フィッシュ!

こんにちは、検索迷子です。


タイトルだけでどんな本か想像できなかったが、
とても面白く読めた本があった。


『フィッシュ!−鮮度100%ぴちぴちオフィスのつくり方』、
ティーヴン・C。ランディン、
ハリー・ポール&ジョン・クリステンセン著、
相原真理子(あいはらまりこ)訳、早川書房刊がそれだ。

フィッシュ!―鮮度100%ぴちぴちオフィスのつくり方

フィッシュ!―鮮度100%ぴちぴちオフィスのつくり方


相原真理子さんといえば、検屍官シリーズで著名な翻訳者で、
その方が訳された本というのも興味深かった。



本書はシアトルに実在する、
パイク・プレイス魚市場がモデルとなっている。
以下はそのURLです(英語サイト)。
http://www.pikeplacefish.com/


ストーリーは、停滞した職場に配置転換された女性管理職が、
ごみ溜めと言われる自分の職場を変えるためのヒントを、
この元気な魚市場からヒントをもらい、
それを部下に伝えることによって職場をガラリと変えられた、
というものだ。


と書くと単調に聞こえるが、
この本は実際に魚市場のとても楽しそうな雰囲気が伝わるのだ。
魚が宙を飛ぶパフォーマンスを見てみたい気にさせられる。


が、本当のキモは、いかに単調な仕事を楽しくするかという、
心の持ち方にあるのだ。
それが、本書ではお説教めいたものではなく、
今目の前で繰り広げられている楽しさを、
どうしたら自分も体験できるのかとワクワクさせられる感じがある。

イキのいいオフィスへの4つのコツ


本書で紹介されている内容を引用する。
表紙カバー裏から引用する。

魚市場発!
イキのいいオフィスへの4つのコツ


態度を選ぶ
−常にポジティブな姿勢で出社するように心がけること。


遊ぶ
−オフィスが活気にあふれるような遊び方を取り入れることが大事。


人を喜ばせる
−顧客や同僚に対してエネルギッシュな楽しい雰囲気で接しよう。


注意を向ける
−人があなたを必要としている瞬間を逃がさぬよう、いつも気をくばろう。


今日からあなたのオフィスも生まれ変わる!


その秘訣を世界一活気に満ちた魚市場がお教えします。


このなかで、特に印象に残ったのが、
態度を選ぶ、ということだった。


笑顔でいるか、しかめっ面でいるか、
それを選んでいるのは自分なのだということだ。


主人公の、メアリー・ジェーンがメモした一文が印象的だ。

仕事そのものは選べなくても、
どんなふうに仕事をするかは自分で選べる


確かに、自分は選べるのだ。
毎日をどう過ごすか、職場でどうであるか。
変えられない環境はあるものの、
変えられるものはあるのだということを忘れていたような気がする。


自分自身は、オフィスをどうこうというために本書を読んだわけではないが、
オフィス全体を活性化させるために、
仲間と一緒に本書を読んで実践するというのも大いにありだと思う。


自分はまずは、態度を選ぶということを実行するところから始めたい。


最後に、本書が残念だと思うのが、
やはりタイトルから中身が推測しにくいことだろう。
副題があっても、これがビジネスに有効な本だとは気づきにくい。
実際、自分も何度か参考文献でタイトルを目にしていたが、
本書を読もうと思うまでに少し時間を要した。


もっと早く手にしたかった一冊だ。
この本はぜひ、職場や、自分自身が停滞した空気のなかにいる人たちに薦めたい。
こういう魚市場がある、という事実だけでも、
本当に楽しくなる一冊だ。


では、また。