草なぎ剛さんの「コップのツヨ子」の見どころ

こんにちは、検索迷子です。


今日は、草なぎさんのスマスマでの企画、「チャレンジ! コップのツヨ子」について書きたい。


私はこれまで草なぎさんの持つ能力に惹かれ、その素晴らしさを細分化して、この5か月で、35記事ほど書いてきた。この企画も初見から感想を書きたかったが、二週続けての放送されると知り、少し様子を見てからブログを書こうと思っていた。ネットなどでもかなり好評のようなので、継続して放送されるかもしれないが、今時点での自分の感想を書こうと思う。


まず、書く前に、単に「楽しいー、面白いー、すごーい」と思って楽しんでこられた方に、細部を分析するナンセンスさをお許しいただきたい。私はつい、どうしてこんなに面白いんだろう? と思って観る癖があるようで、特にそのスイッチが草なぎさんに入ることが多いようだ。草なぎさんの素晴らしさについ見入って、ファンではないと書きながらも、これはどうしても私が記録したいと思って、誰に頼まれるでもなく衝動的に毎回書き始めている。


では、さっそく「コップのツヨ子」の感想を書きたい。

一部のマニア受けアイテムを、一般化した企画

「コップのフチ子さん」は、2012年に発売されたガチャガチャなどで手に入るアイテムで、その爆発的な人気はネットなどでもずっと話題になっていた。が、なんとなく一般受けするものというよりも、オタクと呼ばれるかたたちや、かわいいもの好きのかたの、「萌え系」のコレクターズアイテムという印象を持っていた。私も以前の同僚が、お昼休みのたびにゲームセンターに行って「フチ子さん」をゲットして戻ってきて、その人のパソコン周辺に日々増殖するのを見ていて、ああそういうのが流行っているんだと思って見ていた。30体はあるだろうそれを誰かにあげるでもなく、こんなにあるなら一個ちょうだいと言う人に「集めてるから、だめ」と答えているを聞きながら、不思議な魅力のある、コレクターズアイテムだなと思っていた。


このコーナーを始めると知ったときに、あまりインターネットをしそうにない草なぎさんは「フチ子さん」をそもそも知っているのかなぁと思ったくらいだ。また、視聴者も知っている人はどれだけいるのかなぁと思っていたが、既知か未知かに関係なく、番組としての面白さを成立させたのは、草なぎさんの魅力が引き出されたことが大きいと思う。


「フチ子さん」は、そのリアルなフィギュアの完成度の高さとポージングの多様な楽しさから、もともと一般のかたが動画などで、同じポーズをとる姿が模倣されていたりして、このスマスマの企画自体は目新しいものではない。だが、スマスマの企画として成功したのは、「ツヨ子」さんがとるポーズが、完成形を見せるだけではない、メイキングのような作りにあったような気がする。


またテレビにつきもののテロップやナレーションがなくて、「静止画のフチ子さん」の声と、「チャレンジする草なぎ剛さん」とのシンプルなやりとりの画面構成も良かった。目をそらされる要素がないことで、草なぎさんのチャレンジをじっくりと見入って、そのポーズをとるまでの過程の面白さや、真剣さがダイレクトに伝わってきた。


また、ファンなら周知の草なぎさんの人間的魅力、身体能力の高さを、この企画はファン以外のかたにも伝える効果もあったと思う。時期がたまたま、いろいろ報道があって注目が集まりやすかったこともあるだろうが、この企画はいつ行っても人気企画になったのではないかと思っている。


草なぎさんの魅力が多方面で出ている

メイキングのような作りだったことで引き出された、草なぎさんの魅力についてもう少し細かく書きたい。


まずは、女性らしさと男性らしさのギャップだ。草なぎさんのファンなら、草なぎさんが「SMAPいち運動神経がよく、男気があり負けず嫌い」というのは定着した印象だが、一般的にはまだまだ草なぎさんは、線が細い草食系のイメージもあるだろう。


「フチ子」さんは一般のOLを想定したキャラクターだと、制服から想像できるが細かい人物設定はあえてしていないようだ。そういう「普通の女性」として、「ツヨ子」さんは、OL風の制服の衣裳、ツインテールの髪型、メイクをほどこしている。導入部分では、コップに足をクロスさせた女性らしいポーズで腰掛け、おすましをして、女性言葉で受け答えをするところからコーナーは始まる。が、一転、ポーズの指示が出ると、草なぎさんは女性っぽい言葉やしぐさを度外視した、素の草なぎさんの言葉遣いやしぐさになるギャップが面白い。



言葉遣いについては、一見、一人語り風なのだが、スタッフの歓声との掛け合いもあり、そこがまた味がでている。実際に会話をしているかのように、ポーズ指示を見ながら、「難易度高くなーい?」「〜かよ」と言ったり、コップのフチでバランスに四苦八苦しながら、「やっべー」を連呼したり、ポーズの後に元の姿勢に戻ろうと「よーし」とか、「落ちてまたるか」と巻き舌のように喋ってガッツを見せたり、制服を着ながら設定はどこ吹く風、女性言葉が皆無なのが、妙におかしい。素でいるように見えて、それでも最後は、「こんなんなりましたけど」とコミカルでキュートな面を見せて終わらせるのも、バラエティという企画の意図を見失っていない冷静さも感じる。


ちょっとした言葉遣いにも草なぎさんの思考は出ていて、やっべーという一見、愚痴とかネガティブに聞こえそうなものも、草なぎさんにとってはちょっとした枕詞のようなものであるとわかる。何よりどんどん行動をしているからだ。また、ポジティブシンキングな「クオリティ高くなーい?」と自画自賛したり、「今日は落ちるわけにはいかないから」と、自分を鼓舞するような言葉もあり、草なぎさんのタフな側面もうかがえる。


また、ポーズをとるにあたって、女性でスカートという衣裳の設定おかまいなしに、がばっと足を開いたり、見せパンを見せたり、しょうがないよねと言いながらポーズを成功させるのを優先させた、恥じらいがあるようで全然ない、男性らしい大胆さも笑えてしまう。合理的にスカートをたくしあげたり、パンツが見えるのをおかまいなしによじ登ったり、必死にポーズをとったり、元の姿勢に戻ろうとするのが、観ていて恥ずかしいやらおかしいやら。


また、日頃から鍛えている足が、肌色ストッキングによって男性を感じさせる足ではなく、足首が引き締まった美脚の女性の足に見えて、男性の草なぎさんがポージングをとっていながら、角度によっては女性のなまめかしさすら感じる不思議な効果もある。後ろから映した姿も同じで、細身の草なぎさんが制服を着ることで、男性なのに女性っぽい、女性がこのポーズを必死にとっているように見えるのだ。男性が女装するとときに男性っぽさが抜け切れず薄汚く見えるかたもいるが(失礼)、草なぎさんは、随所に女性っぽさも残したままで、本当に適役だなと思った。

草なぎさんの集中力、身体能力、エンタメへの熱意

私がこの企画を観ながら、一番最初にはっとしたのが、草なぎさんの集中力のスイッチの入る時間の短さだ。ポーズ指示後、「やっべー」と言いながら、ぐずぐずしながら、なかなかポーズをしないのかなと思っていたら、喋りながらもすぐに体勢を整え、重心のバランスを調整し、会話を止めて一呼吸だけ静かになり、一気にポーズを決めに入って静止する。そして、カウントダウンを指示する。この時間がものすごく短くて、ああ、草なぎさんって人にずっと見られる仕事をしているから、ものごとの結果を出すための集中力の入れ方も早いんだと驚いた。


比較するのが正しいかわからないが、今年の年初、木村拓哉さんが、「さんタク」で真剣を使った「居合い斬り」に挑戦しているが、その実際の日本刀を使った場面ゆえか、木村さんの集中力の入れ方は物音一つ立てられないくらいの緊迫感があった。それは、本物の刀ゆえに怪我をする緊張感もあったと思うが、物事を達成させるための緊張感でもあった。まさに集中そのものの名シーンだった。


草なぎさんのこの企画も、安全に配慮されているとはいえ、怪我をしかねない危険な企画であることには違いない。今現在、連続ドラマの主役をしている草なぎさんは絶対に怪我ができない立場にいるだろう。だから、ポーズをとるのも本人はまさに真剣勝負でこの企画に挑んでいると思う。それなりに不安もあっただろう。でも、その集中のスイッチを一気に入れるスピード、成果を出す力が凄いと思ったのだ。静寂だけが集中力に必要な要素ではないのだと、草なぎさんの日頃から瞬時に結果を出せる底力を感じた。


その集中力を支えているのは、もちろん身体能力だと思う。草なぎさんの身体能力については、過去いろんな切り口で書いてきたが、特に、腹筋、背筋、それから今回特に肩回りと脚力の強さを感じさせられた。とにかく、よじ登るという場面が多く、肩回りをしっかり固定してコップのフチにしがみつき、まずそちらで支点を作れないとそもそも落ちてしまう。その支点をベースに、テコの原理のように片足をひっかけて引き上げていた。足自体にも力がないと登れないのもそうだが、肩回りを支点として足でバランスをとりながら登るのを観ながら、この人は体重移動というものを本当に体でわかっているんだなと思った。


手元に資料がなくて記憶だけで恐縮だが、昔、SMAPポカリスエットのCMをしていたことを思い出した。それで印象に残っているのが、草なぎさん一人のCMバージョンで、回転し続ける一辺2メートル以上はある巨大キューブから落ちないよう、よじ登り続けるというシーンだ。あのときも、草なぎさんの身体能力に驚いた覚えがある。


草なぎさんは子供時代に、器械体操をしていたようだが、その当時平均台をやっていたのかは定かではないが、平均台は確か10センチほどしか幅はなく、そこでバランス感覚を培ったのだろうか。だとしても平均台はまっすぐな台だ。コップのフチはもう少し幅があったとしても、曲線状になっていて、それにハシゴで上るほどの高さもあり、またコップの中には温水とはいえ水に落ちる恐怖もあっただろう。それなのに、あらためてこの上でポーズをとることの勇気は凄いものがあると感心してしまう。また、スタッフがいかに草なぎさんの身体能力を理解して、草なぎさんならできると信頼をして、この企画を考えたことや、この企画の危険度や勇気が問われるところからもわかる。


エンターテインメントのプロだと思わされる面も、見逃せない。落ちるのが企画の結末であるとわかっていながら、「ここで落ちたら面白くないよね」とか、「落ちたらどうしよう」と心配していたり、落ちた後も「落ち方が面白くなかったかな」「勉強だね」と反省したりして、コーナーが成立することを気にしている。単に自分の身体能力を見せる場面ではなく、バラエティ番組としてどうかということに配慮している。また、スタッフの笑いとか歓声にも敏感に反応するような表情を見せていて、ああ、草なぎさんはお客さんやギャラリーに笑ってもらえることが好きなんだな、エンターテインメントのプロなんだな、人にどう見せるかを意識してきたかたなんだなと思わされたのだ。


最後に、番組では触れていないが、ファンからすると「コップのフチ子さん」のキャッチコピー、「コップのフチに舞い降りた天使」というのも、ぐっとくるかもしれない。草なぎさんはその天然の癒しキャラで、「天使」と言われることも多い。私も過去に「草なぎ剛さんの天使の翼」と、タイトルにつけた記事を書いたこともある。


今日は、真面目に細部を分析するのがナンセンスとは承知で、草なぎさんの魅力と素晴らしさを少しでも伝えたくて記事を書いた。動画で観るのも楽しいだろうが、それを文字で表現する人間が一人でもいることで草なぎさんの良さを伝えたい。これが今の私にできる、小さな応援のかたちだ。心に留めるだけでなく、文字で書くことにこだわりたいと思う。


草なぎさんの純粋な真剣さは、人の心にダイレクトに響く。だから、多くの視聴者の心をとらえた。草なぎさんの素晴らしさが伝わるこの企画、今後も継続してほしいと思う。


では、また。