SMAPさんのパフォーマンスの一秒の価値

こんにちは、検索迷子です。


先日、SMAPさんの『Otherside』のOthersideで、
SMAPさんのパフォーマンスについて書いた。
それとつなげてというわけではないが、
Mステのスーパーライブを視聴して、
またSMAPさんのパフォーマンスを切り口を
取り上げてみようと思う。


今回、Mステを頭から全部観た。
普段は何かしながらSMAPさんだけを
観る感じだったが、他のアーティストの
かたのパフォーマンスにも興味があって、
じっくりと観てみようと思った。


というのは、この数か月集中してSMAPさんを
観た感想を書いてきたが、だんだんと、
Twitterのフォロワーさんが増えたこともあり、
入ってくる情報も増えてきたこともあって、
SMAPさんをフラットにまだ観られているか、
という気持ちも少し持っていたからだ。


ファンでないと書きつつ、身びいきみたいな
視点になっていないだろうかと少し思ってて、
普通に番組を通して観ながら、どうSMAPさんが
目に飛び込んでくるのかと俯瞰してみたかった。


私がこれまで書いてきたことは、
SMAPさんを誰かと比較することのない、
絶対的な印象であって、
他のアーティストのかたとの比較した、
相対的なものではなかったから、
いちアーティストとしてどう見えるか、
改めて知りたいと思ったのだ。


といっても、誰々と比べてどうという視点
ではない。
何が人を惹きつけるのだろう、
何故ずっとトップでいられるのだろうと、
SMAPさんが際立っている点を知りたいと
思ったのだ。


番組中、番組を観おわった直後は、
なんとなくもやっとして、わかったような
まだわからないような気がしたが、
しばらく考えてみて、わかったことがある。


それは、一秒の使い方がうまいということだ。
これは実際の一秒と、短時間の持ち時間という
意味も両方含めてだ。
その特徴的なことを、
トークと歌に分けて書こうと思う。


まず、冒頭の木村さんのトークだが、
「38年ぶりの満月のクリスマス」という
キャッチーな言葉をさらりと発言した。
話を振られてすぐ、こういう一言が出て
きて、聞き手にインパクトがある会話が
出来てすごいなと思った。


冒頭の挨拶は、
今日はよろしくお願いしますと、
とかく形式的となりそうなところ、一言で
何を話したかの印象をしっかり残したのは、
木村さんだけで、秀逸だと思った。


そして、歌前のトークだが、
メンバー全員が今年を振り返ってという
同じテーマで一言ずつ話をしたが、
それぞれがコンパクトに要点を話し、
無駄がなく今年を総括していた。
ああ、SMAPさんって、短時間で端的に
ハイライトの話題やテレビ局に沿った
話題を話すことができ、知的レベルが
高いなと感じた。


誰かの話題に極端に偏ることもなく、
見事に時間を配分していたかのように、
一人が喋り終えるとそっとマイクを
下ろしたり、首の角度を変えたりして、
次のメンバーにどうぞと暗黙のうちに
伝えるような間合いの良さも感じた。


途中、木村さんのドラマの話に観客席が
沸いたとき、木村さんは一度マイクを
下して、会場にお礼を言っている。
この数秒で会場と対話ができるゆとりや、
声を聴ける力もすごいと思った。


五人が連続して喋っていても、どこにも
間延びした時間がなく、むしろゆったりと
会話の中身そのものを聞けた感じがした。


これはタモリさんの間合いの取り方も
大きいと思うが、SMAPさんの間合いの
とり方や相槌にもゆとりが感じられた。
五人とも全体の話を聞きながら、自分の
話す役割もきちんとまっとうしていた。


と、一通り全員が話してそこで終わる
かと思ったが、中居さんが稲垣さんの
髪をいじったり、木村さんの話題に
突っ込みを入れて、あたりさわりのない
話題に終わりそうなところに、スパイスを
加えていた。


たぶん、少し話を膨らませても大丈夫な、
時間配分がわかったからだろうか。
笑いとなる要素を盛り込んで、全員が
笑顔となったあとに中居さんはマイクを
下し、さっと司会側に話を委ねた。
そして、ゆったりとした間で歌に臨んだ。


と、書けばそれだけなのだが、
この時間の使い方や流れが、本当に
心地良いなと感じた。
一秒も無駄にせず、会話に必要な要素を
全部盛り込み笑顔で終わり、
歌のスタンバイ場所まで移動している
その流れ自体が速やかだなと思った。


トーク部分だけでこんなに書いてしまい、
歌の部分を書ききれるか若干心配だが、
もう少しおつきあいください。


歌での一秒の使い方については、
最初の木村さんがメリークリスマスと
言ったときの真後ろに、スタンバイしていた
はずの中居さんが笑顔でカメラに入ってきて、
数秒にちょこっといたずらのような面白さを
入れられる即興力があるなと思った。


バラード曲に、スパイスが入れられるのは
このタイミングだけで、とてもインパクトが
あった。


そのあと、SHAKEを歌ったが、この曲を
何度も聴いてきて、SMAPさんが好きな曲で、
代表的な曲とは思っていたが、こんなに
ひんぱんにパフォーマンスをするのは
なぜなんだろうと思ったが、少し違う理由が
あるのではないかと気づいた。


それは、曲中、曲間にパフォーマンスを
広げる余地がたくさんあるのだ。
バラードは歌を聴かせるのがメインだし、
マイクスタンドのパフォーマンスなど、
振りが固定のものは何かをはさみにくい。


なので、自由度が比較的高いこの曲が、
オーディエンスとの一体感を作るのに
ふさわしいのかもとパフォーマンスを
見ながら感じた。
SMAPライブのテイストにしたいとき、
SMAPさんはこの曲を使って、
オーディエンスと触れ合っているような
気がしたのだ。


よく目にするのは、木村さんのシーンに
応じた言葉の言い換えや、曲の間に、
お客さんへのメッセージをはさむものだが、
これはどれくらいの長さの言葉が入るか
わかっているからできることだろう。


歌って会場を移動する一秒も無駄にせず、
観客に手を振り、パフォーマンスをし、
カメラが近づくと目線をしっかり向ける。
自分のそばにカメラがいないときでも、
観客に向けて惜しみなく握手をしたり、
いろんな角度の観客席に手を振っている。


Mステのライブは、名前はライブでも、
複数のアーティストのファンのかたが
いるため、全員がファンでいてくれる、
ライブとはノリや勝手が違うことも
あるだろう。


ほかのアーティストのかたも、ライブ感を
出してパフォーマンスをされていたが、
カメラが近づいたときにウィンクしたり、
手を振ったりをしている一見同じような
しぐさも、SMAPさんと何が違って見えた。


何が違うのか番組が終わったあと考えて、
それでなんとなくわかったのが、
数秒の遊び、パフォーマンスにスパイスを
加えるの余地があるかどうかの違いのように
思った。


長く歌ってきた曲ということもあり、
パフォーマンス慣れしていることもそうだが、
場の空気を感じとって、その場に合わせた
テンションでメンバーが同じ温度で、
エンターテインメントに徹しているという
のがあるのではないかと思った。


振り付けがしっかりしているグループは、
立ち位置に時間までにきっちり移動したり、
自分の振りを踊ったりと忙しく、意外と
遊びの数秒みたいな時間がなさそうだ。
だから、カメラが近づいたときだけ、
一瞬で、作ったような笑顔に見えてしまう
ことがある。


カメラアピールのためにカメラアピールを
しているように見えて、前後の曲調とか、
グループ内でのパフォーマンスの濃度とか、
なんとなく個人が思いつくままバラバラに
一瞬の笑顔になっているように見える。


これは、特定のグループを悪く言っている
のではなくて、SMAPさんが際立って、
数秒をうまく使ったパフォーマンスが
上手いと言いたいだけなのだ。


5人が場を盛り上げるテンションが近くて、
どのシーンのどのメンバーを切り取っても、
パフォーマンスの濃さ、視聴者と会場の
観客に対するコミュニケーション密度に
ブレがなく、どこから見てもSMAPである、
というエンターテインメント性を感じる。


たとえば、
木村さんが5人が会場内を移動して、
センターステージに歌う直前に戻ってきた
のを観たとき、一秒さえもおろそかにせず、
お客さんと触れ合うんだなと思った。
かりにワンステップ省略したとしても、
極端にダンスが崩れるわけではなく、
今はお客さんに集中する時間だとわかって
いるんだなと思った。


また、5人がセンターステージで横広がりに
なったときに、そのまま5人が横並びで
歌うのかと思ったら、
目の前の客席にどんどん入り込んでいった。


客席に歩き出す前、一瞬どうしようかと
思っているようにも見えて、本来は
ステージで歌うはずだったのだろうかと
思ったりした。
でも、そこは今こうしたほうが盛り上がる
という一瞬の判断だったようにも見えた。


また、間奏で草なぎさんが一人だけ、
くるっとターンをしたシーンがあり、
ああ、この間奏のうちに一度くるっと
回れる時間があると反射的にわかって、
気持ちが乗ってきてターンをしたんだと
思った。
移動中のカメラへの入りかたも、
躍動感があったり、リズム感があった。


香取さんも、随所随所で一瞬をうまく
使ったしぐさやパフォーマンスを見せて
くれていて、木村さんのような雄々しい
のとはまた違った、身体をうまく使う
愛らしい姿をいくつもしていた。


また、上着を脱いでいない中居さんに、
ジェスチャー上着を脱いでと伝えて
いる姿に、メンバー同士お互いを気遣い、
ちゃんとアイコンタクトをとるなど、
パフォーマンス中でも全体を見て、
数秒でできることのバランス感覚が
いいなと思った。


パフォーマーでありながら個ではなく、
いつもチームとして機能しているのを、
このわずかな数秒は知らせてくれた。


稲垣さんは一貫してクールなようで
ありながら、弾けるような笑顔や、
かわいらしいしぐさをしていて、
オーディエンスの刺激をもらって、
パフォーマンスが変化しているのが
わかった。


それと、メインステージに戻るときの
草なぎさんを見て、このわずかな時間も
ファンサービスを惜しまないんだなと
驚いた。
上着を脱ぎながらの移動だったが、
片方のそでに腕が入ったまま、
上着を脱ぐことよりも、観客と触れる
ことを優先させているんだと思った。


ステージまでは少し距離があり、
次の曲までの長さをわかっているから、
十分に上着を脱ぐ時間もあるから、
いま急いで脱がなくてもいいと、ファンと
触れ合う数秒を大事にしていると思った。


と、つらつら書いてみて、
たぶん、ライブに行かれるファンのかた
からすると当然の光景で、さして驚くこと
ではないかもしれない。


でも、あらためてほかのアーティストと
一緒の空間でSMAPさんのパフォーマンスを
見ると、その違いが際立っていると思った。
エンターテインメントを知っている集団と
して、目の前にいるお客さんを、一瞬たり
とも退屈させず喜んでもらおうというのが、
手に取るようにわかるのだ。


たとえ全員がファンでない場所であっても、
一人でも多くのかたに楽しんでもらおうと、
全力でパフォーマンスをして、
魅力を感じてもらえるように、目が合った
一瞬、一秒の時間を大事にしているのが、
画面からも伝わってきた。
きっとこのライブを生で観たかたは、
SMAPさんのファンになるだろうと思わせる
ような、そういう時間だった。


長くなったが、最後に、
SMAPさんはパフォーマンスのプロでもあるが、
何よりも本人たちがこの時間を楽しんでいる
表情や動きをしていて、それが、いろんな
シーンに熱量、かわいらしい表情やしぐさに
出ているのだと思った。


SMAPとして歌っている幸せをかみしめている
ようにも見えて、その幸せな感じがあふれて、
パフォーマンスのテンションに出ていると
思ったのだ。


一秒で見たいいシーンを切り取ろうと思えば、
もっとあると思うが、記憶がランダムで、
あいまいなところも多いかもしれない。


一秒の使い方がうまいと感動したことだけを、
今日は伝えたいと思って書いた。
一秒でできることを日常意識せずに過ごして
いるが、SMAPさんは音楽とトークがある場で、
長年働いてこられて、この数秒を感じ取る
力が極めて高いのだろうと思った。


ステージの数だけ、この一秒の違いは随所に
生まれ、だからファンのかたはライブに魅力を
感じたり、複数回足を運ぶんだなと思った。


大きな出来事のあるなしに関わらず、
小さなシーンでもたくさんのエッセンスが
あって、一人ひとりのパフォーマンス、表情、
一秒をおろそかにしないその積み重ねで、
SMAPさんの印象ができているのだと、
あらためて思った。


たぶん数分間のパフォーマンスのどこを、
誰のパートを輪切りにして見ても、退屈な
場面はなく、引き込まれるような気がする。


今日と同じ時間は二度と来ないというのを、
今回細かく書き出してみながら実感した。
手を抜かないでパフォーマンスをしている、
というのもあるだろうが、何よりも義務で
なく、その一瞬を楽しんでいることが、
かけがえのない時間なのだと思った。


トークとかパフォーマンスの精度を上げる、
といったレベルで追いつけるものではない、
一秒の積み重ねが、グループ結成の長さ分
ある凄さを感じた。


もう少しシーンを絞ろうかと思ったが、
こうして羅列をしながら、
細部の積み重ねの感じを記録してみたく、
思いついたままに書いた。


とにかく、一秒をたいせつにしようと
思わせてくれる、そんな魅力にあふれた
パフォーマンスだった。


では、また。