話すタイミング

こんにちは、検索迷子です。


人に話を持ちかけるとき、
驚くほどタイミングが悪い人がいる。


たとえば、今まったく違う話題をしているときに、
自分が思いついたことを話したり、
あるいは、当人がとても嬉しい出来事があって、
それを周囲に報告している最中に、ネガティブ発言をして水を差したり。


そのタイミングの悪い発言をした当人は、
自分が最も正しいと思った瞬間に話しているのだろうが、
聞かされたほうとしては、何が起こったのか理解できず、
唖然とすることがある。


話の中身が仮に的確であったとしても、
まるで心の準備ができていないときに聞かされた話は、
完全に意識のなかで素通りしていく。


え、何で今いきなり、その話なの?
という気持ちが先に立ち、会話の中身がまるで入ってこない。


さらにたちの悪いことに、
こういう話を今すべきだと思っている人は、
思考が凝り固まっていて、自分が話していることが絶対正しい、
今このとき話をしている自分は相手のことを考えている、
などというとんでもない勘違いをしている。


話を聞いた側の顔色や、雰囲気が、
え、今はその話じゃないでしょとか、
その話は今しなければいけないのかとか、
状況を見て、別なタイミングでしたほうがいいという空気になっても、
その人はその話題を変えず、しつこく食い下がってくる。


まったく、こうなると暴走を止められず、
周囲は困り果てる。
明らかに正論であっても、
タイミングの悪さから、言われた側に同情したくなったり、
その人の無礼さが空回りしたように見える。
こうなると、正論を言っている側がこっけいに見える。


こういう状況がつい最近自分にもあった。
あることでいい成果をあげて、周囲に報告していたところ、
お祝い会をやろうと盛り上がって、
多くの人からお祝いのメールをもらったり声をかけられた。


ところが中の一人が、まるで違う過去の話題を持ち出し、
お祝いを言うどころか、否定的な攻撃に走ってきた。
これには、愕然とした。


それとこれは今は違う話でしょ。
という対応を完全に無視して、
自己主張を始めた。
そして、いかに自分のことを考えたうえでの発言だと、
強調してきた。


それはそうかもしれないにしても、
こんなに、一番の喜びのタイミングで、
人を落とすようなことができる無神経さが許せなかった。
お祝いや、人の幸せを瞬時に壊す、
その暴力的な発言が耳障りとなり、
話の中身どころではなかった。


こういう人に何かを示唆したり、
注意をしたり、あるいは警告をしたりするタイミングが
下手な人は、さらに伝達内容も稚拙だったりする。


単刀直入に用件を言わず、遠まわしに、
あれこれとねちねちとくる。
え、何を言いたいのと思うような伝達下手なのに、
自分が正しい言い方をしていると譲らず、
頑なな発言の仕方をして、さらに空気は悪くなる。


言いにくいことも話すときは話すべきだろうが、
相手の状況を見て話をする思いやりや、
一番いいタイミングで伝える方法はいくらでもある。


言いたいタイミングに言い切った当人は気分がいいだろうが、
そんなのは何の効果もなく、
ただ人間関係が切れていくだけのことだ。


こういう人は無視していくに限る。
同じように、言葉やタイミングで人に傷つけられることが、
その人にもいつかくるだろう。


話すタイミングがまずければ、
話したことなんて無意味になる。


後味の悪い時間だけの記憶しか、残らない。
何を言われたのか、もう思い出したくもない、
それしか記憶のなかにはない。


話すタイミングを選ぶということは、
相手を思いやる気持ちがなければできないことだ。
そして、最も効果的に伝えたいと本気で思うなら、
少なくとも相手が嬉しい状況にあるときは時間をはずして、
普通の心理状態のときを選んだほうがいい。


話すタイミングの悪い話は自分も嫌だが、
人がされているのも見るのは不愉快だ。


話下手な人ほど、
まるで意を決したかのように、
だーっと思いつきでいっぺんに話をするから、
余計にたちが悪い。


話すタイミングがずれた話は、
何一つ伝わらない。
それは、自分でもそう思うし、
そういいたくなる人も多いなと思う。


私にとっては喜びの渦中で、水を差された思いは、
そんなに簡単に癒えない。
普通なら受け止めきれる話でも、
今、その話をするのという拒絶反応で、
その人に不信感しか残らなかった。


まともな状況なら聞ける話も、そのときは嫌悪感しかなかった。
配慮の欠いた行為を受けて、
たぶん、今後、普通に接することはできないだろうと思う。
その人はその人で、話すタイミングが悪かったばかりに、
何の効果もない時間をつかったということだ。
人を思うあまりの暴走する姿は、思いやりの押し売りで、
暴走している姿にすら見えた。


では、また。