
とはいえ、どんなに機能を充実させても、
お客様の安心のためには、「ヘルプ」のリンク文字や該当ページだあるほうがいいのかと、
そのサイトを見るたびに考えてしまいます。
これだけ良質なサイトならヘルプページはいらないと思う一方、
それでも、世の中の主流なら、入れるべきかと思う気持ちもあります。
ヘルプページを作らないで、実際の機能で検索迷子を作らないと、
気概を持って臨むのがいいのか、
ヘルプページくらい、こだわることもなく作ってしまったほうがいいのか、
そのサイトが良質ゆえに考えさせられます。
なかには、本当に機能改善の手抜きをするために、
ヘルプページにお客様を逃がして一時しのぎをしているところもあるでしょう。
また、ヘルプページでしか、その説明ができにくい、
機能改善の人手がかけられないところも多いでしょう。
お客様のためには、
「ヘルプページがないサイトで、総合的に高機能」なのと、
「ヘルプページはあるけど、雑なサイト構造」の、
どちらが満足のいくことなのか、何度も何度も考えてしまいます。
ヘルプページは、いる派ですか、いらない派ですか?
ヘルプページがないと、ないだけで、そのサイトへの信用をなくしますか?
関係ありませんか?
このテーマは、また考える機会が出てきそうです。
検索迷子の核となる、考え続けたいテーマです。
では、また。