喜びを分け合う

こんにちは、検索迷子です。


散歩道に見事な枝垂れ桜がある。
その枝垂れ桜の前に住むお宅では、
毎年、夜桜が美しく見えるよう、
ライトアップがされている。


散歩中の通行人に、
自由にお座りくださいとベンチが置かれ、
さらに今年は椅子が増えていた。


初めは一軒だけだったライトアップも、
お隣も同じように始められたようだ。


枝垂れ桜は、より華やかさを増し、
立ち止まり、桜の真下に立ち、
ふーっと深呼吸した。


クリスマスシーズンにLEDライトで、
冬空を明るく照らすのはよく見る光景だが、
この枝垂れ桜のライトアップは、
まさに、たまたま住む場所の目の前に、
一軒家があるという偶然と、
その景観を分かち合いたいという、
見知らぬ誰かとつながる、
温かな気持ちまでが伝わるものだ。


桜の木は当然、公共の区画にあり、
誰でも堪能できるが、
プラスアルファとして、
ライトアップやベンチがあるだけで、
桜の景観や、今年もこの桜が見られたという、
喜びの分かち合いの象徴にもなっている。


住人のかたとお話しをしたことはないが
毎年、枝垂れ桜を美しく見せてもらえて、
とても感謝しているし、
その分かち合いの心の美しさに、
はっとする。


ああ、今年も枝垂れ桜の季節だと、
ライトアップされた桜の真下にもぐり、
空を見上げるのも、私の恒例行事だ。


分かち合えるものを持てる、
その気持ちの豊かさも、
毎年、はっとする。


自分も、喜びを分かち合える、
そうやって他人に与えることができる側になろう、
と桜の真下でそっと誓う。


では、また。