脳が変わる考え方(1)

こんにちは、検索迷子です。


茂木健一郎(もぎけんいちろう)さんの、
『脳が変わる考え方 もっと自由に生きる54のヒント』、
PHP研究所刊を読了した。

脳が変わる考え方―もっと自由に生きる54のヒント

脳が変わる考え方―もっと自由に生きる54のヒント


茂木さんの本は、
テーマがそれぞれ面白いだけでなく、
事例とされている内容が身近だったり、
引き合いにしている人物になじみがあったりして、
すとん、とその内容が落ちてくるものが多い。
本書もそういう一冊だった。


54のヒントとあるように、
考え方の多様性を磨くエッセンスがそれだけ紹介されているが、
なかでも印象深かったものを書いておきたい。
先頭の番号は、54のヒントとしてつけられていた番号だ。
引用した文面はその章からピックアップしている。

10 「何をしたときに褒められたか」で行動パターンは決まる


脳科学的に言えば、人間の行動パターンは、子どものときから「何をしたときに褒められたか」で決まります。
脳内には、ドーパミンという報酬物質があります。人間というのは、「関係性欲求」が強いですから、このドーパミンという報酬物質は、人から認められるとよく放出されます。「何をしたときに褒められるか」でこのドーパミンの放出パターンがほぼ決まるわけです。

(中略)
日本人はいままで、所属や肩書きを、社会的な承認が得られる「安全基地」としていたわけですが、これからはモデル・チェンジをして、自分自身の能力や才覚、あるいは共鳴する人とのネットワーク、そういうものを安全基地にしなくてはいけないのです。
この「安全基地」という考え方を提唱したのは、心理学者のジョン・ボウルビィです。彼が発見したのは、子どもが保護者によって安全基地を与えられることによって、はじめて安心して、新奇性探索ができるということです。逆に言うと、保護者が安全基地を与えてくれないと、子どもは新しいことを上手に学べなくなってしまいます。

(中略)
日本がなぜ、偶有性に向き合えないような社会になっているかというと、おそらく、日本人が心理的な安全基地を持っていないということです。


以下にもいくつか紹介するが、
一番自分がしっくりきたのがこの内容だった。


自分に置き換えて考えると、
書くことを褒められた経験が、
こうしてブログを書くきっかけにつながっている。


そして、うまく行かなかったことは、
安全基地がなかったからだと腑に落ちた。


偶有性については、後日レビューしようと思っている、
他の本で詳細は書こうと思うが、
簡単に書くと、予想可能と不可能の状況の入り混じる状態と、
偶然を必然と受け入れる跳躍の二種類のことのようだ。


他にも紹介したい。

20 根拠のない自信とそれを裏付ける努力を
−サッカー中澤選手の事例を引き合いにして


根拠のない自信を持ち続け、それを裏付ける努力を続ければ、誰にでもチャンスが訪れる可能性がある。いま、その人が何者でもなかったとしても、その人に根拠のない自信としれを裏付ける努力があったら、その人はなにかやるかもしれないのです。

26 最大の欠点の近くに、最大の長所がある


脳科学をやっていて非常に面白いと思うことは、誰でも、最大の欠点の近くに最大の長所があるという事実です。
例えば、私は昔から多動症というのか、どうも落ち着きがありません。落ち着いて座っていろと言われても、絶対に無理なのです。しかし、この多動症という最大の欠点の近くに、いろいろな仕事が同時にできるという長所もある。
私は、論文を書いたり、脳科学の研究を行う一方で、テレビのバラエティ番組にも出させていただいたり、本を書いたり、いろいろなところで講演をさせていただいたりしています。ですから、本当に時間がありません。
底で私は、集中しようと思った一秒後には、トップスピードで仕事ができるように訓練しました。
これは誰にでもできます。集中できるかどうかは、生まれつきではないからです。脳の前頭葉の回路に「背外側前頭前野(dorsolateral prefrontal cortex)」という脳の司令塔があり、脳の資源管理をやっています。
「今は、こういうことに資源を使おう」ということを管理する回路です。kの回路が強い人は、瞬間的に集中できます。これは、筋肉を鍛えるのと同じです。腕立て伏せをやれば、どんどん腕の筋肉が太くなるでしょう。同じように、瞬間的に集中するというトレーニングを毎日やっていれば、必ずできるようになります。

(中略)
学校の勉強ができなかった人がいたとしても、そんなことはたいしたことではありません。人見知りする、あるいは、じっくりとものを落ち着いて考えない。どんな欠点でも同じです。
最大の欠点のすぐそばに、最大の長所があるのです。


まだ紹介したいものがあるが、
長くなったため、後日続けて紹介しようと思う。


では、また。