自己受容と心の穴

こんにちは、検索迷子です。


二村ヒトシ著、
なぜあなたは「愛してくれない人」を好きになるのか、
文庫ぎんが堂刊を読了した。


アダルトビデオ監督である二村さんの本書は、
2011年に出版されたものを改題、
再編されたものだ。


著作内の単語や事例は、
女性が電車で読むには過激だが、
内容は心理学の本として、人の心の核心をつくものだ。


学者の上野千鶴子さんがコメントしたり、
臨床心理士の信田(のぶた)さよ子さんが対談したりと、
まじめに読めて、考えさせられた。


恋愛という切り口の本だが、
これを、仕事とか夢と置き換えることもできる。


自己受容できてなくて、
今の自分を受け入れてないから、
理想の場所にいる、未来の自分に憧れる。


手に入らないでいる限り、
それは理想であり続ける。


今の自分が嫌いだからこそ、
未来の自分を求めるナルシズムが、
恋愛対象に投影されて、
あるいは夢に投影されてしまう。


だから、自己受容できないうちは、
つらくなるものばかり、
自ら選んでしまっているのだとわかった。


理想とするものに、
現実を変えてもらい、
愛せる自分になれることを期待するかのように。


でも、自己受容できないままなら、
理想が現実になると逃げ出してしまうかもしれない。
好きだったのは、その対象ではなく、自分。
自己受容できないうちは変われない、ということか。



親子関係についても、
生きづらさを、心の穴、
という言葉で説明している。

心の穴は、
感情や行動のクセであり、
劣等感、さみしさ、怒り、罪悪感のいずれかを、
子ども時代に身近な大人によって、
あけられたものだとしている。


そして、恋愛は、
親子関係をくりかえして、やりなおしている、
としている。


恋愛に限らず、
幼少期が、仕事や生き方全般に影響しているのは、
常日頃感じるが、それを掘り下げて、
分類されてみると、なるほどと納得感があった。


骨子は大真面目だが、
あまりにドロドロした事例が
馴染みがなかったりして、
最初はカフェでささっと読んだが、
読み返してみると、
じわじわ、わかるなと思うことが多かった。


読書する場所さえ間違えなければ、
ストレートに、
自分の内面にアプローチされるばかりだ。


自己受容、できてるだろうか。
自分の心の穴は、なんだろうか。


しばし、放心状態になり、
やがて、行動が変わるのを待ちたい。


では、また。