SMAPさんの呼称の揺らぎと関係性

こんにちは、検索迷子です。


スマスマのシャッフルビストロの、
木村さんがゲストになった回で、
興味深かったのが、SMAPさんの
メンバー同士の呼称の揺らぎだった。


というと国語の授業のようだが、
呼称とか敬称の使いかたの正しさの
ことを話題にしたいわけではない。
呼称が揺らぐ、つまり、
呼びかたが番組中に何パターンにも
ばらけていき、呼びかたって、
相手との関係が丸わかりするんだと
あらためて思い取り上げたくなった。


とくに、相手への呼びかけかたが、
場面やリラックス度合に応じ変化し、
パブリックとプライベートの境目が
行きつ戻りつするところが面白かった。


ずっとSMAPさんを応援されているかたは、
たとえば、中居さんと木村さんがお互いを
呼ぶ場面などはツボだったかもしれない。


私も、メンバーの組み合わせによって、
お互いの呼びかたが変化するのを、
これ、久々に聞いたとか思いながら、
その変化する状況を興味深く見ていた。


私の数少ないテレビ視聴のときでさえ、
いつからかSMAPさんがお互いの呼称を、
場面に応じ使い分けてるのはわかる。


呼称には、対本人と、
本人がいない場で、第三者と話題にする
ときがあるが、
SMAPさんは年齢を重ねるにつれて、
両方の場面において、苗字呼びが増えた。


苗字を呼び捨てか、苗字に、さんづけ、
またはジャニーズの特徴でもある、
年齢の上下に関係なく「くん」づけの
違いはあるものの、
下の名前で呼ぶ機会が減っている。


この話題を取り上げようと思ったのは、
私の萌えポイントを書くためではなく、
発見が多いからだった。


誰かを呼ぶ呼びかたというのは、
人との距離感や関係性が見え隠れして、
気持ちや個性が透けて見える点に、
気づきが多くて、
自分はどうだろうかと思わされた。


自分に置き換えて考えると、
自分が誰かをこういう呼ぶのは、
こんな気持ちなのかな、
無意識だけどこうかなというのを
考えさせてくれたのだ。


自分が意識して相手をそう呼んだり、
意識してそうは呼べなかったり、
あるいは、仕事上の慣習やルールで
気持ちとは無関係の、定型句での
呼びかたもある。
たとえば、お客さまを、
さん付けではなく、様で呼ぶよう
決まっていることもあるだろう。


逆に、自分への呼ばれかたに、
冷たさを感じるとか、
なれなれしすぎるとか、
なじみがある、温かみを感じるなど、
呼ぶほうも、呼ばれるほうも、
呼称って気にかかることがある。


細かく言い出すとイントネーションも
あるかもしれないがそこは今日の
話題からは外していく。


相手の呼び方には、
呼び捨て、敬称(さん、くん)づけ、
ニックネームや愛称や通称などがある。


また、相手をどうとらえているか、
相手とどう接したいか、
相手と自分の立ち位置はどうかなど、
お互いの距離感も呼称でうかがえる。


相手を自分側の人間ととらえるか、
向こう側にとらえるかの関係性も、
ちょっとした瞬間に呼称に表れる。


中居さんはMCでご活躍のため、
この呼びかけの使いわけが本当に
見事だと思っている。


敬称遣いも、ちょっとフレンドリーな
意図的な呼び捨て、スポーツ選手に
ファン目線で敬意を持った呼び捨て
など、人とたくさん接してきたゆえに
不快感なく状況に応じた使いわけが
できる素晴らしいかただ。
距離感を測るバランスが絶妙なのだ。


木村さんは、呼び捨てをすることで
ぐっと相手との距離感を縮める。
木村さんに呼び捨てにされることは、
自分が認めてもらえたり、
身内感をもってもらえたりするような、
名誉のようなものにも感じる。


そして、最初のスマスマの話に戻るが、
草なぎさんが、
木村さんのカラオケの十八番のクイズで、
「北島サブさん」という言いかたをしている
のを聞いて、
ああ、草なぎさんって、愛称化している
「サブちゃん」とは言わないで、
芸能界の先輩として敬称をつけるのを
忘れないかたなんだなと思った。


でもそこで、北島さんと言うほどには
遠い存在でもないし、サブちゃんと言う
にはちょっと失礼かもという配慮もあり、
結果的に両方が混ざった言いかたで、
その混ざり具合がほほえましくもあり、
とっさの回答に距離感を測りかねていた
のも、興味深かったのだ。


もしかしたら、単純に、
フルネームがとっさに出てこなかった、
ということもあるかもしれないが、
それにしても、サブちゃんではなく、
サブさんだったというのは面白い。


自分がタレントさんの話題をするとき、
愛称とか通称で言うのか、フルネームで
呼び捨てか敬称をつけるのか、
迷うことはないだろうか。


たとえばファン以外のかたに、
木村さんの話題をするとき、
キムタクというのはカジュアルすぎるし、
木村拓哉とフルネームで呼ぶには上から
っぽい気持ちになるし、
木村くんというには近すぎるし、
うーん、なんていえばいいの?と迷う。


以前、スマスマで学生さんが、
黒板アートの作業をしながら、
メンバーをニックネームで呼んでいたが、
さすがに国民的アイドルといわれるだけ
あって、親子ほども年齢が違っても、
親しみを込めて呼ばれていると思った。
学生さんに親しみを持たれていると
わかる場面だった。


自分は、ここで草なぎさんのことを
書き始めたとき、なんて書けばいいか
迷ったが、さん付けが書きやすいと
思ってそうすることにした。


一人の男性として、さん付けはしっくり
きたのもあるし、
もし、草なぎさんに話しかけることが
あったら(願望があるとか空想でなく
一般論で)、なんと呼ぶのがいいか、
と考えたら、普通に社会人同士なら、
さん、かなと思ったのだ。


連続して草なぎさんの話題を書いてても、
愛称をつかいたくなることはなく、
むしろ、敬意から分析めいた話題を書く
ことが多いので、このくらいの距離感が
自分的にはちょうどいいのだ。
他の呼びかただと距離感が近すぎて、
照れてしまう。


そういえば、
草なぎさんが香取さん以外のメンバーを
呼び捨てするのを聞いたことがないが、
呼んだことはあるのだろうか。


もしなかったとしたら、それが草なぎ
さんらしいなと思っている。


パブリックとプライベートで使い分け
できるほど、メンバーは距離感が
遠くない存在だからこそ、
他のメンバーのようにパブリックで
呼び捨てするようなことを、
ごく自然にされていないようにも
お見受けする。


これは、呼び捨てする他のメンバーを
否定する意味ではない。
身内感がある存在の呼び捨ては、
一般的だからむしろ当然だと思う。


草なぎさんが敬う対象と思っている
年長者には、呼び捨てしないのでは、
という推測との比較に、
引き合いに出しただけなので、
誤解がないようにお願いします。


もっと具体的に書けば、中居さんと
木村さんをどの場面でも呼び捨てを
しない印象があるということだ。


もし呼び捨てをしている場面があれば、
あくまで私の数少ない視聴体験による
誤解なので、訂正したいと思う。


最初に書いた、スマスマでの呼称が
揺らぐ時間というのは、
実はとても贅沢な関係性なのかも
しれない。


クールに苗字で接しながら、
本心を語るにつれて、本来の呼びかたで
子ども時代に戻っていくような、
そういう無邪気な時間。


自分は仕事の場で知り合ったひとには、
ニックネーム呼びや、下の名前呼びが、
するのも、されるのも苦手だ。
相手からニックネーム呼びを、
リクエストされてもなかなか呼べない。


SMAPさんが実際どう思われているかは、
わからないですが、
そのシーンから、自分側に引き寄せて、
つらつらと考えさせてもらえた。


5人は、長いつきあいゆえのいろんな
関係性が凝縮されて、接する距離感の
とりかたにもバリエーションがある。
状況の違いが、呼びかたひとつでも、
SMAPさんを多様にみせてくれ、
呼称だけでも深いなぁと思った。


もっと、あのシーンのあの会話で、
と書いたほうがわかりやすかったと
思っているが、
あまりにバリエーションがありすぎて、
書き起こしまでは難しくて、四苦八苦
しながら言葉にしてみた。
なんとか意図が伝わるといいのですが。


今日は、呼称の単語自体に着目したが、
草なぎさん中心に、呼ぶ声そのものの
話題も過去に書いた。
よければ合わせてお読みください。


草なぎ剛さんの声の距離感
草なぎ剛さんの誰かを呼ぶ声
草なぎ剛さんの息が合う存在


では、また。