いい言葉はいい人生をつくる

こんにちは、検索迷子です。


精神科医斎藤茂太(さいとう・しげた)さんの、
『いい言葉は、いい人生をつくる』
『続 いい言葉は、いい人生をつくる』を読んだ。

いい言葉は、いい人生をつくる (成美文庫)

いい言葉は、いい人生をつくる (成美文庫)

続・いい言葉は、いい人生をつくる (成美文庫)

続・いい言葉は、いい人生をつくる (成美文庫)



最近、まとまった時間や休日がとれず、
何か久しぶりにゆっくりと本を読み、
心のなかにじんわりときいてくるような本だった。


Wikipedia - 斎藤茂太


斎藤さんの本には、お父様の歌人斎藤茂吉さん、弟の北杜夫さんも登場し、
ご家族との絆やエピソードにも多くふれられる。
そういった楽しみ方もある本だが、
ごくごく普通に、心が軽くなるような本だった。


斎藤さんが長年手帳に書き記した、
ちょっといい言葉をもとにエピソードが書かれた内容だが、
どの言葉が、というよりも、
どの言葉も何度も反芻したり、そのときの心理状態で、
心に留まる箇所が違うような気がした。


精神科医というお仕事柄か、
押し付けといった文体ではなく、
ごく普通の毎日のなかに、ごく普通の発見や成長があるのかも、
そんな気持ちにさせてくれた。


力を抜いていこうと、やわらかな言葉たちを読みながら思った。
なんとか術という本とは異なり、
自分を受け入れることで開ける道はあるのかもしれないと気づいた。


それにしても、各界著名人の方たちのエピソードがたくさん出てきて、
この本だけで時代感が伝わってくる。


こまめに雑誌などでチェックして、
異業種の方の発言に興味をもたれたり、
自分のことと照らし合わせて考えたり、
一般化したエピソードにしたりということが本書はとても豊富である。


好奇心の旺盛さや、
時の人の旬なエピソードをくみ上げる感度の高さに、
とても驚いた。


続編のほうで命が限りあるものという話を書かれているが、
奇しくも、発行されてから半年後の2006年に斎藤さんは亡くなっている。
命というものを考えたりするのは、
この執筆中は意味深い時期だったのだろうか。


いい言葉に気づく感性はいつだって、
自分のコンディション次第なのだと気づかされた箇所がある。


続編の、はじめにの部分に次のような記述がそれだ。

言葉からメッセージを引き出すのは、ほかの誰でもない、自分自身なのだ。
あなたの心が元気ならば、言葉は生き生きと、力強いメッセージを発する。
あなたが元気を失なっていれば、同じ言葉から、なんともむなしい響きを感じたりする。


言葉のメッセージを受け止められる自分でいるだろうか。
うつむいてばかりで、
今、見聞きした、いい言葉を素通りしていないだろうか。


いい言葉は、いい人生をつくる。
それを実践された斎藤茂太さんの生き方のなかに、
自分のこれからの視点のありかたを学んだ気がした。


いい言葉を気づける自分であり、
いい言葉を他のひとにも伝えていける自分でありたい。
そうやって、いい言葉を循環させながら、いい人生をつくりたいと思う。


では、また。