電話できる距離


こんにちは、検索迷子です。
以前、私は電話が苦手だった。
かけるのも、受けるのもそうだった。


人当たりがいいため、
電話が苦手というとなかなか信じてもらえない。


もともと文字で言葉を伝えたいというのもあるし、
たまたま自分がいた複数の会社が、
メールでコミュニケーションをとったり、
必ず文字で伝達することを重視したりしていたため、
電話よりメールを何よりも大事にしていた。


でも、転職をするうちに、
メールは補助的なものでしかなく、
電話で話すことが最優先される場が少なからずあるのがわかった。
特に、法人営業をしている場合、電話が何よりも大事で、
メールでのタイムラグは許されない場合が多かった。


Webで仕事をしている人に限って言えば、
制作や内勤の人は終日席にいることが多いため、
メールをむしろ好む人が多い。
電話で作業が中断されるのを嫌ったり、
喋っているのを他の人に聞かれたり、
文字で指示が残らないのを好まなかったり、
理由はそれぞれだが、メールが主となっている。


でも、対人で仕事をすることが多い営業や、
人と話しながら進める業務は圧倒的に電話なのだ。


法人営業をして電話が嫌いと言っていられなくなった。
かかってくるし、かけなければならない。
メールで済ませようとしても、
すぐに電話するようにと周囲から指示が入る。


あるいは、メールをしても、
必ず電話で補足するのがマナーだったりする。
よく笑い話になるが、
メールしましたから見ておいてくださいと電話する、
というのはもはや常識なのだ。
メールを一日見ていられない人もたくさんいるのだ。


で、電話が苦手だったという話だが、
今はかなり平気になり、
むしろ苦手だったことが嘘のようになっている。


これは、法人営業で一緒に同行していた仲間や、
クライアントや、パートナー企業さんからと、
コミュニケーションをとるうえで、
普通に必要なことなのだと体感したからだと思う。


電話をさっとかけて、
電話がこまめにかかってきて、
という当初は苦手だったことも、
慣れてしまえばなんてことのないものになった。


また、自分から気軽にいつでも電話して大丈夫と思える人も、
こうした経験からわかってきて、
なんてことのない会話でも電話ができるようになった。
相手もかけてくるし、自分もかけられる。


となると逆に、
メールでしかやりとりしない人との距離感が、
時にもどかしくなるようになった。
さっと話してしまえばすぐ終わるようなことも、
メールでこつこつ入力して、
返信を待って、また送って、また返信して、
というやりとりがもどかしくなったりして。


私がよく連絡をしている人は、メールをほとんど書かない。
受け取って読むが、メールのレスには意味を感じないらしい。
なので、本当に話したいことがあるときは、こっちから電話する。
すると、いつでも快く話をしてくれる。
たとえ短時間でも、メールとは全く違った距離に近づける。


もともとは、メールでやりとりを始めたのだが、
相手がちょっとしたことでも電話をかけてきて、
こっちが苦手などしるよしもなく、
しぶしぶ電話を受けていた。


でも、いつ話しても話がクリアにまとまっていくので、
ああ、電話のほうが合理的だなと、
私がその人とのコミュニケーションのとりかたを変えてみた。
自分からも電話するようになったら、随分と関係性がよくなった。


電話できる距離に人がいるって大事なことだなと、
メールの文字だけでは伝えきれないジレンマを感じるとき、
ものすごく実感する。


言葉を声で伝えるって、とても意味があることなのだと。


電話できる距離にいる人が、少しずつ増えるというのは、
とても嬉しいことだ。


もちろん、メールを書くことも大事なことだが、
相手の体調やコンディション、
周辺の空気などを感じられる電話での時間も同じくらい大事にしようと思った。


電話できる距離、たいせつにしよう。


では、また。