こんにちは、検索迷子です。
飼っているペットが少し前に、かなりの出血を伴う怪我をした。
動物用の医療品の用意がまるでなく、とっさのことに慌てた。
流れる血を見て、何をしていいのか頭が真っ白になった。
我に返り、人間と同じだと思い、
ストックしてある包帯で止血した。
なかなか血が止まらず、包帯を何度も交換した。
念のためビニールで保護もした。
ところが動物病院に連れて行こうとして、さてどうしようと思った。
サイズが大きいこともあるし、出血してしまう心配もあるし、
暴れるかもしれないしと考えると、自分で連れて行くしかない。
が、そんなに簡単に自分では運べない。
と、随分昔に買ったカートがあることを思い出し、
大急ぎでほこりを払い、それに乗せることにした。
が、暴れてじっとしてくれない。
サイズも全然小さくて、かろうじて体が入る程度だった。
体が半分出ているが何とかそれに乗せて、家を出た。
しかし、いきなり戸惑った。
家のすぐ前が階段なのだ。
この重量のカートを持ち上げるのかと思うと、がくぜんとした。
それでも、踏ん張りながら持ち上げて、ほっと一安心。
そして、道に出て歩き始めたが、
普段押し慣れないカートのため、なかなか進まない。
そのうえ、ほんの少しの段差で立ち往生してしまい、
その都度、カートを持ち上げる必要があるとわかった。
信号を渡っているとき、
ちょっとした段差でうまくカートを持ち上げられず、
ペットを乗せたまま横転してしまった。
驚いたペットは、そこから脱出しようとした。
カートは起こさなければならないし、
ペットも守らなければならない。
ばたばたしていると、通行中の人が手助けしてくれた。
ちょっとしたことだったが、手がほかにあるということがとても助かった。
無事に時間内に動物病院に着いて、消毒をしてもらい、
きちんと包帯を巻いてもらった。
さて、帰宅しようと会計をしていたら、なんとまた出血しだした。
結局、診察室に逆戻りして、もう一度消毒してもらい包帯をしなおした。
帰り道、このまま傷が治らなかったと不安な気持ちになり、
大丈夫なのだろうかと思って悲しくなった。
そして、数日経過して、
包帯もはずして、普通に生活できるようになっている。
それを毎日見守りながら、
ペットが健康でいてくれること、
毎日一緒にいられることが、
本当にかけがえのないことだとわかった。
そして、道路の真ん中でカートを横転させて、
泣きそうな気持ちになっているときに、
そっと手を差し出してくれた人の優しさに感謝したいと思った。
カートを押さえていてくれるだけのことが、なんとありがたかったか。
ご機嫌に毎日を過ごすペットを見ながら、
何気ない、普通の毎日と、
健康であることの大切さを実感した。
そして、小さな優しさと見えることが、
とても大きな温かさになるのだということも。
人間のこと以上に、ペットにまつわる経験は、
人間らしさや、人としての自分の度量というものがわかったりする。
何はともあれ、健康でいてくれて、
それだけで嬉しい。
傷口はまだ完治しておらず、
むきだしの傷口を毎日消毒するたびに、心がちくりとする。
守るべき存在、大切にすべき存在に対して、
きちんと責任を持っていこうと思った。
健やかに、一緒に生きていってもらうために。
では、また。