戦争を語る本、DVD

こんにちは、検索迷子です。


今日は終戦記念日だ。
過去に、戦争をテーマとした書籍、DVDを紹介したブログを書いた気がして、
あらためて見返してみた。
5年前、確かに戦争に思いを馳せて、記事を書いていた。

検索迷子 − 「戦争」を選んだ歴史


終戦記念日が近づくにつれて、
不思議な感情が芽生えていた。


これまで、自分は戦争を体験していないから、
何かを語るなんて到底できないと思っていた。
でも、体験していなくても、
できることはあるのではないかと思うようになってきた。


それは、戦争を語り継ごうとする人たちがいるならば、
自分もわからないなりにも、小さな声の一部として、
その方たちの想いを借りて、戦争を語り継ぐ一部になればいいのだと思った。


この時代に存在するものを、次の時代に伝えていくために、
いいものはいい、心を揺さぶられるものがあるということを、
今年の今日時点で伝えていけばいいのだと思った。


戦争体験を風化させまいと思ったり、
今もなお世界のどこかで続く戦争も含めて、
世界の平和を願ったり、
人が幸せに普通の暮らしができるようにと、
語り継ぐ人たちがいるのなら、そこに寄り添ってみようと思った。


思いの深さや自分事にできるかどうかよりも、
ただ、今日はこう思うというのを記録することだって、
きっと意味はある。


と前置きが長くなったが、
久しぶりにブログを更新しようという気持ちになったくらい、
今日、8月15日に書かなければと思った。

戦争を語る本、DVD


以前紹介したものは、あとで再掲するが、
この一年で何度か見返したものを追加したい。


99年の愛 〜JAPANESE AMERICANS〜』
橋田壽賀子(はしだすがこ)さん著で、
草なぎ剛(くさなぎつよし)さん主演でドラマ化されたものだ。


アメリカ移民、日系一世と二世の目から描かれた戦争は、
国と国の争いという視点だけでなく、
どの国籍で生きるかというアイデンティティを突きつける。
また、誰の視点に共感するかで多層的な見方ができるのが興味深い。


とりわけ、一世と二世の二役を演じた草なぎさんの父と息子の親子にすら、
どう戦争と向き合うかという気持ちに温度差はある。
同じ時代の同じ出来事に遭遇しても、
どのように生きてきたか、
過去、現在、未来のどこに自分の軸をおきたいのかによって、
思考や行動は変わるのだと思った。


長編ではあるが、このような良質な作品はテレビで再放送してほしいし、
映画館のような大きなスクリーンで観たいと思わされた。


99年の愛 ?JAPANESE AMERICANS?  DVD-BOX

99年の愛 ?JAPANESE AMERICANS?  DVD-BOX

99年の愛 ?JAPANESE AMERICANS?  Blu-ray BOX

99年の愛 ?JAPANESE AMERICANS?  Blu-ray BOX

99年の愛 〜JAPANESE AMERICANS〜

99年の愛 〜JAPANESE AMERICANS〜



永遠の0
百田尚樹(ひゃくたなおき)さん著で、
岡田准一(おかだじゅんいち)さん主演で映画化された作品だ。


戦争体験を語り継ぐとき、戦争を本や映像にするとき、
人の心の内面を描くことや真意を伝えるのが、つくづく難しいことだとわかる。
誰かに語るからこそ残る。


誰にも語らない、語れない真実がある。
でも、それをもし知ることができたならば、伝えていくことの意味は大きく、
その意味を丁寧に掘り下げていく人があってこそ、伝わり続ける。
それが、生きている人間にしかできないことなのだと思わされる。


この作品をおすすめしたい理由は、さらにある。
視覚障害をお持ちのかたにも、このDVDは視聴が可能なのだ。


この映像には、視覚障碍者向けの映像補助となる、
音声ガイドというものがついている。
ディスクライバーという役割の方が、作品を丁寧に鑑賞して、
音声だけで映像が浮かぶような、全編通して解説音声が入っているのだ。


当然だが、映画は健常者だけのものではない。
ぜひ、視覚が不自由なあるかたにもこの映画に触れていただければと思う。


永遠の0 (講談社文庫)

永遠の0 (講談社文庫)

永遠の0 (ゼロ)

永遠の0 (ゼロ)



次は絵本を紹介したい。


『せんそうしない』
谷川俊太郎(たにかわしゅんたろう)さん著、
江頭路子(えがしらみちこ)さん絵の絵本だ。


こども向けではあるものの、大人もはっとさせられる。
動物は戦争をしない。
戦争をするのは人間だけなのだ。
そんなシンプルな事実を忘れてはいないだろうか。

せんそうしない

せんそうしない

2010年に紹介した本、DVD


再掲だが、作品は今もなお鑑賞したいものばかりだ。


『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』加藤陽子(かとう・ようこ)著。

それでも、日本人は「戦争」を選んだ

それでも、日本人は「戦争」を選んだ


『歴史とは何か (岩波新書)』
E.H.カー,E.H. Carr,清水幾太郎(しみずいくたろう)さん著

歴史とは何か (岩波新書)

歴史とは何か (岩波新書)

パール・ハーバー』『硫黄島からの手紙』『父親たちの星条旗

パール・ハーバー 特別版 [DVD]

パール・ハーバー 特別版 [DVD]

硫黄島からの手紙 [DVD]

硫黄島からの手紙 [DVD]

父親たちの星条旗 (特別版) [DVD]

父親たちの星条旗 (特別版) [DVD]


そのときに書かなかったが、一つ思い出したものを追加します。
『君を忘れない』唐沢寿明(からさわとしあき)さん、木村拓哉(きむらたくや)さんが出演されたものだ。

君を忘れない [DVD]

君を忘れない [DVD]


いま、こうやって洗い出しながら、
日常のどこかで本や、映像作品に触れてはいるんだと実感し、
その時々で感銘を受けている。


でも、エンタメ作品として見終ったあとは、
他のテーマの作品と同じように面白かった、考えさせられた、
そこでいったん終わっているようだ。


その記憶を引っ張り出すタイミングは、
終戦記念日しかないということに少し負い目を感じつつも、
それでも、何も伝えていかないよりはずっとまし、と思い直す。


そうだ、戦後70年なんだ今年は。


小さな小さな記録だとしても、今日、ここに書けただけでも、
小さな一歩なんだと思う。


平和だからこそ書ける自由のある、この時代に生きている今日だからこそ。


では、また。