酒井穣「君を成長させる言葉」

こんにちは、検索迷子です。


先日、酒井穣(さかいじょう)さん著『君を成長させる言葉』、
日本実業出版社発行、を読んだ。

君を成長させる言葉

君を成長させる言葉


酒井さんを知ったのは、4年前の、
『はじめての課長の教科書』ディスカバートゥエンティワン発行の本でだった。

はじめての課長の教科書

はじめての課長の教科書


そして最近、
『「日本で最も人材を育成する会社」のテキスト』 光文社新書発行を読んでいた。

「日本で最も人材を育成する会社」のテキスト (光文社新書)

「日本で最も人材を育成する会社」のテキスト (光文社新書)


『はじめての課長の教科書』の酒井さんの印象があったせいか、
ビジネスのハウツー本を書く方だと思っていた。


そのため、今回の本ははじめは、同一人物と気付かなかった。
こうして、ひとつひとつの言葉を大切に積み上げていき、
そこから物事の本質をとらえていく方なんだと思った。


酒井さんが大切にされている言葉を紹介していただけて、
お得感のある本だった。


他者の言葉と、酒井さんの感想と見開き構成なのだが、
それが目の前で説明を聞いているようなページ体裁で、
肩の力を抜いて読める一冊だった。
ただ、言葉一つひとつは心にずしんとくるものばかりだ。


酒井さんのご活躍は次のサイトでも見られる。
NED-WLT(酒井穣のパーソナル・ブログ)
フリービット株式会社


いっしょに同じ方向を見る


いくつも心に響く言葉のなかかで、
私をぐいっと引き寄せたのが、次の二つだ。


本書から引用する。

CHAPTER2
communication
よい人間関係を築く


words for you 41
経験はぼくらに教えてくれる、
愛するということは、おたがいに
顔を見あうことではなくて、
いっしょに同じ方向を見ることだと。


作家/サン=テグジュペリ(『人間の土地』)

「人間の土地」は、次の本のようだ。
私は原典は残念ながら見ていない。

人間の大地 (サン=テグジュペリ・コレクション)

人間の大地 (サン=テグジュペリ・コレクション)



そして、もう一つ。

CHAPTER2
communication
よい人間関係を築く


words for you 43
私の思っている私よりも、
この人といる時の方が
私が出てくるって思ったら、
その人といることは、
すごく嬉しくなるわけで。


コピーライター/糸井重里(『BRUTUS』2011年4月15日号)


どちらも、恋愛だけでなく、
仲間との関係にも共通するものがある。


数ある言葉のなかから、
今の自分がこれを選んだということは、
これを今、必要として、探しているからなのかもしれない。


同じ方向を向いて、
お互いの良さを引き出しあうような関係を、
これまでいくつも経験してきた。
同じ方向を見ることにこだわってきた。


ずっとそういう関係は続くのだと思っていたけれど、
それは、努力をしなければ持続しないものだとわかったり、
環境の変化によって分断されてしまう痛みも知った。
強く引き裂かれたわけではないのに、
自然と時間と空間によって、離れてしまったということもあった。


どんな環境でも、同じ方向を向ける人と出会えるかと言うとそうではない。
むしろ、共有する場で同じものを見られる目標が弱いときは、
どんなに寄り添おうと思っても、それは叶わない。


この二つが染みる。
そして、同じ方向を向いて、嬉しくなるような人と、
再び出会いたいと切に願う。


本書からの引用は、また他のテーマでもしたいと思っている。
それは後日書こうと思う。

関連の過去のエントリー


本書とは直接関係ないが、
サン=テグジュペリのことに少し触れたことがある。
茨木のり子さんが、サン=テグジュペリ星の王子さま」を
下敷きに書いた文章によって、
摘蕾(てきらい)という言葉を、覚えたきっかけとなった話である。

一本のばらの花か、摘蕾か - 検索迷子


糸井重里さんについても過去にふれたことがある。
糸井さんが、吉野弘さんの詩「美しい夕焼けも見ないで」を
語っている、という内容だ。
美しい夕焼けも見ないで - 検索迷子


ブログを長く続けていると、
自分が活字として接点を持ち、好ましいと思う人たちは、
自分から情報を探しに行かなくても、
他の人経由でも知れるようになっているのだと不思議な感覚になる。


だから私も意図的に、過去の記事を探して、
このエントリーを読んでくれた人に、
おまけのように追加情報のリンクを貼るのだろう。


同じ方向を向く、ということには、
こういうブログでの小さな出会いもあるのかもしれない。
そうであってほしいと願う。


嬉しくなる一瞬を、あなたに。


では、また。