洗脳力

こんにちは、検索迷子です。


自分にとってなじみがない概念とか、発想の本に出会ったとき、
その思考がすんなり入ってこないが気になることがある。


そういう不思議な違和感を、苫米地英人(とまべち・ひでと)さん著の、
『洗脳力』を読んで感じた。

洗脳力 (アスコムBOOKS)

洗脳力 (アスコムBOOKS)


たとえば、
私はといっている限り幸せになれない、という考え方。
もっと抽象度を上げたり高めたりすることによって、
自分個人だけない幸せや、夢や満足感を考えることで、
より目標への達成度合いは高まるという。


小さなレベルではなく、大きな抽象的なレベルで考えるほうがいい、
というのはわかるような気がするけど、なかなかそういう思考には切り替えにくい。
ということが、実現できるレベルを小さくさせてしまうことなのかと思ったりした。


また、夢実現プログラムでは、ドーパミン分泌プログラムとして、
夢に向かうことが快感であることを自分に思い込ませるというものがある。


それには、「共感覚」を使って、ある感覚を別な感覚に置き換えることに、
効果があるようだ。
たとえば、社長になりたいなら、椅子に座ったときの匂いや音、感覚をイメージする、
といったことだ。


その五感を覚えておいて、自分の過去で一番快感だったときのことと、
今なりたいものや叶えたい夢と重ね合わせて、
夢が実現することが快感だと思えるよう、
自分をコントロールするのが有効だという。
これは、できるのかできないのかちょっとぴんとこないが、
なるほどと思った。


さらに、
夢が叶う人というのは、
叶えた瞬間にそれを否定して別のものに取り替える人ではなく、
「現在の自分が常に夢を叶えている人」ということのようだ。


現在の自分が再考だと思える人とは、
現在、すでに過去に追いかけていた夢を叶えている人、
つまり常に自分の現在を「夢が叶っている自分」と思える人という。


これは、ちょっと驚く発想だった。
未来に向けて今を否定するのではなく、
今も夢が叶った状態にあるのだと思うことが、
より大きなものをつかむことなのだと思った。


他にも、自分の日常的な思考からは思いもつかないような視点で、
読み進めるたびに、立ち止まっては戻り、戻っては進みを繰り返しながら、
読了した本だった。


苫米地さんは多くの専門ジャンルがあるかたで、
多角的に物事を考えたり、興味関心がたくさんおありで、
知見の深さに圧倒される本である。


何か、同じ「夢」という単語を使っても、
その概念の捉え方がこんなにも違うものなのだろうか、
そういうことを考えてしまった。


一つのことさえ、成果をだせずじたばたする人間と、
手がけるもの全てで、何か結果を出し続けて、
高いパフォーマンスを発揮している人の違いを、
この本を読みながら感じた。


そんな考え方があるなんて、思ったこともなかった、
そういうエッセンスが詰まった本で、
この不思議な思いを、ちょっと覚えていようと思った。


洗脳力という、驚くような単語からイメージする、
断定的なものがあったわけではないのだが、
なにか、ざわざわするような感覚をくれる本となった。


では、また。